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2015年05月07日

補綴物セット8/8(本着 生活歯の場合)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

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動画:インターネット歯医者さん〜実践編〜の目次「患者さん」参照

前回は「本着」の接着剤について書いてきました。

今回は、神経の残っている歯の本着についてです。

神経の残っている歯には、リン酸亜鉛セメントはしみてしまうので、イオノタイトFなどのレジンセメントやしみが強い場合はグラスアイオノマーセメントを使用します。

接着剤は、所定の通り練るのみですので、

今回は「インターネット歯医者さん」の得意な教科書的ではないことに焦点を当てて書いて、この本着の項をおしまいにしたいと思います。


本着する際、エアーを吹きかけて歯を乾燥させますが、

歯が生きてる(歯の神経が残っている)場合はしみますね。

その時、私は次のようにします。

まず綿球で窩洞を拭きます

写真

それからエアーを簡潔的にシュッ、シュッとかけ乾燥させます。

最初に綿球で拭く事で、あらかた水分を拭き取る事が出来るので、エアーをかける時間を短くすることが出来ますね。

エアーをシューッと長くかけると、患者さんは超痛いです。

ですからシュッ、シュッ、と間歇的にエアーをかけるのですね。

さらに、

私は声かけも使用します。

「シュッ、シュッ、と風をかけます。少ししみますよ」

と一言、風をかける前に患者さんに伝えておくと患者さんも心の準備が出来ます。

なんの準備もしていない時にいきなり痛みがあると患者さんはびっくりしますし、予期しない痛みは人に恐怖を与えます。

痛みを感じさせる前に、伝えること

この事は、本着のみならず、歯科医療をしていく際にとても大事です。

私は他にも患者さんの手に遠くから風をかけて

「この室温の風をかけます。少ししみます」

と話す時もあります。

これは、現理事長がやっているのを見て、これは使えるとすぐにメモしたことです。

このやり方が良いか悪いか、意味があるかないか(医療的に)にかかわらず、患者さんの身になって考えるということが大事です。

その考え(思考)のもと、より親切だなわかりやすいなと思う事をどんどん実践(行動)していきましょうと強くお勧め致します。

現理事長の医院は患者さん多数でとても人気なのですが、こういったところに気を使う事が患者さんに人気が出るコツですし、当医院の大義名分であるメンタルケアにつながると思っております。→「大義名分を作ろう」

是非お試しあれ、です。

さて、

これにて、「本着」の項は終わりです。

今まで、型を採る(印象)ところから模型を作り(石膏)、技工所から冠やインレーが出来てきたら調整をして(補綴物調整)、仮着、本着、となり、無事患者さんの歯に補綴物がセットされた事になります。

長い旅のように、たくさん記事を書いてきましたが、私の臨床をこれでもかと挿入して書きました。

ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。

次回お知らせを挟んで、新章に入ります。

新章は「歯周病」について書いていこうと思います。

引き続きお読みいただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。

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posted by さけいくら at 22:53 | Comment(0) | 補綴物セット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月04日

