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2016年06月21日

CR治療16/28「歯頸部CR充填の第二段階1:‘色’について」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「CR治療」


前回、歯頸部の歯肉側マージン部を充填する、第一段階について記事を書きました。

<歯頸部CR充填の第一段階>

歯頸部CR充填の第一段階

そして、ここから第二段階に入ります。

CR充填は積層充填して良いので、第一段階で充填したCRに盛り足していくのです。

その時に留意しなければならないのは、‘色’‘形’です。

<第二段階は色と形に留意する>

第二段階は色と形に留意する


まず色ですが、第一段階の色を参考にします。

色に関しては、やはり熟練してきてわかってくる事もありますが、

熟練者はどこで色を合わせているかといいますと、

‘その前に充填したCRの見え方’です。

たとえば、咬合面のCR充填を例にしますと、参考書をよく読んでらっしゃる先生方はお分かりかと思いますが、1番最初にカドウ(虫歯をとった後の穴)の底に流すのはフローCRかと思います。

理由は、窩洞の底は細かい凸凹があるので、気泡が入らないようにということですが、

熟練者は、ここで‘色’も見ています

最初はA3かな?という感じであたりをつけて、このフローCRを流すのですね。

それで、その歯と比べて、少し色が濃い、もしくは白いとしたら、

次のベースレジンは、それらを考慮して充填していきます。

つまり、熟練者でも最初からどのように色を合わせればいいか完璧にわかっている人は少ないわけです(だと思います)。

こうかな?と少し充填してみて、それに合わせて、

白すぎたら、次は少し濃い色

濃過ぎたら、次は少し白い色

といった感じで、次を充填しながら、色を合わせていきます。

これらを同じく、歯頸部CR充填にも応用していくわけですが、

もう第一段階で、フローCRを流していますね。

この色をみて、第二段階で充填する色を決めていくのです。

今回は、‘色’について詳しく書いていますので、もう少し記事を続けます。

そして、この時に見なければならないのは、もうひとつ、第二段階で充填するCRの厚みを考慮するということです。

虫歯の大きさやWSDの深さによって窩洞の深さは違います

第一段階は一層充填するのみ、なので、どんな窩洞でも厚みはほとんど同じですが、

第二段階は窩洞の深さによって充填する厚みが違うわけです。

たとえば、第一段階が終わり、色が少し濃かった、第二段階で充填する範囲の厚みが薄いのであれば、結構白い色を充填して帳尻を合わせます。

<第二段階の厚みが薄い場合>

第二段階の厚みが薄い場合



<結構白い色を選択>

結構白い色を選択

もしも、第二段階で充填する範囲の厚みが厚いのであれば、少し白いくらいの色で良いかと思います。

<第二段階の厚みが厚い場合>

第二段階の厚みが厚い場合


<少し白いくらいの色を選択>

少し白いくらいの色を選択

このように、厚みによっても、CRの色を選択していきます。

上記のは、少し極端に書きましたが、

厚みによって、表面から見える色がどう変わるのかに注目して充填をしていくと、早く上達すると思います。

是非お試しあれ、です。

冒頭で、第二段階は‘色と形’に留意するということを書きましたが、今回は‘色’について書きました。

次回は‘形’について記事を書いていきたいと思います。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 07:37 | Comment(0) | CR治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月14日

CR治療15/28「歯頸部CR充填、第一段階(まずフローCRで歯肉側マージンをすべて充填しよう)」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「CR治療」


