この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。
現在、欠損補綴の患者説明・コミュニケーションについて書かせていただいております。
前回までのおさらいをしますと、
一長一短な、義歯・ブリッジ・インプラントという三つの治療法から、患者さんが自発的に治療法を選ぶポイントは、
<義歯>

<ブリッジ>

<インプラント>

利点・欠点の説明から利益・リスクの説明へ切り変える必要があると思うというお話をしました。
<利点・欠点→利益・リスク>

その際のポイントは‘消去法’というお話もしました。
<ポイントは消去法>

例えば、インプラントは治療費が何十万円という金額になりますし、手術が必要な治療です。
治療費もそうですが、手術するというだけでNGという方も結構多いのです。
<消去法とは、NOもしくはNGを探すこと:手術?ぜったい無理のイメージ>

そうすると、そもそもな話でインプラント治療は選択肢から外れるわけです。
そして、入れ歯も、女性であれば、特に‘入れ歯’と聞いただけでNGという方も結構いらっしゃいます。
男性でも、一度入れ歯治療をしてみて、よく噛めなかった、痛みがあった。取り外しが面倒などで、入れ歯はもう嫌と思っている方もいます。
次に、ブリッジに関しても、隣の歯を削るのは、絶対にNGという方もいます。
つまり、その方その方で、NGがあるのです。
それは、利点・欠点の説明をしている時に、患者さんの反応からもわかります。
患者さんの反応を見ながら、その方のNGを探して行くのです。
<消去法のポイントは、患者さんのNGを探すこと>

そして、その方のNGを尊重しましょう。
一つの選択肢が消去法でなくなるだけでも随分選択が楽になりますね。
では、ここからも大事なこととなりますが、

その答えは、
一つ治療例(治療計画)を挙げる事をお勧め致します。
ただし、今回の症例を加味してというのが大事なポイントです。
<その症例を加味して治療例を一つあげる>

例えば、随分前の記事なので、忘れてしまっている方も多いかもしれませんが、
今回の症例は、この時点で、左下の7番の麻酔抜髄は済んでおり、被せ物にすることが決まっているのです。→患者説明・コミュニケーション11実践初日:麻酔抜髄の説明
ブリッジにする場合、両隣の歯を削らなければならないわけですが、今回はその片方はすでに削る事が決まっているということです。
<両隣の歯のうち、片方は削る事が決まっている>
そうすると、ブリッジの欠点は半分になりますね。
そして、私は5分の4冠支台もよく行うのですが、
<5分の4冠支台はブリッジの支えとして認められている>

例えば、左下5番は5分の4冠にすれば、削る量を最小限にすることも出来ますし、
神経を残せる可能性も格段に増えます。
これにて、削る量や神経をとらなければならないリスクも随分減ります。
<視覚効果を使いながら、説明>

頬側はスライスカット分しか削らないので、保険で行なっても表は大部分白いわけです。
これにて、審美的なリスクも減りますね。
今回の症例は、隣在歯が歯周病であり、ブリッジの支えとして不安というリスクに関しましては、
最初567のブリッジの仮歯を作成して、噛んでみて大丈夫なら、そのようなブリッジ設計にすれば良いし、
<仮歯でシュミレーション>

やはり、歯周病により、仮歯ブリッジに動揺や痛みがあるのなら、
4567のブリッジ(45は5分の4冠)設計にすれば良い。
<試してみてから決めれば良い>

このようにすると、よりその患者さんに合ったブリッジ設計ができるのではないかと思う。
といった具合です。
私の中では、一つの治療指針として、
ブリッジが保険で通るのであれば、義歯よりもブリッジ、
両隣在歯が天然歯で骨も充分の場合は、インプラントも有力、
臨在歯が既に補綴されていたり、今回の症例のように補綴が決まっている場合は、
インプラントのメリットはその分減る。
といった治療指針が元々ありますが、
そういった治療指針というのは、各々先生方もおありになるかと思います。
どれが良いかというのではなく、
その治療方針で、一つの治療方法を患者さんへ提示するわけです。
大事なことは、今までの欠点(リスク)を全てはなくすことは出来なくても、
減らす為にこのようにする、
といった言い方をします。
つまり、〜が良い、というよりも、
患者さんが困っている点について、こういった治療法はどうかという言い方です。
今回は、ブリッジでお話ししましたが、別にどの治療法でも良いと思います。
一つ、御自身の中にある、‘治療計画’を示しましょう。→プレミアムファイル「治療計画の立て方」
それに対しての患者さんの反応をみます。
目を輝かせて、「先生、それでお願いします」
といった患者さんもいますし、
「でも歯を削るのは、、もしくは入れ歯は、、もしくは
手術は、、」
といった患者さんもいます。
ここでハタと気づきますね。NGが出ました。
消去法が使えますね。
まとめますと、
まずは利点・欠点の説明で患者さんのNGを感じ取り、それでもよくわからなかったら、
治療計画を一つ挙げて、患者さんのNGを探るわけです。
<図式>
利点・欠点の説明
↓
患者さんのNGを探る。わからなかったら治療計画を一つ提示してNGを探す
↓
NGがわかったら‘消去法’
↓
利益・リスクの説明
ここまでくると患者さんの絶対したくないこと、
または、ではこの患者さんにはこの3つの方法でこれかな?
ということが、医療者側も解ってきます。
これがコミュニケーションの力であり、とても大事です。
コミュニケーションとは、相手のされていやなことや価値観を知る為にとっても有効なのです。
<コミュニケーションにより、相手の信念や価値観を知る>

そして、こちらの患者さんは、この治療方法を選択するだろう、という事が解ってきましたら、
次の段階があります。
いよいよ、利益とリスクのお話ですね。営業でいうとクロージングというのでしょうか。
つまり、患者さんに治療法や行動を選択してもらうということです。
ただし、“前向きに”ということがポイントです。
治療に対して、患者さんと一緒に前を向くような、そんな患者説明・コミュニケーションが出来ると良いですよね。
次回記事を書かせていただこうと思います。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
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