この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。

→動画「CR治療」
前回、充填前の前処置の一つである「防湿」についてお話ししました。
早く、CR充填処置について知りたいところですが、その前にお伝えした方が良いと思ったことがありましたので、今回も前処置について少し追加記事を書いていきたいと思います。
特に歯頸部CR治療で問題となりやすいことに、治療後に
‘CRが外れる’
というのがあります。
違う場所でたとえば、咬合面の虫歯を削った後にCR治療をした場合、外れるということはほとんどありません。
それは、虫歯で削った穴に詰めるので外れにくいのですね。
下にイメージ図を添付します。
<咬合面CR>

上の写真を見ていただけるとイメージとして、アンダーカットに入ってますし、外れにくそうですよね。
さらに、咬合面は咬合力が下の矢印の方向にかかるわけです。
<咬合力のかかる方向>

余計外れる気がしませんね。
対して歯頸部CR治療はどうでしょうか?
下の写真を見てみて下さい。
<歯頸部CR治療断面図>

穴に埋めるというか、虫歯の大きさによっては、上から‘貼り付ける’といった感じなので、外れやすいのです。
さらに、下の写真も見ていただきたいと思います。
歯頸部CR治療をするのは、WSD(ダブリューエスディー)であることも多いですね。
WSDとはアブフラクションや日本語で楔(クサビ)状欠損とといいますが、噛む力(咬合力)が歯頸部に集中して、歯が下の写真のように削れてしまうことです。
<WSDのイメージ図>

咬合力が強い人などに見られる事が多いのですが、歯が楔(クサビ)を打たれたように削れていくので楔状欠損ともいいます。
<歯ぎしりや強すぎる咬合力が原因>

歯医者さんはダブル、ダブルと、例えば右上3番にダブルありなどと言います。
<楔状欠損は進行する>

そして、このクサビは噛んでるうちに深くなりますし、歯もシミてきます。
ですから、この欠損部をCR治療で埋めるわけです。
さて、ここで考えてみて下さい。
歯が楔(クサビ)のように削れてしまうのは咬合力が歯頸部に集中するからですが、
もっと元に戻って考えると、‘歯が削れるくらい’の力がかかっている場所ということです。
歯というのはとても硬く、人体で一番硬い部分です。
それが削れるというのだから相当な力だと思っていただいてよろしいかと思います。
‘上から貼り付けたような’CRが
‘歯が削れるほどの’力
によって‘外れやすい’というのは容易に想像がつくかと思います。
しかし、詰めたところが外れたら、患者さんは、この先生下手かもと思ってしまいます。
<CR(詰め物)が外れる>

ですからできるだけ「外れないように」というのを、この歯頸部CR治療では考えなければなりません。
そのために前回お話ししました‘防湿’がありますが、他にも考える事があります。
なんか番外編みたいですが、次回「CRはなぜ歯にくっつくの?」というお話をしていきたいと思います。
それがわかれば、接着力を増やす事も考えられるわけです。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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