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2015年06月12日

歯周病予防1/4(概要)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

前回まで、「歯周病って何?」、「なんで骨がなくなるの?」といった歯周病の病態についてお話ししてきました。

上記リンク先の記事の中で、なくなった骨が基本元に戻らない話や抜歯の原因の第一位が歯周病であるというお話もしましたね。

なのでそもそも‘ならなければ’良いのです。

ならないようにすることを、「予防」と言います。これが今回からのテーマになります。

歯周病治療の核となるお話になります。

歯周病のメカニズムをおさらいしますと、歯肉溝に磨き残しがあるとそれを歯周病菌が食べて、毒素を出し、炎症が起こり、体の免疫機能が働いて、歯を支える顎の骨がなくなってしまうのが歯周病です。

不明な場合は、前回までの歯周病の記事をお読みいただければうれしいです。

磨き残しは、24時間でプラークという細菌の塊になり、その後唾液中のカルシウムが蓄積して歯石となります。

<歯についたプラーク>

歯についたプラーク

<プラーク図解>

プラーク図解


歯石になる期間は、3日から歯石化がはじまり、2週間から1か月もするとがちがちに固まります。

<歯についた歯石>

歯についた歯石

プラークは歯ブラシで取ることが出来ますが、歯石になると歯ブラシで取ることが出来なくなります。

歯石は、歯医者さんでの器具でないととることは出来ません。

磨き残しが3日も残ったままになると歯石となりますので、定期的に歯石を取りに歯科医院に来て下さいとお伝えするわけです。

歯石が残ったままになると何が起こるかといいますと歯周病が進行します。

歯石は、数ヶ月するとほぼ100%の方についていますから人間時々歯医者さんでの歯石取りが必要になるわけです。

とはいってもそんなに頻繁に歯科医院に行くことは出来ない方がほとんどだと思います。

そこで先ほどの話を思い出していただきたいのですが、歯石になる前のプラークの状態であれば

歯ブラシでとることができます。


なので、医療者は患者さんへ歯磨きの仕方を伝え、磨き残しが少なくなるように促します。この事を「ブラッシング指導」といいます。

そして実際患者さんは家で歯磨きを頑張り、歯が健康な状態になるようにケアします。この事を「ホームケア」といいます。

それでも歯を本当に完璧に磨くのは難しいので、歯科医院の器具でしかとることが出来ない歯石を時々定期的に歯科医院でとります。この事を「プロフェッショナルケア」といいます。

歯周病予防治療の仕方はまとめますと、

1.ブラッシング指導

2.ホームケア

3.プロフェッショナルケア

歯周病予防治療は、この3段構えで進めていきます。

次回よりブラッシング指導から順番に書いていきたいと思います。よろしくお願い致します。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 12:18 | Comment(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月05日

歯周病7/7(なんで骨がなくなるの?5)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

では今回は本丸ですね。歯周病で骨がなくなるメカニズムについて書いていきたいと思います。

前回、前々回→「歯周病6」、「http://dentmarron.seesaa.net/article/419519940.html

炎症免疫反応、そしてサイトカインについて書いてきました。今回はさらに専門的なお話になりまして、下記の単語が不明の場合は、上のリンクからお読みいただければと思います。

