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2015年04月14日

補綴物調整9/9(研磨 臨床)



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では今回より「研磨」の実際の臨床をお話していきます。

研磨で大事な事は、ゴールである金属の輝きを知っておく事です。

つまり、研磨終了後の冠やインレーの輝きを最初に最初に知っておく事が大事です。

研磨は

1.カーボランダムポイント
2.茶色シリコンポイント
3.青色シリコンポイント

の順番に行なっていきます。「補綴物調整7(研磨 概要)」

それぞれのステップでのゴールが見えていないと次に進めません。それらを今回のブログで書いていこうと思います。

まずゴールの写真から

<ゴールの写真>

ゴール

写真ではわかりづらい場合、送られてきた技工物を青のシリコンポイントで研磨してみましょう。

その時の輝きがゴールで良いと思います。


余談ですが金属というのは、磨けば磨くほど、妖艶な、艶かしい輝きを放ちますね。

私の感覚としては、金属の本来の輝きが現れる時、少し黒く見えます。

濃い、とか、深い色合いになるのです。

<濃い、深い色合い>

濃い、深い色合い

このゴールを目指して、咬合調整が終わった状態の下の写真の補綴物を‘研磨’していきましょう。

<咬合調整が終わった直後>

咬合調整が終わった直後

ではカーボランダムポイントから順番に書いていきます。

下の写真の状態です。ザラザラ感はあれどスムースにする事がポイントです。

<カーボランダムポイントでスムースに>

カーボランダムポイントでスムースに

‘咬合調整’もカーボランダムポイントで行うため、あまりぱっと見違いがわかりづらいかもしれませんが、初めの写真と比べると少しの違いがわかるかと思います。

圧力をあまりかけないようにします。

<あまり圧力をかけない>

あまり圧力をかけない

咬合面の裂孔はこの時付与しましょう。

<咬合面裂溝の付与>

咬合面裂溝の付与

食べ物を噛み潰した時の食物の流れを良くする為、歯には裂孔があります。なので補綴物にも同じように裂孔を付与しましょう。

<咬合面裂溝の付与完成>

咬合面裂溝の付与完成

ここまで出来たら、いよいよ大事な茶色シリコンポイントです。

<茶色シリコンポイント>

茶色シリコンポイント

私は、カーボランダムポイント・茶色シリコンポイント・青色シリコンポイントのうち‘研磨’のほとんどの時間をこの茶色シリコンポイントに費やします。

研磨を上手く行うコツは、この茶色シリコンポイントです

<茶色シリコンポイントを少し押しつけながら研磨

茶色シリコンポイントを少し押しつけながら研磨

上の写真のように、少し押し付けながら磨いていきます。

この時大事なことは

1.色々な方向に動かします。

<色々な方向に動かします>

色々な方向に動かします

2.ライトを当てながらやる事です。

<研磨中はライトを当てる>

研磨中はライトを当てる

3.回転数を最初は高速回転、最後の方は低速回転にする事です。

<高速回転>

高速回転

<低速回転>

低速回転

これは、技工士さんに直接教えてもらったテクニックですが、まず金属でも、レジンでもなんでも、

物を磨く時は色々な方向から磨いていくのが、細かい傷をなくすコツです。

<縦方向>

縦方向

<横方向>

横方向

次にライトを当てる事で、その反射する光から研磨の進み具合がわかります。

どんどん、金属の輝き方が変わっていくのがわかります。色々な角度に反射させる事で細かい傷を見る事も出来ます。

<研磨面まだ粗い→滑沢>

研磨面まだ粗い→滑沢

研磨面まだ粗い→滑沢

研磨面まだ粗い→滑沢

研磨面まだ粗い→滑沢

‘研磨’中はライトを当てる事、これは鉄則だと思います。

そして、研磨する回転数ですが、最終的には、低速回転でそのポイントでの本来の研磨が出来ます。

しかし、初めは大きい傷が多いので時間短縮の為もあり、私は最初高速回転である程度研磨してから、低速回転にします。

<茶色シリコンポイント低速回転>

茶色シリコンポイント低速回転

上の写真が、茶色シリコンポイントでのゴールです。

もうこのままお口の中にセットしても良さそうなくらいに研磨するのがコツです。

そしてここまできたら、最後は青色シリコンポイントで仕上げです。

<青色シリコンポイント>

青色シリコンポイント

この時、青色シリコンポイントで研磨している時間は長くても1分程度です。

<青色シリコンポイント研磨終了>

青色シリコンポイント研磨終了

それ以上磨いても変わりません。

そして、この時一番最初にお話した、研磨のゴールの状態になっている場合はこれで研磨終了です。

しかし、そこまでなっていない。もしくは細かい傷があるなど、ゴールに及ばない場合はどうするか。

ここから、「インターネット歯医者さん」で良くお話する教科書には載っていない事となるかもしれません。

その場合は

茶色シリコンポイントに戻りましょう。

<再度茶色シリコンポイント>

再度茶色シリコンポイント

もう一度、茶色シリコンポイントに戻って研磨した後、青色シリコンポイントで研磨して下さい。

<再度青色シリコンポイント>

再度青色シリコンポイント

カーボランダム→茶色シリコン→青色シリコン→再度茶色シリコン→再度青色シリコン

とするのです。

輝きが生まれ変わります。是非お試しあれです。

<研磨ゴール>

研磨ゴール

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 11:06 | Comment(0) | 補綴物調整 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月07日

