この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。

→動画「CR治療」
前回CR治療のまとめとステップの最後の‘治療後を患者さんに見せる’事の大事さについて書きました。
今回はCR治療の治療後を手鏡で患者さんにお見せするというシチュエーションで、二つの注意事を例に、どのように考えるのかについて書きたいと思います。
私はCR治療が終わった後、
↓
口をゆすいでもらい
↓
手鏡で患者さんに治療した部位をお見せし、次回の治療内容を説明して終了します。
まず、この時に考えていただきたいのですが、
例えば、
高級なマスクメロンは‘桐の箱’に入っている
<高級マスクメロンは桐の箱に入っている例1>

ということです。
桐の箱は食べれませんが、そこに意味がないわけではありませんね。
私はCR治療後の、鏡でお見せする行為は、この‘桐の箱’に当たると思っています。
この機会にどんな意味があるかを考えてみることをお勧め致します。
するとロボットには出来ないことが出来るようになるので、是非お試しあれです。
例えば、鏡が汚れていたら、見ている患者さんはどう思うでしょうか?
マスクメロンでいうと、‘桐の箱’が汚れているのと同じですよね。
なので、鏡が汚れていないかはチェックしましょう。
注意事項1.<鏡が汚れていないかチェック>

そして、なるべく患者さんに喜んでもらえるようにお見せしましょう。
注意事項2.<患者さんが喜ぶように見せる>

ということです。
そこにエンターテイメントはあるのか?
ということを自問自答するわけです。
色々な方法がありますが、今回下記の例を使い、少し厳しめな感じでお話しますので、考え方がお伝えできればと思います。
下記の例とは、
‘虫歯はエアー乾燥させてから見せる。
CR治療後は唾液に濡れている状態で見せる’
ということです。
言うなれば、当然ですが、
CR治療が終わった面は唾液に濡れている方がきれいに見えるということです。
しかし時々、エアーをかけてから治療したCR部位を見せている方もいますよね。
なにを考えてそうしているかによるのですが、特に何も考えていないという場合は、この先も読んでみて下さい。
虫歯を見せる時は、エアーをかけてここが虫歯ですよとお見せしますが、それは虫歯の場所や大きさを自覚して欲しくてよく虫歯が見えるようにエアー乾燥させてからお見せするわけです。
CR治療後の状態を患者さんへお見せしている目的はなんでしょうか?
私でいうと、
ほらきれいに治りましたよ、と伝えるためです。
きちんと治療出来ているかは、患者さんに見せる前に、それこそその時は、エアー乾燥させてきちんと確認しておりますので、見せるときは、
喜んでもらう為に見せるわけです。
わざわざエアー乾燥させる行為というのは、少し厳しいかもしれませんが、‘桐の箱’をわざわざ‘紙の箱’に変える行為のように思います。
もしくは、箱から出して網に入れて渡すという例の方が、御理解いただけるかもしれません。
もしもそんな店員さんがいたらどう思いますでしょうか?
そのお店の店長さんは「おーいなにやってんの!」
となるかと思います。
想像ですが、
そのマスクメロンを作った方もそう思うでしょう。
食物を育てるのは大変ですよね。何年も忍耐のかかる所業です。
そして、何万円もするマスクメロンといったらその最高峰かと思います。
<高級マスクメロンは桐の箱に入っている例2>