骨芽細胞
破骨細胞
リモデリング
恒常性
炎症
免疫
サイトカイン

などです。

では歯周病のメカニズムについて順を追ってお話していきます。

まず、歯磨きでの取り残しが歯に付着したままになります。

<磨き残し>

磨き残し

お口の中にはたくさんばい菌がいまして、その中でも虫歯菌と歯周病菌が代表的に悪さをします

<口の中にいる細菌達>

口の中にいる細菌達

虫歯菌は歯面に生息しています。

歯周病菌は歯と歯茎の間に生息しています。

歯と歯茎の間の事を歯肉溝といいます。

<歯肉溝>

歯肉溝

この歯肉溝に食べカスがたまったままになるところから歯周病はスタートします。

まず、たまった食べカスはプラークというものに変わります。

<磨き残しがプラークになる>

磨き残しがプラークに

プラークには歯周病菌がウジャウジャいると思ってください。

<プラークは細菌のかたまり>

プラークは細菌のかたまり

歯周病菌は嫌気性桿菌という菌に分類され、プラークを食べたあと代謝物として毒素(リポポリサッカライド)を生成します。


歯茎の中で毒素を出しそれは、歯と歯茎をつなぐ繊維を切り、体の中に入ろうとします。

<繊維の断裂>

繊維の断裂

繊維が切れ、できる空洞を歯周ポケットといいます。

<繊維の破壊>

繊維の破壊

<歯周ポケット>

歯周ポケット


体の中にばい菌や毒素が入ったら体は困りますので、


そこで免疫の出番です。


まず炎症が起こり、免疫細胞を含む血液が集まってきます

<歯肉炎>

歯肉炎

<血管透過性の亢進>

血管透過性の亢進

血液が集まってくるので、赤く腫れてくるわけです。これを歯肉炎といいます。

<歯肉炎の見た目>

歯肉炎の見た目

そしてこの時何が起こっているかというと

<免疫細胞達>

免疫細胞達

まずは好中球という免疫細胞の一種が集まってきます。

<好中球>

好中球

好中球には細菌を貪食する作用と貪食した事を刺激に活性酸素など殺菌物質を放出し、浄化する作用があります。

この好中球の段階で細菌の増殖が抑制されれば、炎症は局所にとどまります。

この段階を歯肉炎といいます。

<歯肉炎断面図>

歯肉炎断面図

歯肉炎になってもその後、きちんと歯磨きをしてプラークコントロールをすれば、炎症は消退し、元の健康な歯茎に戻ります。

歯肉炎が元に戻ると以前お話した理由はこれに当たります。

しかし、好中球では浄化出来ない場合は、ばい菌や毒素は血流にのって体中へ回っていき、後のブログで書きますが全身へ影響を及ぼします。


そして免疫は次の段階へ進んでいきます。

次に現れるのは、単球リンパ球です。

<免疫細胞の一種である単球とリンパ球>

単球とリンパ球

単球は血管から出た段階でマクロファージと名前を変えます。

<マクロファージ>

マクロファージ

マクロファージという言葉をお聞きになったことがある方もいるかもしれませんが、

マクロファージには、貪食作用サイトカイン放出抗原提示という性質があります。

<ヘルパーT細胞への抗原提示>

ヘルパーT細胞への抗原提示

もう少しまとめますと

毒素や細菌を食べ(貪食作用)、その食べた異物(抗原)の情報をリンパ球へ知らせる働き(抗原提示)と各種サイトカインを生成する働きがあります。

<サイトカインが各々の細胞へ働きかけ、最終的に破骨細胞分化促進>

破骨細胞分化促進

このときに出すサイトカインが破骨細胞を活性化してしまうのです。

どうしてかといいますと、毒素やばい菌が骨に感染したら大変です。

骨とばい菌(バイオフィルム)との距離は2.5ミリに保たれております。

ばい菌の侵入を止められない場合、体は距離をおこうとします。

つまり感染層から骨を壊し遠ざけようとするのです。

<サイトカインを放出し破骨細胞を活性化>

破骨細胞を活性化

<破骨細胞が骨を壊し食べる>

破骨細胞が骨を壊し食べる

人間の体ってすごいですね。特にこの免疫機構はよく調べてみるとわかりますが、感動します。

いつもそうやって私達の体を守ってくれているのです。

体に感謝ですね。

是非とも免疫を下げないような生活を送る事をお勧めします。

そうして、免疫の凄さがわかったところで、結果として

破骨細胞が活性化されると、壊される骨が多くなります。

そして

壊される骨の量新しく作られる骨の量

とバランス(恒常性)がとれていた状態から

壊される骨の量>新しく作られる骨の量

となり、相対的に骨がなくなっていくわけです。


これが歯周病でなんで骨がなくなるの?という疑問にたいする答えです。

いかがでしたでしょうか?

つまり歯周病菌(毒素を出す)にたいする体の免疫反応によって骨はなくなるのです。

体の免疫機能は止められないですし、止めない方がいいですね。

どこを止めるべきでしょうか?

