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2015年01月27日

連合印象4/7(弾性)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


前回はアルジネートの性質について書きました。

そして、たいてい詰め物や被せ物が合わないのはこのアルジネートの扱い方時が原因という話もしました。

アルジネートをとる際に一番考えなければならないのは、‘弾性’‘離水’という現象です。

歯は豊隆がありますので、アルジネートを歯からとる時に、一度広がる必要があります。

<一度広がらないとひっかかってはずれない>

一度広がらないとひっかかってはずれない

そして広がったままになってしまったら、型は‘ずれ’ていますね。

広がったあと、元の形に戻らなければなりません。

これを‘弾性’といいます。

この弾性が発揮されるようになってから、トレーを歯から撤去しなければならないわけです。

これが発揮される、されないの目安が硬化時間、臨床的には圧接時間です。

さて、アルジネートは何分で固まるでしょうか?

お使いの商品の袋に書いてありますので、まずその硬化時間を把握しましょう。

ちなみに当院で使っているアレグレスという商品名のアルジネートはこちらです。

<アレグレス使用法>

アレグレス使用法

<アレグレス物性>

アレグレス物性

ここに、弾性ひずみという記載がありますが、これがこれ以上変化させると元に戻らなくなるよ。これ以下の変化だったら、元に戻るよという値です。

弾性曲線などの図を使って説明をする事も出来ますが、臨床ではそういった値はあまり使わないですね。

大事なのは、何分患者さんの歯にアルジネートを圧接するべきか?という事です。

では当院の臨床を紹介いたします。

この商品の記載には温度の事は書いてありません。

ただ、温度によっても硬化時間は変化する連合印象3でお伝えしました。

水道水を使用する場合は、夏と冬でも水の温度は違います。

なので冷蔵庫に水を保管して温度を一定にしましょう。といった事も前回お伝えしました。

冷蔵庫の水は冷たいですね。水が冷たければ、アルジネートの硬化時間は長くなります。

ですので、当院でのアルジネートを患者さんに圧接する時間は少し長めにとります。

色々試しましたが、練りはじめてから4分が私の場合は良かったです。

ただ、練ってる時にタイマーをかけるのも大変なので、患者さんに圧接してから、3分と決めています。

患者さんに圧接してから、タイマーがすでに3分でセットされているようにしているので、ポチッとスタートボタンを押してから片付けにいくというながれです。

このようにシステムを一律化すると問題点も浮き上がって来やすいですし、何より働きやすく、教えやすくなるので是非お勧めです。

おそらく歯科医師の先生方からはちょっと長くない?という意見があるかと思います。

それにつきましては、次回アルジネートの‘離水’現象という事も踏まえてお話していきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:18 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

連合印象3/7(寸法変化に影響を与えるもの)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

寒天・アルジネート連合印象の続きです。

前回は寒天の流し方について書きました。

今回はアルジネートについてです。

今回想定しているのは、寒天・アルジネート連合印象といって、歯科で一番頻度の高い印象(型)のとり方です。

寒天を流したあと、トレーに持ったアルジネートを歯に圧接します。

<寒天を流す>

寒天を流す

<練ったアルジネートを歯に圧接>

練ったアルジネートを歯に圧接

アルジネートと寒天は最初柔らかく、時間が経つと固まる性質があります。

そして固まったあとトレーを外せば、型がとれているわけです。

<トレー撤去時内面>

トレー撤去時内面

アルジネートは最初‘粉’の状態で保存されています。

<アルジネート粉 水 ヘラ>

アルジネート粉 水 ヘラ

これにを混ぜて練り、一定時間待つと固まります。

<粉と水を混ぜて練る>

粉と水を混ぜて練る

では、まず水をどの位混ぜればいいの?というのが粉液比というものです。

アルジネートは適正な粉液比よりも多く水を入れた場合はどうなるでしょうか?少なく水を入れた場合はどうなるでしょうか?


