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2016年12月06日

患者説明・コミュニケーション14「モチベーションの火を灯せるか?」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

現在、下記の内容にて、私なりのコミュニケーション実践の記事を書いております。

<例題症例>

例題症例

<治療計画>

初日.麻酔抜髄
2日目.根管治療➕基本検査1とスケーリング
3日目.根管治療➕スケーリング
4日目.根管充填
5日目.コア形成➕基本検査2とSRP
6日目.コアセット➕ブリッジ形成➕仮歯
7日目.ブリッジの設計を決定して、印象
8日目.ブリッジ仮着
9日目.ブリッジ本セット  治療完了

を前提にお話ししていきます。

下記の内容にて、コミュニケーション実践の記事を現在書いております。


前回までに、2日目まで終わっております

今回は、3日目:根管治療➕スケーリングの患者説明になります。

3日目のポイントは、

・根管形成を仕上げること

・スケーリングの重要性について伝えること

・次回、根管充填をすることを伝えること

の3点とします。

でははじめます。

私の実際の言葉は‘色’を変えてありますので、参考にしてくださればと思います。


〜3日目診療開始〜

「お痛みいかがでしたか?」(心配そうに)

患者さんがなんともなかったと言ったら、やはり、

「良かった」(心を込めて)

です。前々回→患者説明・コミュニケーション12「同調・傾聴・共感を一度に手に入れられるチャンスとは」より。

もしも、根管治療中の歯に痛みがある場合も処置は変わりません

貼薬を鎮痛効果の高いものに変えることと投薬すること、場合によっては、咬合を落とすオープンにするといったところでしょうか。

いずれにしても、処置(根管治療➕スケーリング)は変わりません

さて、痛みがなかったとして、話を続けます。

「良かった。」

「では、今日は根っこの形を仕上げてしまいます。」

と言って、根管形成に入ります。

根管形成が終わりましたら、

「これで、次回根っこ詰め(根管充填)が出来ますからね。次回根の中に最終的なお薬を詰めていきます。」

と言って本日の根管治療は終了です。

根管充填の詳しい説明は次回、根管充填をする時に話します

そして、この日は次にスケーリングの説明にうつります。

「前回下(もしくは上)のお掃除をしていますので、今回は残りのお掃除をしていきます。」

「と、その前に前回歯周病の進行度の検査をしておりますので、そちらの結果からお話していきます。」

前回基本検査1もしておりますね。前回すぐに結果を説明しても良いですが、前回は‘間’患者説明・コミュニケーション13「歯周病治療の患者説明、“間”をとる」

を作り、今回のタイミングで説明しても良いと思います。

しかし、この2回目、もしくは最後のスケーリングの前には説明した方が良いと思います。

歯周基本検査とは下の写真のもので、歯周ポケットの深さ歯茎の炎症歯の動揺(グラグラ度)数値化されております

<歯周基本検査表>

歯周基本検査表

<歯周ポケット>

歯周ポケット

歯周基本検査表を見せながら、次のように説明していきます。

「こちらに数字が並んでいますが、数字が大きければ大きいほど、歯周病が進んでいると思って下さい。」

「正常値は3までです。」

こういうと、患者さんは目をみはって、自身の検査表の数字を目で追っているのが私にはわかります。

それらを確認してから、説明に入ります。

「こう見ると、数字が4のところがあり、6のところも、残念ながら9のところもあります。」

「6を超えてくると中等度の歯周病、8mm以上を重度の歯周病といえます。」

「ポケットが8mm以上は抜歯の適応にもなります。」

ここで、抜歯の可能性がある歯があること少し匂わす言い方をするのですが、

ここで、たいていの患者さんには‘フリーズ時間’が発生することが多いです。→患者説明・コミュニケーション6「“フリーズ時間”が患者さんに起こっている時に大事な話をしても伝わらない」

そこで、

「4mmのところは、初期ですし、お掃除をすると歯茎が引き締まって、1mm位数字が下がるので、正常値に戻ることも多いです。」

ここで、‘正常値’という希望の言葉で、患者さんの‘フリーズ時間’を解きます。→患者説明・コミュニケーション7「話し方、話す順番の概要。フリーズ時間が発生したら、希望の言葉で戻す」

「こちらの結果は、お掃除をする前の状態ですからね。」

ポンッと言って差し上げましょう

患者さんは、今お掃除をしていますし、スッキリするだけではなく、治療が進んでいるいること、そしてスケーリングが済んだ後の基本検査2の結果を知りたいと感じます。

これが‘モチベーション’です。

治療全般に言えますが、‘モチベーションの火を灯せるか’どうかは、患者さんや歯科医院の明暗を分けることとなりますので、とても大事なことです。

歯科医師の先生方には、

是非色々な方法を会得して欲しいと思います。

モチベーションの火を灯せるか?は、

あってもなくても良いスキルではなく

臨床医になるのならば、必ず必要なスキルになると思います。

今回の記事も参考になさっていただければと思います。

では、患者さんにモチベーションの火が灯ったところで、次の言葉です。

「こちらの結果は、お掃除をする前の状態ですからね。」

「これから残りのお掃除を進めて行きましょう。」

「さらに、次回は根っこ詰めをしていきますからね。」

と説明をして、

そして、今回はスケーリングに入っていきます。

これで3日目の患者説明・コミュニケーションはおしまいです。


次回は「根っこ詰め」と表現していた根管充填についての患者説明について書いていきます。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:27 | Comment(0) | 患者説明・コミュニケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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