それは、最初です。

食べカスを残したままにしないことです。

もしくは好中球で浄化出来るレベルにとどめることです。

それが歯周病の‘予防’という考え方です。

次回より、その予防について書いていきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

追伸

免疫機構はわかりやすくする為に省略した部分もあります。

さらに、実際は免疫反応は、この次の段階に進みます。

御興味のある方は調べてみても面白いかもしれません。

免疫のシステムの全体像が腑に落ちた時、本当に感動しますよ。

是非お試しあれです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 11:21 | Comment(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月29日

歯周病6/7(なんで骨がなくなるの?4)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


前回は免疫反応の第一段階である「炎症」について書きました。

<炎症の断面図>

炎症の断面図

「炎症の五大徴候」から、炎症とは要は‘血’を集めている状態であると書きました。

<炎症の五大徴候>

炎症の五大徴候

なぜ、血を集めるのかというと

それは血液の中に含まれる多種多様な成分が歯周病菌の出す毒素をやっつけるのに必要だからです。

<血管透過性の亢進>

血管透過性の亢進

ここまでは前回のブログでお話しました。

そして、どうやって血を集めるの?といった事が今回のテーマです。

つまり、毒素が入ってきたとき、体はどうやって血を集めているのでしょうか?

例えば、切り傷からばい菌が入ると赤く腫れます。

つまり‘炎症’が起こりますが、頭で考えてやっているわけではありませんよね。

意識的にそこに炎症を起こそうとしてもできません。

体が勝手にやっているのです。

そういったシステムが元々体に備わっており、そのシステムを‘免疫’と呼んでいるわけです。

<免疫のイメージ>

免疫のイメージ

そのシステムですが、体が‘信号’を出す事でそのシステムは成り立っています。

つまりばい菌や毒素など‘異物’(非自己)が入ってきたり、細胞や組織が傷つくなど損傷を受けた場合などに‘炎症’が起こり、それらの問題を解決する為に‘免疫反応’が起こります。

それら問題を実際に解決するのは‘免疫細胞’と呼ばれるもの達ですが、その免疫細胞をその場所に呼んでくる為に、体は‘信号’を出します。

その信号のことを‘サイトカイン’と呼びます。

<サイトカインが各々の細胞へはたらきかける>

サイトカインが各々の細胞へはたらきかける

免疫反応は以下の順番に進んでいきます。

異物・毒素・ばい菌が体の中に入ってきた。

サイトカインを出す(血よ、集まれーという信号)

血が集まってくる、炎症が起こる。

サイトカインを出す(食べる細胞よ、集まれーという信号)

異物・毒素・ばい菌を食べる細胞が集まってきて、それらを食べる。

サイトカインを出す(情報を受け取る細胞よ、集まれーという信号)

食べる細胞は、その異物・毒素・ばい菌の情報を、違う細胞に渡す

サイトカインを出す(抗体を作る細胞よ、集まれーという信号)

情報を受け取った細胞は、その情報を抗体といってそれをやっつける物質を作る細胞へその情報を渡す。

そして、抗体を作る細胞はその情報を元に、抗体を作り、異物・毒素・ばい菌をやっつける

これが免疫反応です。

<免疫反応のイメージ>

免疫反応のイメージ

あまり詳しく書くと訳がわからなくなる可能性があるので、簡単に書きましたが、

上記にて色々な免疫細胞があるんだなということがわかったかと思います。

これらの免疫細胞を呼んできたり活性化させるのがサイトカインです。

<矢印がサイトカインに当たります>

矢印がサイトカイン

要は細胞自体は考えているわけではなく、その性質があるのみです。

それらを順番通りに呼んできて、システムを作っているのがサイトカインという信号です。

<サイトカインシステム>

サイトカインシステム

このサイトカインというのは、化学物質で色々な種類がありますが、それらはまた難しくなるのでここではお話ししません。

ただ、色々な種類のサイトカインがあってそれぞれで呼んでくる細胞が違うと思っていただければと思います。

そして、体の機能というのは、性質の違う細胞をサイトカインという信号で統率していると全体像をつかんでいただければ良しです。

<サイトカインネットワーク>

サイトカインネットワーク

歯周病で毒素が体の中に入ろうとした時、体は、

血よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。

そしてそれから、その毒素を食べる細胞よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。

そのあと毒素の情報を受け取る細胞よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。

それから抗体を作る細胞よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。

<免疫反応のイメージ>

免疫反応のイメージ

このように免疫反応はサイトカインという信号を出す事で進んでいくのです。

そして、このサイトカインが破骨細胞を活性化してしまう事につながります。

<サイトカインが破骨細胞を活性化>

破骨細胞を活性化

要は、炎症が起こり免疫反応が進む中で、破骨細胞よ集まれーとやってしまうのです。

その機序について次回詳しくお伝えします。

今回免疫機構については、ずいぶん省略しましたが、歯周病については詳しくいきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 23:15 | Comment(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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