前回まで、CR充填に入る前の前処置について書いてきました。

CR治療のカテゴリの前回の記事にまとめてありますので、是非ご覧いただけるとありがたいです。


ではいよいよCR充填の項目を今回より書いていきたいと思います。

まず、CR(コンポジットレジン)には、ペーストタイプフロータイプがあります。

<ペーストタイプ>

ペーストタイプ

<フロータイプ>

フロータイプ

以前の記事にも書きましたが、フロータイプのCRを使えると便利なので、今回はフロータイプで歯頸部CR充填をする方法をお伝えしようと思います。


充填方法は2段階に分けて充填していきます。

下の写真はWSD(楔状欠損)の歯の断面図です。

<WSD歯の断面図>

WSD歯の断面図

以下

絵にして御説明していきます。下からの写真をみてみて下さい。

<歯頸部CR充填の第一段階>

歯頸部CR充填の第一段階

<歯頸部CR充填の第二段階>

歯頸部CR充填の第二段階

です。

なぜ二段階に分けるかと申しますと、一気に全部充填しようとすると、フロータイプのCRは流れてしまいその場に留まらないので、細かい形作りが出来ないからです。

なので、第一段階の時点で、一度光照射をしてCRを固め、それから第二段階で、細かい色や形の調節をして固めるという二段階方式で充填をします。

これは、別に必ず二回で詰めなければならないというわけではなく、3回、4回と少し盛っては光照射して固めるというのを繰り返してもいいです。

私も窩洞が大きかったり、CRに細かいグラデーションをつけたい場合などは、3回、4回に分けることも多いです。

ただ、一回で充填するのは、フロータイプの場合、お勧め出来ないということです。

CR充填は積層充填などするわけですから、数回に分けて充填してもいいわけです。

無理をする必要はないと思います。

では、CR充填の第一段階について、お話ししていきます。

第一段階では二つの約束事があります。

一つ目の約束事としては

1.一回で充填しようとしない

ということです。

そして、大事な二つ目の約束事があります。

それは、

2.第一段階の時点で歯肉側のマージン部分は全てフローを流すということです。

<第一段階で歯肉側のマージン部分はすべてフローを流す>

第一段階で歯肉側のマージン部分はすべてフローを流す

どういうことかと申しますと、例えば第一段階にて、下のような充填をしてしまったとします。

<失敗例:第一段階の充填で歯肉側マージンを充填していない>

失敗例:歯肉側マージンを充填していない

なぜ失敗なのか?このまま第二段階の充填としてフローCRを流したとします。

<失敗例:第二段階の充填で気泡が入る>

失敗例:第二段階の充填で気泡が入る

歯肉側マージン部にCR充填されてませんので、歯がしみたり、歯茎が腫れたりします。

しかも

見た目ではわかりません。外から見るとCR充填されているように見えます。

<失敗例:外から見るとわからない>

失敗例:外から見るとわからない

ですから、第一段階の時点で歯茎側のマージンは、出来るだけ過不足なくフローを流しきりましょう。

<歯茎側マージンに出来るだけ過不足なくフローCRを充填する>

過不足なくフローCRを充填する

出来るだけ過不足なくと言ったのは、多すぎると溢れてしまいますね。

<第一段階にフローCRを流す量が多いと溢れてしまう>

フローCRを流す量が多いと溢れてしまう

ですから私の第一段階のCR充填の方法をご紹介します。

@まず、いきなりマージンにフローCRを流しません。少し離れたところに流します

<第一段階:@少し離れたところにフローCRを置く>

少し離れたところにフローCRを置く

Aそして、探針でCRを延ばしてきてマージンに充填します。

<第一段階:A探針でCRをチョイチョイと延ばしてきてマージンに充填>

探針でCRをチョイチョイと延ばしてきてマージンに充填

いきなりマージンにフローを流すのも気泡が入ってしまう原因になります。

ご紹介した方法であれば、歯肉側マージンへの気泡は入りませんし、充填量も探針で少しずつ必要量充填することができます。

歯肉側のマージン部分は全てフローを流した状態で、光照射して固めます

<歯頸部CR充填第一段階完了>

歯頸部CR充填第一段階完了

これにて、歯頸部CR充填第一段階は完了です。

この際、足りないよりも、フローCRがマージンから少し溢れるくらいが良いです。

溢れた分は、後ほど「形態修正」の項でどのように修正するかを説明致します。

次回は、CR充填の第二段階について記事にします。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:30 | Comment(0) | CR治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月31日

CR治療14/28(どんな歯の面にCRはよく接着するのか?)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「CR治療」


前回、ボンディング処理についてお話ししました。

そしてそのボンディング処理をする歯の面はどんな歯の面がCRがくっつきやすいのでしょうか?