補綴物セット7/8(本着 本着剤)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

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前回は本着の実際の臨床について書きました。

今回は使用する本着剤について書いていきます。

本着剤は当院では「イオノタイトF」「リン酸亜鉛セメント」の大きくわけて2種類を使用します。

<イオノタイトF>

イオノタイトF

<リン酸亜鉛セメント>

リン酸亜鉛セメント


保険の歯は、イオノタイトFを使い、セラミック冠などの自費診療はリン酸亜鉛セメントを使用する事が多いです。

保険診療の場合は、セメントの種類も規定されているので、仕方なくイオノタイトFで本着しますが、大げさに言うと、リン酸亜鉛セメントで全部着けたいくらいです。

なぜなら、リン酸亜鉛セメントは普段はとれないのですが、外そうと思った時に外せる事が多いからです。

イオノタイトFなどのレジンセメントは合着力が強く、一度着けたらまず外れません。また外す事は出来ません。


よく、私は、

イオノタイトFを一番目の接着剤

リン酸亜鉛セメントを二番目の接着剤

として下記の内容を患者さんにお伝えします。

一番目の接着剤でつけるとほぼ絶対外れません。

昔は歯医者さんは、被せ物が外れると下手くそとか言われてましたが、現在は接着剤も良くなって、まず外れない接着剤が存在します。

ただ、外れなくていい面もありますが、外れないので例えばボールがぶつかった、石みたいに硬いもの噛んじゃった、などでセラミックがかけたとしても外して修理することは出来ないです。

壊して除去し、作り直しになります。

当院には保証期間がありますので、その期間内であれば、無料でやりかえ可能ですが、保証期間を一日でも過ぎたら、作り直す場合、また同じ料金が患者さんにかかってしまいます。

外れれば修理することができます。保障期間を過ぎていたとしても修理の料金の方が安いです。

他にも根っこが膿んできたので、根っこの治療が必要になった際、外せれば根管治療して、被せ物はそのまま使えます。

歯科医療者の方はご存知ですが、根っこがいつ膿んでくるかは予測出来ませんね。

また、歯周病にかかっている歯で徹底的な歯の清掃が必要な場合など、冠を外して歯のお掃除が出来たら、最高です。

ブリッジで何本も連結してある歯の一本が割れても、外せなければ全て繋がっている範囲の歯の被せ物、全てをやり直しになります。

その場合、患者さんは一本にトラブルが起きただけなのに、ブリッジをやりかえるとなると、また何本も料金を払わなければならないわけです。

何年も後になって起こってくるかもしれない話ですが、何が起こるかわからないわけです。

じゃあ後々の可能性をなくすために歯を抜いてしまうかというと、そういうわけにはいきませんね。

歯科医師側も実際臨床経験を積んでくると、冠が外れてくれればなあと思う事がおありになるかと思います。

または、外れてくれればよかったのに、と思う事だってあります。

最初にお話したボールがぶつかるなど予想外の外力が加わった時に、外れてくれれば、力は抜けますが、外れないと歯が折れてしまう事だってあります。

そんなこんなで、冠を外せるメリットは多分にあるわけです。

歯は引き出しにしまっておくものではなく、毎日毎日食事の際など使うものです。

やはり、何が起こるかわからないという考え方も頭の隅に置いておかなければならないという考えです。


でも仮着ではそのうち外れてしまいます。それは患者さんにとっても困った事になります。

そこで、

普段外れないんだけど、外そうと思った時に外せるようなちょうど良い本着剤はないかな。

と思ってらっしゃる歯科医師の先生方は多いと思います。

それを体現してくれる本着剤が「リン酸亜鉛セメント」です。

私が分院長で勤務した時、前医の院長が好んで使用していたのですが、はじめリン酸亜鉛セメントに出会った時、こりゃあいい!と思ったものです。

自分では気づきませんでした。おそらく教科書にも載っていないと思います。

本着剤の歴史は、リン酸亜鉛セメント→グラスアイオノマーセメント→レジンセメント(イオノタイトF)と進んでいきますが、私が歯科医師になった時はグラスアイオノマーセメントが主流でした。現在はレジンセメントですね。

