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2016年01月26日

補綴物除去8/10(メタルコア除去の第二段階の臨床、ポストの底まで削りきる)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「コア除去」



前回、盲目的にコア除去をするとパーフォレーションのリスクが高まる為、必ず目視できるように、削っている底に光が入らず、見えない場合は、

上部を広げて光を入れ、必ず目視できるようにしてから

ポストの底まで削り切りましょう

といった話をいたしました。

おさらいする場合はこちら→補綴物除去7(メタルコア除去の第二段階の概要、ポストの底まで削りきる)

そして下の写真を例にだし、今回メタルコア除去の実際を御紹介していきたいと思います。

<根っこが膿んでいる歯>

根っこが膿んでいる歯

1.まずレントゲンにて、ポストの位置にあたりをつけます。

<このへんかな>

ポストの位置にあたりをつける

大臼歯は複根ありますが、目視しやすい方で構いません


2.あたりをつけたらば、別に当たっていなくて良いので除去バーで削りはじめます

バーはほんの少し横に動かしながら掘りすすめていきます。

<除去バーをほんの少し動かしながら掘りすすめていきます>

除去バーをほんの少し動かしながら掘り進める

これは、やってみるとわかりますが、その方が削れるからです。

除去バーは底面より、側面の方が削れますので、まだまだ底まで距離があるようであれば、バーの側面を利用します。

<除去バーは底面より、側面の方が削れる>

除去バーは底面より、側面の方が削れる

しかし、あまりストロークが長いと、メタルコアは外開きでポスト部は漏斗状をしているので、それもまた危険です。

<メタルコアは漏斗状>

メタルコアは漏斗状


なので、ストロークは短めで、細かくストロークさせながら、掘りすすめていきます。


すると下の写真のように穴があいてくるようなりますが、ある程度まで深く掘ると、穴の底が見えなくなります。

<穴の底が見えない>

穴の底が見えない

このまま削り続けると危険ですね。

歯に穴をあけてしまいます。

なのでここで上部を削って広げます

<上部を広げる>

上部を広げる

穴の底に光が入り、底が見えてきました。

<底が目で見えるようになる>

底が目で見えるようになる

底は金属でした。なのでまだ掘り続けます。

するとまた穴の底が見えなくなります。

<また底が見えなくなる>

また底が見えなくなる

そうしたら、また上部を削って広げます。

<上部を削って広げる>

上部を削って広げる

また底が見えてきましたね。

これを繰り返していきます。

この時に大事なのが、上部を広げる時は漏斗状に広げることです。


横に広げてしまうと、知らずに歯の壁を削っていて、パーフォレーションしてしまうことがあります。

気をつけましょう。


そしてずいぶん掘り進んでいくと、以下の問題が生じてきます


1.広げる為に少しでも横に動かすとあぶなそう

<ポスト底部付近>

ポスト底部付近

2.タービンを入れると全く穴の中の状況がわからなくなる

<タービンで実際削っている時は中は見えない>

タービンで削っている時は中は見えない

この二つの問題が頭をもたげてきます。

どうするかといいますと、

まず、1・2の問題について、一つ落ち着いて考えてもらいたいのですが、

‘デンタルレントゲンを撮る’という方法があります。

<レントゲンを撮る>

レントゲンを撮る

わからなくなったら一度立ち止まって、レントゲンで確認してみましょう

<わからなくなったらそのまま進まず、レントゲンを撮る>

分からなくなったらレントゲンを撮る

そうすることによって、今どのくらいの深さまで到達しているのか、や方向があっているのかがわかります。

現在は、上の写真の矢印のところまで掘り進んでいるということがわかります。

ずいぶん安心しますね。

しかし、レントゲン撮影はそんなに回数を行なう事は出来ません

時間もかかりますし、必要であれば仕方ありませんが、被曝の問題もあります。

実際私は、コア除去の途中にレントゲンを撮影することはほとんどありません

ではどのようにしているのかと申しますと・・

まず1の問題については、バーの動かし方を変えます

今まではほんの少しストロークしながら掘りすすめていきましたが、

ストロークさせません

ミラーで、穴の底が金属であることを確認したら

<ミラーで穴の底が金属なのを確認>

ミラーで穴の底が金属なのを確認

バーを下の写真のように下のみに動かして

<バーは横に動かさない>

バーは横に動かさない

ほんの少し削ったら、またミラーで確認

<ミラーで確認>

ミラーで確認

というのを繰り返していきます

これで2の問題も解決です。

この際、大事なのが

・金属を削る時の感覚を感じながら削ること

・ほんの少し削ったら、ミラーで確認すること

です。ここまでくると、ポストの底まではあと少しです。

そんなにたくさん削る必要はありません

あせらずとも、ほんのちょっとずつ削っていっても底にたどり着きます

それよりも、金属の部分以外の歯質を削ってしまうリスクの方が怖いので、ここはもう慎重に行きます。

パーフォレーションしたら、一生ものです。患者さんにもここは時間がかかるのをガマンしてもらいます。

このように削る時には、

大胆に削る時と慎重に削る時があります。

緩急がつけられるようになると、だんだんベテランの域に達してきます。

考えてもみてください。

ほんの少しずつでも、‘金属の部分のみ’を削っていけば必ずポストの底にたどり着きます。

‘金属の部分のみ’を削っていけば、パーフォレーションなどするはずがないのです。

そのような気持ちで、下の写真の丸で囲った部分は削りすすめていくことをお勧めします

<慎重に削る部分>

慎重に削る部分

そして、金属の部分だけをほんの少し削っては、ミラーで確認して、まだ開通していなければ、またほんの少し削って、というのを繰り返していくと、、(ここは苦しいのですが、道は開けます。あせらずいきましょう)

必ず、開通します

<ポストの底まで開通>

ポストの底まで開通

これで、メタルコア除去の一番難しい第二段階が終了です。

お疲れ様でした。

次回は、メタルコア除去の第三段階についてお話しいたします。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 12:25 | Comment(0) | 補綴物除去 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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