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2014年06月09日

痛くない麻酔3/3(浸潤麻酔)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

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動画:インターネット歯医者さん〜実践編〜目次「患者さん」参照


前回の続きです。

たっぷり表面麻酔を効かせたら、次に浸潤麻酔、つまり麻酔注射をしていきます。

歯というのは顎の骨の中に埋まっています

つまり麻酔液が骨の中を浸潤していって歯まで到達しなければ、麻酔は効きません。

ですから、必ず針の麻酔を打たなければならないわけです。

患者さんにとっては辛いところですね。私も注射するのはよく行っていますが、されるのは苦手なので、お気持ちはとてもよくわかります。

なので、私は針を打つ前に患者さんをリラックスさせたり、これからの手順などを説明して、少し緊張感を解いてからはじめますが、本日は技術編なので、そちらはまたの機会に致します。

では針の打ち方ですが、

いきなりですが、皮下注射というのをご存知でしょうか。

針を寝かせて、刺入角度を下げてプクッと少し注射液を入れます。

<皮下注射>

皮下注射


はじめの一投目はこの皮下注射のやり方を応用します。

一投目の打つ場所は、教科書通り歯肉歯槽粘膜鏡です。

<歯肉歯槽粘膜鏡>

歯肉歯槽粘膜鏡

<矢印の部分が歯肉歯槽粘膜鏡

矢印の部分が歯肉歯槽粘膜鏡


ここに皮下注射のように、刺入角度を浅くして、少し歯肉表面がプクッとなる位の少量を入れます

<刺入角度を浅くする>

刺入角度を浅くする

そして大事なのは、少し麻酔液を入れたら

すぐさま起こします。

歯肉歯槽粘膜鏡に、プクッと入れたら、患者さんには

「まだ足しますが、一度起こしますのでうがいしてご気分変えて下さい。」と言って、

すぐさま起こします。

やられてみるとわかりますが、歯科治療中のうがいの時間は患者さんにとってオアシスです。

チクっと針を刺されてからギューっと注射液を入れられるのと、チクっとされてから、すぐうがい出来るのとはどちらが気持ちが楽でしょうか?

私はすぐうがい出来る方が、気が楽です。

しかも、ユニットを起こして、うがいをしている間に、初めに打った麻酔が効いてきます

そしてプクッとなっているところから2投目を打つのです

2投目は針の角度を上げ刺入します。

<2投目は角度を上げ刺入>

2投目は角度を上げ刺入



もう針を刺す痛みはありません

患者さんから緊張感が解けていくのを感じながら、ゆっくりと麻酔液を3分の1から半分くらいまで注入していきます。

そこでまたうがいです

うがいが終わるくらいには、もうだいぶ麻酔が効いています

次に3投目です。

教科書では歯間乳頭部に打つ事になっていますが、私は3投目では写真→に打ちます

<3投目は→の部位に刺入>

3投目は→の部位に刺入


なぜなら、麻酔を入れたところは貧血帯となり、白くなります

基本的には、うがいを挟みながら、数回に分けて打つという事を言っているのですが、打つ場所は白くなってる(貧血帯)場所にすることが大事です。

そこは麻酔が効いてるので痛くありません

歯肉歯槽粘膜鏡に入れたのみでは、まだ歯間乳頭部まで貧血帯が及んでいない場合が多いです。

ですので、私は3投目はここに打つのですね。

<3投目は→の部位に刺入>

3投目は→の部位に刺入

あとは麻抜など、もう少し効かせたい時は、歯間乳頭部に打っていただいて構いません。

<歯間乳頭部>

歯冠乳頭部


ここまで行えば麻酔操作(基本編)はおしまいです。大抵の歯科一般治療で使えると思います。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

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posted by さけいくら at 13:53 | Comment(0) | 局所麻酔 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

痛くない麻酔2/3(表面麻酔)

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では前回の続きです。麻酔には手間も材料も時間も惜しんではいけないと前回お話ししましたが、

私のやり方がもし他の方と違う点があるとしたらそこだと思うからです。

では実践編にいきます。

まず表面麻酔です。

綿球にこの位つけます(写真1)

<綿球にたっぷり表面麻酔を塗る>

綿球にたっぷり表面麻酔を塗る


ただこのままですと、他に流れてしまいますので、

ロールワッテで抑えます。

<表面麻酔を塗った綿球を口腔内に置き、ロールワッテで抑える>

表面麻酔を塗った綿球を口腔内に置き、ロールワッテで抑える

それでも、まだ流れてしまいます。

お子さんの場合など舌に表面麻酔がついただけでも泣いちゃう子もいますし、大人でも気分のいいものではありません。

ですから、ロールワッテの後、四角ワッテを挟んで噛んでてもらいます。

<ロールワッテで抑えた後、四角ワッテを挟んで噛んでもらう>

ロールワッテで抑えた後、四角ワッテを挟んで噛んでもらう


最終的な状態は断面から見るとこのようになります。

<最終的な状態 この状態で待ってもらう>

最終的な状態 この状態で待ってもらう


この状態で最低3分から出来れば5分待ちます。

試しにご自身にやってみてから探針でつついてみて下さい。

「痛くない」ですよ。

ここまでが、麻酔注射を打つまでの準備でとても大事なところになります。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次は注射針の打ち方にいきます。


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posted by さけいくら at 10:31 | Comment(0) | 局所麻酔 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

痛くない麻酔1/3(はじめに)

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本日は技術編です。

今まで、ポジショニング、痛くない歯の削り方、インレー・・とブログを更新してきまして、

今回は麻酔について、お伝えしていきたいと思います。

日々私達は麻酔を打ちますが、痛くなく麻酔が打てれば、その医院は繁盛するでしょう

それ程麻酔というのは患者さんの満足度に影響する診療手技です。

本日は私の麻酔の行い方についてお伝えしていきたいと思います。

先にも申しましたが、麻酔を痛みなく打つ事には多大な意味があります。

ですのでコスト度外視です。

コストとは時間や材料を指しますが、これらは度外視していただきたいと思っています。なぜなら、

痛くなく麻酔を打つためには、この考え方が必要だと思うからです。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、麻酔の保険点数はありません

麻酔を打てば打つ程、医院のコストは上がる事になりますが、ここは全て患者さんに投資するつもりで麻酔を考えて頂きたいと思います。

たとえ、赤字になっても、時間がなくてもということです。

節約してよいところと、節約してはいけないところを分けて考えるということはとても重要で、

節約してはいけないところにどれ程投資出来るかが、明暗を分けることもあります。

少し厳しい言い方をしましたが、患者さんからすると歯科医師先生へは麻酔には魂を込めて頂きたく思われていると思うからこそです。

つい、毎日麻酔を行うものですから、歯科医師の先生方からすると、麻酔の後のもっと難しい処置のことで頭がいっぱいになったり、注射しているのだから痛いのは当たり前、といった考え方におちいりやすいのですが、毎日ルーティンにやることこそ重要です。

では、実際にどのように麻酔を行うのか、

次回から書いていきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


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posted by さけいくら at 09:41 | Comment(0) | 局所麻酔 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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