これは接着に関しての論文などを読むとわかります。

論文とは問題提起(緒言)をして、実験方法、実験をした結果を考察するといった形式が多いのですが、このうちの

実験方法の項をよく読みますと、、

大抵、CRとの接着試験をする歯面は、カーボランダムポイントで粗研磨、もしくは虫歯除去を想定してラウンドバーで一層削っています。

ボンディング材を作る企業も、当然虫歯で削ったところにCRを接着させるのがCR治療ですから、同じくバーで虫歯を削った後の歯の面を想定していると思います。

それに対する何々メガパスカルの接着強さという実験結果であって、その結果が得たいと思ったら、歯面の状態も同じようにするのが道理ですよね。

なので当然虫歯は取り切ります

では、こんな症例の場合はどうでしょうか?

下の写真を見てみてください。

<虫歯のないWSD>

虫歯のないWSD

虫歯ではないので、何もせずにボンディングを塗布するでしょうか?

少ししみるかもしれませんが、同じく粗研磨してから充填することを接着を考えた場合は、お勧め致します。

よくあるのはこんな症例です。



WSD虫歯

この場合、虫歯は当然取りますが、虫歯でない部分も粗研磨しましょうということです。

しみる場合もありますし、時には麻酔が必要になる場合もあります。

色々な意見がおありになるかと思います。

ただ、以前メーカーに問い合わせたところ以下の言葉をもらいました

メーカー名は伏せますが、

「接着のためには、一層粗研磨する事をお勧めします」

とのことでした。

やり方としては、まず粗研磨する時間はほんの少しです。

私は患者さんへ、「一層磨きますね、ちょっとゴトゴト(コントラなので)します。少ししみるかもしれませ〜ん。」

言い終わる時には、もう済んでます

圧力もかけず、CR充填箇所を一回カーボランダムポイントかラウンドバーで、‘なでる’だけというイメージです。

さて、これでCR充填前の前処置についての記事についてはおしまいです。

ここで、CR充填の前の歯の状態をまとめたいと思います。

1.虫歯は全て取り切るCR治療8「歯頸部CR治療1(充填前の歯の状態、硬化象牙質除去について)」

<黒いところは全部取りきる>

黒いところは全部取りきる

2.CRを充填する箇所は全て、カーボランダムポイントもしくはラウンドバーにて粗研磨する今回


3.審美性を考慮してベベルを形成するCR治療10「歯頸部CR治療3(ベベルの形・量についての考え方)」

<べベルをつける>

べベルをつける

4.きちんと防湿するCR治療11「歯頸部CR充填の前処置(防湿)」


<防湿>

防湿

5.使用するボンディング材の説明書をよく読み、使用方法を尊守してきちんと‘樹脂含潤層’もしくは、‘ナノインタラクションゾーン’を作る
CR治療13(接着とは?ボンディング処理、樹脂含潤層を作ろう)


<樹脂含潤層>

樹脂含潤層

上記の事を行なってから、CR充填に入るというのが長期的にも審美的にも良好なCR治療になると私は考えるという話でした。

お勧めです。上記の通り、前所置を済ませば、ほとんどCRが外れることはなくなります

是非お試しあれ、です。

では今度は綺麗にCRを詰めなければなりませんよね。

そして、いよいよ次項よりCR充填に入ります

がその前に次回は、「思考編」をはさみたいと思います。

久しぶりの「思考編」です。思考編を結構楽しみにしていただいている方も多いようで、「最近、思考編は書かれないのですか?」「僕は思考編も好きです」といった嬉しい御連絡をいただくことがあります。

私も「思考編」、好きですし、大事だと思っています

次回の思考編の題は、

「ありがとうを集めよう」

です。

お楽しみにしていただけると嬉しいです。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:29 | Comment(0) | CR治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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