補綴物調整8/9(研磨 概要)



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前回の続きで、今のところ

隣接調整咬合調整が終わったところで、

下の写真のようになっております。

<咬合調整直後>

咬合調整直後

表面がザラザラしているのがわかると思います。

このまま歯にセットすれば、患者さんはザラザラ違和感を感じますし、ばい菌がたまりやすくなってしまいます。

ですので、上の写真から下の写真になるように「研磨」というのをします。

<研磨終了後>

研磨終了後


使う器具は下の写真になります。

<ポイントを回転させて磨きます>

ポイントを回転させて磨きます

カーボランダムポイント

カーボランダムポイント

茶色シリコーンポイント 右 青色シリコーンポイント 左>

茶色シリコーンポイント(右) 青色シリコーンポイント(左)

です。次回より実際どうやって研磨していくのかを書いていきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 18:58 | Comment(0) | 補綴物調整 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月03日

補綴物調整7/9(咬合調整4)



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前回は魔法の咬合調整について書きました。


今回は、咬合調整をしていくと、低くなり過ぎてしまう事も考えられます。

まずは低くなり過ぎていないか、ちゃんと噛んでいるかを調べる方法は下の写真になります。

<咬合紙を一歯分の幅に切る>

咬合紙を一歯分の幅に切る

この咬合紙が噛み合わせた後引き抜けなければ、ちゃんと噛んでいます。低過ぎないわけです。

また、私は咬合調整をする場合、手前側の歯の引き抜き試験での抵抗によって、たとえばスカスカならガンガン削っていきますし、抵抗があるようだったら少しずつ削っていきます。

また、ホワイトスポットは少し大きく削り、普通の印記部分は、手前側の引き抜き試験の抵抗によって微調整します。

まずは手前側の歯で引き抜き試験をするというのを覚えていただければよろしいかと思います。

ゴールが見えていると、何度もやっているうちに修練されて微調整も出来、ピタッと合うようになります。スピードもあがります。私は「高さどうですか?」と患者さんに聞く時には、たぶん大丈夫だからと、聞きながら次のステップである研磨用バーにつけかえていたりします。

また、インレーやCRの咬合調整も同じ考え方ですが、手前側の歯で調べる方法ももちろんありますが、もう一つのやり方として私はその調整している歯を見ます。

インレーやCRが咬頭を覆わない場合、機能咬頭は残っているわけです。

咬頭とは、歯は山・谷ありますが、山の部分です。下の写真の黒い矢印が咬頭です。

<咬頭>

咬頭

これが上下で噛んだ時下の写真のように噛み合います。

<咬んだ時>

咬んだ時

さて、ここからは少し専門的になりますが、機能咬頭とは上顎では側、下顎では側の咬頭です。

この機能咬頭に注目しながら咬合調整していきます。

はじめ、まだ高い状態の時は下の写真のように印記されます。少し写真が見えずらいですが(すみません)、よくみるとこちらの歯にはセラミックインレー(白い詰め物)が入っております。よーくみると、セラミックインレーには赤い印記がついていますが、咬頭には印記がついておりません。

この状態は、まだ高いのです。

<セラミックインレーのみに赤い印記がついている>

セラミックインレーのみに赤い印記

そして、咬合調整をしていくと下の写真のようになります。

<咬頭に赤い印記がついている>

咬頭に赤い印記

機能咬頭に印記がついていますね。

機能咬頭が噛みはじめたわけです。

心の中では、よしよしと思います。

臨床的には、この時にインレーやCRにも印記がある場合は、そこにほんの少しカーボランダム当ててから、「どうですか?」と聞くとたいていは患者さんはうなづきなから「大丈夫です」といいます。

このうなづく仕草は、咬合調整中にも見受けられますが、人は噛み合わせが合うとうなづく傾向があります。

患者さんの仕草には色々な意味が秘められているので、参考にしてみていただけたらと思います。

そこですかさず、「今合ってきましたね」などと術者がいうと、‘この先生私の噛み合わせがわかってる’となるわけです。

その一言ですが、患者さんの安心につながるのであれば、伝えた方がいいです。

是非お試しあれです。

また、咬合調整はあってるはずなのに患者さんが違和感を訴える場合がありますね。

そんな時は二つ原因があります。

1.本当に高い場合

2.仮歯より噛むようにはなりますので、今まで噛まなかった部位が噛むようになった事により違和感を感じている場合

です。

1の理由は、下の顎は色んな方向に動きますので、どこがで当たっています。

そんな時は、咬合紙をはさみ「違和感を感じるところに押し付けるように噛んで下さい」と声かけします。

それで当たっていればそこを咬合調整します。

当たっていなければ、2の理由が多いです。その場合それ以上咬合調整すると低くなり過ぎてしまいますね。

そんな時は、‘仮着’という考えを使いましょう。

当医院では、被せ物はほとんどの場合、一回目は仮着します。

患者さんからすれば、今まで噛んでいなかった部位が急に噛むようになれば、違和感を感じるのは当たり前です。

ですので、一度仮付けで様子を見るのですね。

一週間位使っても違和感がある場合は、修正しますが、今まで書いてきた咬合調整をしていればほとんどの場合、一週間後には違和感を感じなくなっています。

仮着の意味は他にもありますが、そちらは後ほど「補綴物セット」の項でお伝えします。

さて、これで‘咬合調整’はおしまいです。

次回から、「研磨」について書いていきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 10:17 | Comment(0) | 補綴物調整 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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