わざわざ桐の箱に入れてあるのに、簡単に網に入れて渡したら、生産者からしたら「ちょっと!なんてことするの!」となるわけです。
中身にしか興味がない人もいるかもしれませんが、そういった方は何かを提供してお金をもらう職業はあまり向かないかもしれないとまで私は思ってしまいます。
これから、ロボットに出来る仕事は淘汰されていくなどという話もありますが、確かにそれならロボットにやってもらえばいいのです。
「いや、箱は食べれないし、持って帰るのは重いと思って・・」
という意見やエコで良いという人もいるかと思いますし、合理的と感じる部分もありますが、
ただ、お客さんの満足度に寄与するといった点でいかかがでしょうか?
そして治療に話を戻すと、CR治療を終えた後、私は一度うがいしてもらい、そのまま鏡でお見せするのですが、別になにも無駄にしていないですね。
唾液もうがいの水も本来必要なものですから、エコじゃないわけではないですし、わざわざエアー乾燥させる時間もいらないわけなので、合理的であると思います。
普段、口腔内は唾液で湿潤状態であって、その少し濡れている状態が普段患者さんが見る状態なので、
それなら私はよりきれいに見えるように患者さんに見せて欲しいのです。
なので、
診療が混んでたりすると、あとは他のスタッフへ、「最後お見せして、次回の治療を説明しておしまいにしてください」と伝えて、私は次の患者さんの診療へ行くのですが、
その時、私が去った後、後ろからエアー乾燥させている「シューッ」という音が鳴るのが聞こえると、
私は思わず天を仰ぎます。
心の中では、「NO〜」と思っていて、後ほど下記の内容をお伝えします。
プレゼントって包装しますよね。
<プレゼントは包装する>

それは相手に渡すものを、自分も大切にしているということを伝えるためです。
逆に考えると、相手が大切にしているものをプレゼントされるから、より相手から自分が大切にされていることが伝わり、嬉しく思うわけです。
だから、きれいに包装されたプレゼントをもらうと嬉しいのです。
私の治療も大事にしたい・もしくは患者さんに伝える人が私でない場合は、その方にも大事にしてもらいたいと思うのです。
アップル社のスティーブジョブズはパソコンやiPhoneの‘箱のデザイン’に異常にこだわるのだそうなのですが、
マスクメロンの‘桐の箱’もしかりなのです。
こういうところを大事に出来るかどうかは明確に差になって現れます。
どうしても歯科は職人肌的な要素が多く、つい自分が満足出来る物を提供することに注力してしまいがちです。
それは立派な事ですし、患者さんにそれが伝わる事もあるでしょう。
しかし、自身の提供する医療をもっと大切にしましょう。
そして患者さんにより喜んでもらいましょう。
と声を大にして言いたい気分になってしまうのです。
歯頸部CRの治療後など、とても患者さんが見やすいですし、わかりやすいですよね。
今までブログで書いてきた方法で歯頚部CR治療を行ない、今回の記事を念頭に置いて患者さんへ治療後をお見せいただければ、
必ず患者さんから感謝されます。
是非お試しあれ、です。
最後におことわりをしておくと、
今回のブログはエンターテイメント的な内容に関してなので、
それぞれのやり方があり・正解はないです。別にエアー乾燥させてから見せてもいいのです。
ただそこに、より患者さんに喜んでもらえるように見せようと思っているのか?
が自問自答出来ているかということがお伝えたかったことです。
「伝え方が9割」という本もありますが、同じく治療でも伝え方が大事であり、
小手先のテクニックと軽んじることなく、この‘伝え方’についての考え方を日々の様々な臨床にも応用していただきたいと思います。
御自身の日々の臨床を‘桐の箱’に入れて、患者さんへ提供しましょう。
このブログをお読みいただいている、真面目で一生懸命で優秀な先生方の治療は、是非とも“桐の箱”に入れて患者さんへ提供してほしいと心から願う次第です。
<高級マスクメロンは桐の箱に入っている例3>

これで、歯頚部CR治療の章はおしまいです。お疲れ様でした。次回から新章「コミュニケーション」について書いていきます。よろしくお願い致します。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
〜インターネット歯医者さん☆メルマガ!☆のお知らせ〜
ブログの目次や全ての一般歯科動画が見れるなど特典がありますので、ご登録がまだのお方はどうぞ下記のフォームからご登録いただけると嬉しいです。無料です。
「インターネット歯医者さん」無料メルマガ登録はこちら→「インターネット歯医者さん☆メルマガ!☆」