この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。
現在、下記の内容にて、私なりのコミュニケーション実践の記事を書いております。
<例題症例>
<治療計画>
初日.麻酔抜髄
2日目.根管治療➕基本検査1とスケーリング
3日目.根管治療➕スケーリング
4日目.根管充填
5日目.コア形成➕基本検査2とSRP
6日目.コアセット➕ブリッジ形成➕仮歯
7日目.ブリッジの設計を決定して、印象
8日目.ブリッジ仮着
9日目.ブリッジ本セット 治療完了
を前提にお話ししていきます。
前回までに、5日目のコア形成の患者説明まで終わっております。
今回は、5日目:5.コア形成➕基本検査2とSRPについての患者説明について書いていきます。
コア形成については、前回書きましたので、今回は基本検査2とSRPについて書いていきたいと思います。
私の実際の言葉は‘色’を変えてありますので、参考にしてくださればと思います。
〜5日目診療開始〜
コア形成・印象、患者説明が終わり・・
「前々回に、歯のお掃除が終わっているので、もう一度歯周病の検査をしましょう」
そう言って、歯周基本検査2を行ないます。
<歯周基本検査2>
この際、たった2回スケーリングをしたくらいで、歯周病が劇的に改善すれば苦労はないわけで、たいていの方はあまり歯周ポケットの値は変わっていません。
しかし、歯科医院に通うようになり、歯磨きを頑張る方は多いので、BOPの値は改善していることが多いです。
それは、キチンと
「頑張ってらっしゃると思います」
とお伝えしましょう。
しかし・・がつくのが歯周病の治療ですよね(汗)
そこでSRPが必要である旨を患者さんにお伝えするわけですが、また注意点があります。
それは、
‘医療者側からみると歯磨きが足りないと思っていても、患者さんは充分歯磨きをしていると思っている’
ということです。
<ちゃんと歯磨きしてるのになぜ?>
歯科医師や衛生士さんであれば、お分かりになるかと思いますが、
よく、患者さんから「ちゃんと歯磨きしているのに、なんで虫歯(や歯周病)になってしまうんですかね〜」
聞かれたことはありませんか?
もちろん、物理的に考えて磨き残しがあるから虫歯や歯周病になるわけですが、
患者さんの気持ちもわかって差し上げましょう。
こんな言い方をします。
「歯を一本一本手元で洗って戻せたらいいんですけどね、そうもいかないので完璧に磨くのは難しいのです。」
「お皿は、一枚一枚、手で洗いますよね。しかし、お皿が並んでいて取り出せない状態であったらどうでしょう?」
「洗うの難しいですよね。同じように歯を完璧に磨くのって難しいのです。」
こんなふうに、まず患者さんのお気持ちを汲むような声かけが必要かと思います。
しかし、私達歯科医師・歯科衛生士は難しいですよね・・だけで終わらせていけない立場ですよね。
しかし、実は「難しいですよね・・」だけでも8割方クリアです。
「何言ってるんですか?磨けてないから虫歯になったんでしょう?」と患者さんに話してしまうよりは全然マシなのです。
<歯磨きが足りないと言うということ>
実は、程度は違えどそのように話してしまう医療者は結構多いです。
しかし、
‘物理的に考えず、感情を捉える’
‘患者さんの気持ちを汲む’
<相手の気持ちを汲む>
ということが患者説明・コミュニケーションの上で大事だと思う。というのが、今回のブログの主旨です。
たぶんここが一番難しいと思います。
先ほどそれが出来れば8割方と書きましたが、9割でもいい位です。
あとの一割は、歯科医師・歯科衛生士であれば「解決策」を患者さんへ説明しなければならないわけですが、それは皆さん得意だと思います。
今回のブログで是非お伝えしたいことは、
その一割が上手く話せるからと言っても、患者さんの気持ちが汲めていなければコミュニケーションというのは相手にあまり伝わらないということを是非念頭に入れていただければと思います。
さて、話を戻しまして、解決策(治療法)については、
私はこのような言い方をします。
「まず、私でも自分の歯を完璧に磨くことは出来ません。」
視覚効果を使いながら
<視覚効果>
「ココなんてどうやって磨けばいいの?という感じです。」
「ポケットの底には歯ブラシの毛先は届きません」
「汚れが残ってしまうところはずっと残ったままになってしまいます。」
「残った汚れは、2週間もすると歯石になりはじめ、一ヶ月もするとガチガチに固まって歯ブラシではとれなくなります。」
と磨き残しがあることは仕方ないこと、ほうっておくと歯石になることなどをお伝えします。
そして、ここから歯科医療者の出番なわけですね。
「その歯石ですが2種類あります。」
視覚効果を使いながら、、
<縁上歯石・縁下歯石>
「歯茎の上に見える歯石と歯茎の下に隠れている歯石です。」
「実は、見えている歯石は‘氷山の一角’で、歯茎の下にも歯石はこのように隠れています。」
「どちらも取らなければ、歯周病は改善しません。」
「やり方としては、歯茎の上の歯石を取らなければ、下の歯石は取れませんから、まず上の歯石を除去していきます。」
「ここまで前回までに終わっております。」
「それから隠れている歯石を取るという2段階となるわけですが、ただ、歯茎の下に隠れているので、目には見えません」
「どこにあり、どうやってとるかと言いますと(どうやってとると思いますか?でも良し)・・」
「そこで、先ほどの検査表(歯周基本検査表)を活用するのです。こちらは⚪︎⚪︎さんの歯周病の箇所を教えてくれる地図です。」
「この数字が4ミリ以上のところには、歯茎の下に歯石が隠れていると考えてよいです。」
<視覚効果:ポケット深さ>
「つまり、4ミリというのは歯茎から4ミリ下まで空洞があるということで、ここまで汚れは入っていきます。」
「ここ(ポケット底部にカーソルを合わせて)には歯ブラシの毛先は届きません。」
「ということは、いつも汚れがとれないまま残ってしまうことになるのです。」
「そして、残念ながら一ヶ月もすると歯石という硬い石みたいなものがこびりついてしまうわけです」
「いくら歯茎の上をお掃除しても、この歯茎の下の歯石が残っていると、歯周病は進行を止めません。」
全部は大変なので言わないこともありますが、どれか良いと思えるフレーズがあれば、どうぞお使いください。
私としては、縁下歯石の説明で、“氷山の一角”というフレーズがお勧めです。
なんにせよ、
患者さんは、心の中で「とりたい、どうやってとるの?」となります。
それを確認してから、視覚効果を使い、
<視覚効果:SRP>
「どうやってとるかと申しますと、
このような器具で除去していきます。」
と、説明します。
おそらく、誰でも「お願いします。」となります。
私も「歯茎の下の歯石を取って差し上げたい」と使命感に燃えているわけですから、
双方‘Win・Win’
なわけです。
医療者と患者さんをこの関係に導くことこそ、患者説明・コミュニケーションの大事なポイントだと言えると思います。
是非念頭に入れて、明日からの診療の参考にして下されば嬉しいです。
診療が楽しくなりますし、診療に魂が入ると思います。
是非お試しあれ、です。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
〜インターネット歯医者さん☆メルマガ!☆のお知らせ〜
ブログの目次や全ての一般歯科動画が見れるなど特典がありますので、ご登録がまだのお方はどうぞ下記のフォームからご登録いただけると嬉しいです。無料です。
「インターネット歯医者さん」無料メルマガ登録はこちら→「インターネット歯医者さん☆メルマガ!☆」