なので、リン酸亜鉛セメントを使用するという考え自体がなかったです。

リン酸亜鉛セメントを使用していた時代の先生の経験に偶然触れる事があったので、たまたま良い面に気づけたというところです。

確かにリン酸亜鉛セメントは、接着力に劣りますし、歯髄刺激性等もあります。

しかしこれまで、セラミック冠だけでも何千個とセットしていますが、リン酸亜鉛セメントで着けたからといって問題が起きた事はないです。

むしろ、実際の臨床では、患者さんも私も助かったという事の方が多いです。

接着力が低い為、外れてしまうことは100個中1個くらいありますが、

外れたらまた着けたらいいのです。

もう外したくないのであれば、いつでもイオノタイトFで着ければいいのです。

二次カリエスのリスクが上がる事も考えられますが、私の経験としてはしっかり歯肉縁下までピッタリ入っていれば、そう二次カリエスが起こった事はないです。

逆にレジンセメントが残留して、歯石みたいになっている症例は見かけます。

レジンセメントでつけても二次カリエスのリスクはなくなったりはしないですよね。

それらを考えると、外れなくて起こりうるリスクの方が高いように私は思います。


ただ、外れた場合は、

原因を探らなければなりません。


リン酸亜鉛セメントで本着して、外れてくる場合、

すぐ外れてくる場合は、適合に問題

何年かしてから外れてくる場合は、咬合の変化が問題

になっていることが多いです。

イオノタイトFで着けると例え適合が悪くても外れないので、冠の中は見れませんから気付く事は出来ません。

逆に、リン酸亜鉛セメントで外れる場合は、それらの問題点に気付くきっかけになるという見方も正直あります。

自分を正当化するわけではないですが、実際として、経年的に毎日患者さんの噛み合わせをチェックしていくことは出来ないですよね(したい気持ちはありますが)。

定期検診とて、半年に一回。おそらく一般の方で何年も歯医者さんに行ってないという方は多いと思います。

問題点を放っておくと、適合が悪い場合は虫歯になりますし、噛み合わせが強くあたり過ぎている場合は、セラミック冠の欠けや歯根の破折、歯周病の垂直性の進行などが起こる可能性があります。

外れたら、患者さんは来院しますね。歯科医師側だってなんで外れたのかと考える事になります。そして問題点にも気付きやすい事に繋がるわけです。

ただ、これまでリン酸亜鉛セメントの良いところばかり書いてきましたが、

もちろん、イオノタイトFなどのレジンセメント系本着剤よりもリン酸亜鉛セメントがいいなどととんでもないことを言うつもりはありません。

材料学的にイオノタイトFの方が優れています。

どちらで着けるべきかなども、実際は患者さんによってもケースバイケースです。

ただ、今回のブログで考え方は一つではないという事が伝わっていただければ幸いです。

患者さんにとってメリットが高い方で選べる事が大事だと思います。

たとえば、例を列挙すると、

感染根管治療の完治率は、どんな専門家がやっても60%台と言われているそうです。

では膿が溜まっていて、感染根管治療をした歯の被せものはどちらで本着するでしょうか?

または、歯周病の強い歯で患者さんが保存を望んだ場合の歯の被せ物は?

ロングブリッジで一本、あぶない歯があるけど、そこを抜くと支台歯の数が足りず保険が通らない、患者さんも症状がないので、抜きたくない場合などの、ロングブリッジは?

どちらで着けるでしょうか?

リン酸亜鉛セメントが安心度は増しますよね。

では、上記と同じ条件にプラスその患者さんは、明日から海外転勤でいつ戻るかわからないとしたらどうでしょうか?

出来れば外れない方がいいですよね。

そうすると、イオノタイトFのメリットが高くなるわけです。

つまり、患者さんの口腔内の状態によっても、バックグラウンドによっても、選択は変わるわけです。

大事な事は、選択肢を持つ事

より患者さんにメリットのある方を選択することだと思います。

今回リン酸亜鉛セメントについて特に書いてきましたが、リン酸亜鉛セメントを使用するのは、その歯に神経が残っていない場合になります。

神経が残っている歯の場合は、リン酸亜鉛セメントは、リン酸(酸性)が入っていますからしみます

では、生きてる歯の場合はイオノタイトFやグラスアイオノマーセメントを使用しますが、その本着の仕方についても、ちょっとしたテクニックがあります。

次回「本着」の生きている歯の場合について書いていきます。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 11:23 | Comment(0) | 補綴物セット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月01日

補綴物セット6/8(本着 臨床)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

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心よりお礼申し上げます。

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動画:インターネット歯医者さん〜実践編〜の目次「患者さん」参照

