この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。
前回は免疫反応の第一段階である「炎症」について書きました。
<炎症の断面図>

「炎症の五大徴候」から、炎症とは要は‘血’を集めている状態であると書きました。
<炎症の五大徴候>

なぜ、血を集めるのかというと
それは血液の中に含まれる多種多様な成分が歯周病菌の出す毒素をやっつけるのに必要だからです。
<血管透過性の亢進>

ここまでは前回のブログでお話しました。
そして、どうやって血を集めるの?といった事が今回のテーマです。
つまり、毒素が入ってきたとき、体はどうやって血を集めているのでしょうか?
例えば、切り傷からばい菌が入ると赤く腫れます。
つまり‘炎症’が起こりますが、頭で考えてやっているわけではありませんよね。
意識的にそこに炎症を起こそうとしてもできません。
体が勝手にやっているのです。
そういったシステムが元々体に備わっており、そのシステムを‘免疫’と呼んでいるわけです。
<免疫のイメージ>

そのシステムですが、体が‘信号’を出す事でそのシステムは成り立っています。
つまりばい菌や毒素など‘異物’(非自己)が入ってきたり、細胞や組織が傷つくなど損傷を受けた場合などに‘炎症’が起こり、それらの問題を解決する為に‘免疫反応’が起こります。
それら問題を実際に解決するのは‘免疫細胞’と呼ばれるもの達ですが、その免疫細胞をその場所に呼んでくる為に、体は‘信号’を出します。
その信号のことを‘サイトカイン’と呼びます。
<サイトカインが各々の細胞へはたらきかける>

免疫反応は以下の順番に進んでいきます。
異物・毒素・ばい菌が体の中に入ってきた。
↓
サイトカインを出す(血よ、集まれーという信号)
↓
血が集まってくる、炎症が起こる。
↓
サイトカインを出す(食べる細胞よ、集まれーという信号)
↓
異物・毒素・ばい菌を食べる細胞が集まってきて、それらを食べる。
↓
サイトカインを出す(情報を受け取る細胞よ、集まれーという信号)
↓
食べる細胞は、その異物・毒素・ばい菌の情報を、違う細胞に渡す
↓
サイトカインを出す(抗体を作る細胞よ、集まれーという信号)
↓
情報を受け取った細胞は、その情報を抗体といってそれをやっつける物質を作る細胞へその情報を渡す。
↓
そして、抗体を作る細胞はその情報を元に、抗体を作り、異物・毒素・ばい菌をやっつける
これが免疫反応です。
<免疫反応のイメージ>

あまり詳しく書くと訳がわからなくなる可能性があるので、簡単に書きましたが、
上記にて色々な免疫細胞があるんだなということがわかったかと思います。
これらの免疫細胞を呼んできたり活性化させるのがサイトカインです。
<矢印がサイトカインに当たります>

要は細胞自体は考えているわけではなく、その性質があるのみです。
それらを順番通りに呼んできて、システムを作っているのがサイトカインという信号です。
<サイトカインシステム>

このサイトカインというのは、化学物質で色々な種類がありますが、それらはまた難しくなるのでここではお話ししません。
ただ、色々な種類のサイトカインがあってそれぞれで呼んでくる細胞が違うと思っていただければと思います。
そして、体の機能というのは、性質の違う細胞をサイトカインという信号で統率していると全体像をつかんでいただければ良しです。
<サイトカインネットワーク>

歯周病で毒素が体の中に入ろうとした時、体は、
血よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。
そしてそれから、その毒素を食べる細胞よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。
そのあと毒素の情報を受け取る細胞よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。
それから抗体を作る細胞よ集まれーとサイトカイン(信号)を出します。
<免疫反応のイメージ>

このように免疫反応はサイトカインという信号を出す事で進んでいくのです。
そして、このサイトカインが破骨細胞を活性化してしまう事につながります。
<サイトカインが破骨細胞を活性化>

要は、炎症が起こり免疫反応が進む中で、破骨細胞よ集まれーとやってしまうのです。
その機序について次回詳しくお伝えします。
今回免疫機構については、ずいぶん省略しましたが、歯周病については詳しくいきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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