これらをもう一度おさらいします。

答えは、

■水を多く入れた場合・・アルジネート硬化時間は長くなり、物性は(総じて)落ちます。

■水を少なく入れた場合・・アルジネート硬化時間は短くなり、物性はこちらも(総じて)落ちます。

そうすると粉液比を適正にする事は大事ですね。


また、他にもアルジネートが固まる際に影響する印象があります。

温度です。

■混ぜる水の温度が高いと・・硬化時間は早くなります。

■混ぜる水の温度が低いと・・硬化時間は長くなります。

他に硬化時間は適正な時間よりも

■長すぎると・・離水現象が起きます。

■短すぎると・・弾性が発揮されません。

となるわけです。

他影響する因子はたくさんありますが、基本的な事は上記のこととなります。

さて、すべてを適正にする事は出来ますでしょうか?

寸分違わず正確にはする事は実際不可能ですよね。

ただ、このアルジネートの性質をきちんと把握しておくことは良い印象(型)をとるのに大事です。

・粉液比→計量カップ

・水の温度→水を冷蔵庫に入れて温度を一定にしておく

・硬化時間→患者さんへ圧接する時間をタイマーで何分と決めておく

このように適正に近づけ一定にするシステムが大事です。

なぜなら、寒天に気泡が入っていたら見たらわかりますが、

アルジネートがどう固まって、その型が正確かどうかは見てもわからないわけです。

その型を使い、模型にして、詰め物や被せ物を作り、患者さんにセットする段階になって、初めてその型が正確であったか分かるわけです。

そして、印象の見ためはキレイにとれているのに詰め物や被せ物が合わないという時は、

技工士さんのせいではなく、たいていこのアルジネートが原因です。

少し大事なので、次回にもアルジネートについて続きます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 08:36 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月22日

連合印象2/7(気泡を入れない方法)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
「インターネット歯医者さん〜実践編〜」


では印象について、私の臨床をお伝えしたいと思います。

まず下のインレーの印象(型)をとる事を想定しましょう。

<インレー窩洞>

インレー窩洞

まず、形成が終わりこの状態に寒天を流していきます。

印象が失敗する例として、気泡が入る事があげられます。

<印象に気泡が入る事がある>

印象に気泡が入る事がある

ここで大事なのは、どこに気泡が入りやすいかをまずは知ることです。

ここです。

<気泡の入りやすい箇所>

気泡の入りやすい箇所

要は奥まった部分に気泡が入りやすいわけですが、

上の写真の部位の中でもどこが一番入りやすいかというと、‘隣接面’です。

ここに入ってたらアウトですね。

インレー形成」でもお話しましたが、不潔域にマージンがくることになりますのでアウトです。

ですから、シリンジで寒天を流す順番は、隣接→咬合面です。

そして、ここがポイントですが、気泡が入りやすい箇所には、

シリンジを‘‘ギュッ”と押して勢いよく寒天を流しましょう。

こうすることによって、シリンジから寒天が出る勢いによって気泡が押し出されます。

押して歯茎などが接している場所などは歯肉を圧排する勢いで、歯肉溝の中に寒天を流し込むイメージで、寒天を流し込みましょう。

そして咬合面も気泡が入りやすい箇所にきましたら、そこでギュッとシリンジを押して寒天を勢いよく流しましょう。

ここで大事な事は、寒天の供給を止めずに一筆書きで進めるということです。

ただ、ずっと勢いよく出しながら全部やると寒天がもったいないですし、口の中が寒天でいっぱいになってしまいます。

なので、通常状態で出しながら、気泡が入りやすいところに達した時にだけギュッと押すわけです。

その際、寒天を流している間は常に寒天を出し続けましょう。

一筆書きで寒天を出しながら、気泡が入りやすいところはギュッと押して、そこを過ぎたら通常くらいの圧に戻します。

とりあえず、出し続けるわけです。

一旦止めてからまた出しはじめるとそこに気泡が入ります



また一筆書きで寒天を流す事も大事です。一筆書きにせず、たとえば近心隣接流してから、遠心隣接を流すなどとやると寒天がながれて重なる部分で気泡が入るわけです。



まとめますと

1.隣接→咬合面の順に寒天を流す
2.寒天は出し続けながら、気泡が入りやすいところにきたらギュッと勢いよく出す。寒天の供給は止めない。
3.一筆書きで寒天を流す。


<寒天を流している図>

寒天を流している図

これでうまくとれると思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


タグ:印象 歯科 寒天

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posted by さけいくら at 08:11 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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