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2015年10月18日

インレー形成19/22(側室形成1)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

前回は「側室をつける場合」について書いてきました。

今回より、「側室形成」をしていきます。

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動画「インレー形成」


まず使用するバーは、はじめのうちや慣れていないときは、小さいインレー形成バーです。

<細いインレー形成バー>

細いインレー形成バー

このバーを使う理由は、側室はインレー形成バーにて形成しますが、大きいインレー形成バーですと削り過ぎてしまうからです。

<太いインレー形成バー>

太いインレー形成バーだと削り過ぎる

側室を形成するのは、咬合面形成が終わってからです。

咬合面形成のフィニッシュは太いインレー形成バーを使用していますので、そのまま太いインレー形成バーで側室形成をしたくなりますが、

慣れていないうちはあまりお勧めしません

それは先ほどももうしましたとおり、削り過ぎてしまうからです。

たとえば、側室形成の窩底が太くても保持にはあまり影響しません

さらに、削れば削るほど歯はしみやすくなります。

さらに理論的に太いインレー形成バーで側室を形成しようとしない方が良い理由をのべます。

側室は隣接面に設けます

隣接面にはほとんどの場合、隣在歯が存在します。

なので、太いインレー形成バーで側室を形成しようとする場合、隣在歯を傷つけないようにすると、どうしても下の写真の位置から削りはじめなければなりません。

<太いインレー形成バーの場合、隣の歯を傷つけないようにすると側室が太くなる>

太いインレー形成バーの場合、隣の歯を傷つけないようにすると側室が太くなる

必然的に側室が太くなりますし、実はこのように上から側室を形成するのは難しいのです。

簡単なのは、下の写真のように削りはじめることです。

<細いインレー形成バーで側室を削りはじめる>

細いインレー形成バーで側室を削る

細いインレー形成バーであれば、出来ますよね。

是非お試しあれです。

次回もう少し詳しく「側室形成」について書いていきたいと思います。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 10:16 | Comment(0) | インレー形成 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月15日

インレー形成18/22(側室をつける場合2)



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動画「インレー形成」


前回、どうしても外れやすいインレー形成となってしまう場合は側室をつけるということをお話ししました。→側室をつける場合1

今回は、もう一つ側室をつける場合があるという事をお話し致します。

それは

CRインレーやセラミックインレーなど白い材料でインレーを作る場合です。

白い材料は「脆性材料」と呼ばれ、強過ぎる力がかかった時に、破折するという性質があります。

逆に金属は破折することはほとんどありませんね。強過ぎる力がかかった時は‘曲がり’ます。

白い材料は歯の色と近似していますので、審美性がよく患者さんからの満足度はより高いです。

しかし、自費診療になることも多く、そしてそれが割れたらどうでしょうか?

がっかりしますよね。

さらによしんぼ保証期間中で、無料でやりかえたとしても、また割れたらどうでしょうか?

不安になりますね。

なのでなるべく割れない方が良いです。

そんな時により割れにくくする方法が‘側室をつける’ということです。

ご経験のある先生方はお分かりになると思いますが、よく割れてくるのはどこの部分でしょうか?

ここですね。

<よく割れる部分>

よく割れる部分は隣接面

隣接面です。

なぜでしょうか?

それは支えと厚みが足りないからです。

<側室を設けなかった場合の断面図>

側室を設けなかった場合の断面図

側室を設けるとどうなるでしょうか?下の写真を見て見て下さい。

<側室を設けた場合の断面図>

側室を設けた場合の断面図

側室が支えと厚みを作ってくれています

これで割れにくくなるわけです。

CRやセラミックは熱伝導性も少ないので、側室を設けてもしみにくいです。

さらに破折しずらくなります

是非お試しあれです。

次回は、実際に削って側室を設けていこうと思います。よろしくお願い致します。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:35 | Comment(0) | インレー形成 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月13日

インレー形成17/22(側室をつける場合1)



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動画「インレー形成」

前回まででインレー形成の「フレアー形成」が終わりました。

今回は「側室形成」についてです。

側室とは、教科書的には補助的保持形態として、下の写真のように形成をすることです。

写真の階段のようになっているところが‘側室’です。

<側室>

側室

では、先程ほど補助的保持形態ともうしましたが、保持的保持形態とはなんなのかということですが要はインレーが、

よりインレーが外れなくなるように

つける形態です。

保助的と書いてありますので、つけなくても外れないと判断したならばつけなくても良い、というのが私の意見です。

なぜなら、側室をつけると歯を削らなければならないですし、インレーが神経に近い位置に来ますので、後ほど歯がしみたりします。

<側室をつけるとその分インレーが神経に近い位置にくる>

側室をつけるとその分インレーが神経に近い位置にくる

インレーは金属の場合、熱を通しますので、その刺激が神経へ伝わりやすくなってしまうのです。

ただ、保持部分が少なく、外れそうなインレー形成の場合はもちろん側室をつけます

保持、つまり外れやすいか外れにくいかの目安は、以前のブログ記事「インレー形成2(設計)」でも書きましたが、一つの目安として

‘頭の中でひっくり返してみる’

です。ポロっと落ちそうであれば、保持部分を追加する必要があります。

また、落ちなさそうであればそのまま側室をつけずにインレーを作ります。

たとえば、それでやっぱり外れるという時になってはじめて側室をつけるといったぐあいでも私は良いと思っています。

患者さんの歯はなるべく削りません

そして外れてもそれが経験になります。治療の精度が上がりますよね。それで良いと思います。

やってみるとわかりますが、側室がなくてもきちんと咬合面形成やスライスカットが出来ていれば、インレーが外れてくる事はほとんどありません

そうなるとなにも経験せず、側室形成で歯を削っていた場合はそれは無駄になるわけです。

歯は再生しないので、削った部分はもう一生元に戻りません

なので、患者さんの歯はなるべく削らない方向で、経験を積む事をお勧めします。

そんななるべく歯を削らない方向の私も側室を付与することがあります

一つは、先程書きましたように保持部分が少ない時です。

たとえば、元々インレーが入っており、そこの境目から虫歯になった場合、昔のインレーを外して、虫歯をとって、再度インレーを作らなければならないという場合も多々あります。

虫歯の位置や大きさ、元々のインレー形成の形などによっては

スライス面のテーパー(角度)が緩い場合

<スライスカットのテーパー(角度)が緩い(外れやすい)>

スライスカットのテーパー(角度)が緩いと外れやすい

<スライスカットのテーパー(角度)がきつい(外れにくい)>

スライスカットのテーパー(角度)がきついと外れにくい

咬合面形成がウネウネしていない場合があります。

<咬合面形成がウネウネしている(外れにくい)>

咬合面形成がウネウネしていると外れにくい

<咬合面形成がウネウネしていない(外れやすい)>

咬合面形成がウネウネしていないと外れやすい

この外れやすい時に「側室」をつけます。

また、もう一つ側室をつける時があります

それは次回お伝えします。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 18:05 | Comment(0) | インレー形成 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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