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2015年02月04日

連合印象7/7(当医院の圧接時間)



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動画:インターネット歯医者さん〜実践編〜目次「患者さん」参照

前回、アルジネートの圧接時間は短い方がいいのか、長い方がいいのか?で、長い方がまだ良いといった話をしました。→「連合印象6

1、2分長く圧接していても、口腔内のように湿潤状態であれば離水の影響はほとんどない。ということを書きました。

今回は具体的な印象の圧接時間についてお伝えしたいと思います。

そこで、当院のアルジネート(商品名アレグレス)の硬化時間を思い出しましょう。

<アレグレス 使用法>

アレグレス 使用法

作業時間30秒、口腔内保持時間(口腔内圧接時間)1分30秒から2分です。

合計2分30秒から3分です。

当院は温度を一定にする為に、冷蔵庫の冷たい水を使用しますので、アルジネートの硬化時間は長くなることが考えられます。

当院の寒天・アルジネート印象の合計時間は作業時間30秒、口腔内保持時間(口腔内圧接時間)は3分。

計3分30秒になるわけです。

水の温度が冷たいことを考慮すると、色々試しましたがこの時間が最適でした。

このシステムにしてから、補綴物の適合は、誰が型をとっても良くなりました。是非お試しいただければと思います。


これで「連合印象」についてはおしまいです。次回から「咬合採得」について書いていきます。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 21:51 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月01日

連合印象6/7(圧接時間長い方が良いか短い方が良いか)



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前回は少し専門的になりましたがアルジネートには‘弾性’‘離水’という性質がありどちらも型の変形につながるので、これらをよく理解しましょうという話でした
連合印象5

では今回は、それでは患者さんにアルジネートを圧接する時間が短すぎても、長すぎてもいけないわけですが、

どちらの方がいけないか?ということについてお話していきたいと思います。

私もこの事を考えました。そこで、ふと、お口の中の湿度は高いですよね。そんなに離水現象がおこるの?

という考えが浮かんだのです。離水現象は当然湿度の高い環境よりも湿度の低い、つまり乾燥している環境の方が起こります。

アルジネートを歯に圧接している時はお口の中です。お口の中はいつも湿ってますよね。湿度は高いといって良いと思います。


さらに大事な型をとる部分、つまりアルジネートの内面は下の写真のようになりますが、この内面はもっと湿度が高いですよね。

<アルジネート印象時のトレー内面>

アルジネート印象時のトレー内面

印象を例え1、2分長く圧接していたからといって、そんなに離水現象は起きないんじゃないか。

と思ったわけです。

逆に急いで、早く印象を外して弾性が発揮されない方が問題ではないか。

と思ったわけです。

歯の形成面はアンダーカットがないように形を作りますが、歯を横から見ると下の写真のようになります。

<歯を横からみた図>

歯を横からみた図

短い矢印の部分が、長い矢印まで広がらないないとアルジネートをそもそもお口の中からはずすことは出来ません。

<短い矢印のアルジネートが長い矢印の長さまで広がらなければ、はずせない>

短い矢印のアルジネートが長い矢印の長さまで広がらなければ、はずせない


そしてはずしたあと、そのままでは本当の形とズレてしまうため、また元の形に戻らなければなりません。この性質を‘弾性’というのでした。

この弾性が発揮されておらず、元の形に戻らなかった時の変形量は相当ということはご想像できるかと思います。


そして湿潤状態によるアルジネートの型の変形量を図に示します。

<湿潤状態でのアルジネート印象材の変形量>

湿潤状態でのアルジネート印象材の変形量


お分かりになったでしょうか?

湿度が高い環境であれば‘離水’の影響は少ないのです。この図であれば寸法変化の割合は0.1〜0.5%となります。

弾性が発揮されないうちに、アルジネートを撤去した時の変形量はゆうに数%となるでしょう。

つまり圧接時間が短すぎる方が型が変形を起こすリスクが高いということになります。

つまり、アルジネートの圧接時間は短いより、長い方がいいということです。

これが私なりの答えです。

このことを含めて、次回は当院での印象圧接時間3分について解説していきます。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:54 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月29日

連合印象5/7(離水現象)



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前回、アルジネートの‘弾性’という性質について書きまして、弾性がしっかり発揮される硬化時間がポイントだと書きました。→「連合印象4(弾性)

当院の硬化時間は、患者さんにアルジネートを圧接してから3分にしています。

今回はなぜ3分なのかということをアルジネートの‘弾性’と新たに‘離水’という性質から説明していきたいと思います。

まず、何分なのかということに正解はないと思います。

なぜならアルジネートに混ぜる水の温度が一定ではないからです。「連合印象3(寸法変化に影響を与えるもの)

そして、冷蔵庫の水で温度をある程度一定にしても、アルジネートの商品の種類によっても硬化時間は多少変わるでしょう。

そもそも、練り方でも違ってくると思います。あと、練る量が多ければ練る時間自体変わってきます。

秒単位で、グラム単位で、正しくアルジネートを練るなどという事が果たして可能かというと、人間が練る限り不可能です。

大事な事は、システムを作るということと何をもって何分にしようと考えるかです。医療者としての思考

システムについては前回お伝えしました。

では今回はなぜ3分にしているのかを御説明します。

圧接時間を短くしすぎると大事な‘弾性’が発揮されません。

逆に圧接時間を長くしすぎると‘離水’現象が起きてしまいます。

‘離水’とはアルジネートは、アルジネート粉末と水を混ぜて練ることにより、固めますが長く放置しておくと、アルジネート中の水が失われていく現象の事です。

この離水現象によっても、アルジネートの中の水分がなくなり、型が変形するのです。

<離水により変形>

離水により変形

上の写真をみると、アルジネートが離水により、収縮してトレーからはがれていますね。

では圧接時間が短すぎてもダメ、長すぎてもダメという事になりますが、ここで考えを止めずに考えましょう。

どちらがよりダメでしょうか?

答えは次回にしたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 08:07 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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