この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。

→動画「CR治療」
では実際のCR治療についてお話をしていきたいと思います。
歯科医師の先生方は、CR治療というと決めては色の選択や充填手技にあるかと思われるかと思いますが、その前にとても大事な事があります。
それは、‘充填前の歯の状態’です。
充填前の歯の状態が良くないと、いくらCRの色があってても、きれいなCR治療にならないということです。
今回、歯頸部CR治療を例に、‘充填前の状態’についてお伝えしたいと思います。
歯頸部CR治療とはどんな時に行うのか、それは下の写真のような時です。
<歯頸部に虫歯がある時やWSDがある時>

虫歯がある時はとりますね。→虫歯の削り方
この虫歯を削る際、一つのポイントは、‘歯の健全な色が出るまで削る’ということです。
<CR充填する部位は健全歯質にする>

硬化象牙質(黒くて硬い)や白濁(白い)は削らなくても良いとしている教科書もありますが、
<硬化象牙質や白濁>

たとえば、CR治療した後に、硬化象牙質の黒い部分が見えていたら、患者さんから
「この黒いのなんですか?」
と聞かれます。
その時に、たとえ歯科医師が、これは硬化象牙質といって削らなくて良いのですと説明しても、
患者さんは、あまり納得しません。
患者さんから「歯ってもともと白いですよね、黒いというのは異常ではないんですか?」
「なんで硬化象牙質ってわかるんですか?」
と聞かれたら、歯科医師側はなんと答えるでしょうか?
私も疑問に思うのですが、
たとえ、探針で触って硬かったとして、それは本当に硬化象牙質でしょうか?
本当に今後大きくならないのでしょうか?
もしも大きくなったらどうしてくれます?
となることもあるかもしれません。
たとえば、下の写真のような硬化象牙質があったとして
<黒い部分が硬化象牙質とします>

全ての黒いところを探針で調べることは可能でしょうか?
たとえば下の写真の丸で囲ったところが硬化象牙質だとして、
<硬化象牙質>

下の写真の丸で囲ったところはもしかしたら、削らないといけない虫歯かもしれないですよね?
<削らなければいけない虫歯>

そもそも、虫歯とは細菌であるからして、探針でわかるのか?となります。
なので、
こと唇側面のCRに関しては、色がついているところは全て取り切り、これからCRを充填する歯面は健全象牙質、もしくはエナメル質となるようにすることをお勧めします。
<点みたいな黒いところ(硬化象牙質)も取る>

↓

硬化象牙質は窩洞が深い場合は、オペークをひけば、なんとか黒い部分を見えなくすることが出来ますが、
窩洞が浅い場合は、オペークをひけば透明性の違いが顕著に現れて、まだらになるだけです。
この硬化象牙質を削るかどうかは、意見が別れるかと思いますが、
私の見解としては、‘天秤にかける’しかないのではと考えております。
つまり、メリットとデメリットを天秤にかけ、患者さんにメリットが高い場合は、硬化象牙質を削るということです。
逆にいうと、硬化象牙質を残した方が患者さんのメリットが高い場合は、硬化象牙質は残すということです。
硬化象牙質は取ったが、露髄したでは、天秤にかけた時に硬化象牙質と思われるので、残したとした方が患者さんの為になるかと思います。
逆に硬化象牙質を残すと、著しく審美性を損なう場合は、硬化象牙質と思われるが取った方が良いとなります。
さて、唇側面の硬化象牙質は完全に除去し、これからCR充填する面は健全歯質とすることが、きれいなCR治療のコツという話をしてきましたが、
もうひとつきれいなCR治療をするために、CRを詰めはじめる前に行なった方が良いことがあります。
次回記事にしていきたいと思います。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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