前回は本着する場合について書きました。

今回は「本着」の“実際の臨床”について書いていこうと思います。ただ接着剤を練って着けるだけではない部分に、焦点を当てて書いていきます。

どうか、最後までお読みいただけるとありがたいです。

では、冠とインレーについて説明していきます。

<冠>

冠

<インレー>

インレー

まずリムーバーで仮着されている冠を外します。

<リムーバー>

リムーバー

そして、歯と冠の内面に仮着剤が付いてますのでそれらを超音波スケーラー(歯石をとる際に使用する器具)で除去します。

<歯についた仮着剤>

歯についた仮着剤



この時に、ただ除去するのではなく、‘歯茎’の状態もみます。

歯茎が腫れていないのであれば、その補綴物は歯茎にあっているということです。

噛んだ感じや色、発音などは患者さんの感覚でわかりますが、この歯茎が腫れているかどうかは患者さん自身はわかりにくいですので、歯科医師側がきちんとみます。

患者さんが仮付けしてみて、全然大丈夫でしたと言っても、歯茎が腫れていればやり直しです。

私は、一度清掃方法をお伝えして、もう一度仮着で様子をみますが、その次に来院された時にも歯茎が腫れていれば、もう一度型をとって、被せ物を作り直していきます。

これは全ての補綴物で同じです。

歯茎が腫れているというのは、患者さんが気付かなくても、ほうっておけば必ず後ほど問題を起こしてきます。

歯周病や虫歯、口臭などです。

なので、そこは妥協せず作り直していきます。

歯茎の腫れがない場合は、

歯の清掃と消毒、そして補綴物も消毒します。

これは本当の意味で意味があるかはわかりませんが、気持ち的には意味があります。

患者さんへは

「どちらもキレイにしてつければ、ばい菌を封入しなくてすみますから消毒してきますね」

とお話しします。

ここまでやる歯科医院は少ないと思いますので、患者さんはこの医院は自分を大事にしてくれてると思われるわけです。

こういった当たり前とルーティンワークになりがちなところにサービスを提供していくことが、いわゆる「一段上のサービス」につながるのだと思います。

また、本着のみに患者さんはわざわざ来院されるわけです。

ただ、外してもう一回つけるのみでは、なんだか来院する為に使った通院時間の方が長かったと思ってしまうかもしれません。

できるだけ来てよかったと思っていただきたいですよね。

この「本着」の回の要点は、サービスの提供です。

普段、患者さんは治療でつらい時間を過ごしているわけです。

やっと噛めるようになった、この回にできるだけ、サービスを提供しようと私は思っているわけですし、

ブログをお読みの皆様にもお勧め致します。

例えば声かけに関しても

「この歯、残りましたねー」

「噛めるようになりましたねー」

「きれいな歯が入って私も満足です」

「よく頑張りましたね」

などなど、患者さんと喜びを分かち合う回にしたいものです。

では続きです。

消毒の仕方ですが、補綴物はアルコール消毒、クロルヘキシジンに浸してもいいですね。

<クロルヘキシジン>

クロルヘキシジン

患者さんは、衛生士さんのソフト歯ブラシの後、ネオステリンを角ワッテに浸し一分程噛んで待ってもらいます。

<衛生士さん>

衛生士さん

<ネオステリン>

ネオステリン

どうですか、気持ちよさそうでしょう。

<ソフト風景イメージ>

ソフト風景イメージ

衛生士さんの優しいトークとネオステリンはやってみるとわかりますが、

清涼感のあるいい匂いがして気分が良くなります。消毒されている感も大変あります。

こういったちょっとした点なのですね。

たかが「本着」、されど「本着」です。

そして、消毒が終わりましたら次に本着剤を用意します。

この本着剤に当院は大きく分けて2種類あります。

それらについて、次回書きたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 11:37 | Comment(0) | 補綴物セット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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