この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。
寒天・アルジネート連合印象の続きです。
前回は寒天の流し方について書きました。
今回はアルジネートについてです。
今回想定しているのは、寒天・アルジネート連合印象といって、歯科で一番頻度の高い印象(型)のとり方です。
寒天を流したあと、トレーに持ったアルジネートを歯に圧接します。
<寒天を流す>

<練ったアルジネートを歯に圧接>

アルジネートと寒天は最初柔らかく、時間が経つと固まる性質があります。
そして固まったあとトレーを外せば、型がとれているわけです。
<トレー撤去時内面>

アルジネートは最初‘粉’の状態で保存されています。
<アルジネート粉 水 ヘラ>

これに水を混ぜて練り、一定時間待つと固まります。
<粉と水を混ぜて練る>

では、まず水をどの位混ぜればいいの?というのが粉液比というものです。
アルジネートは適正な粉液比よりも多く水を入れた場合はどうなるでしょうか?少なく水を入れた場合はどうなるでしょうか?
これらをもう一度おさらいします。
答えは、
■水を多く入れた場合・・アルジネート硬化時間は長くなり、物性は(総じて)落ちます。
■水を少なく入れた場合・・アルジネート硬化時間は短くなり、物性はこちらも(総じて)落ちます。
そうすると粉液比を適正にする事は大事ですね。
また、他にもアルジネートが固まる際に影響する印象があります。
温度です。
■混ぜる水の温度が高いと・・硬化時間は早くなります。
■混ぜる水の温度が低いと・・硬化時間は長くなります。
他に硬化時間は適正な時間よりも
■長すぎると・・離水現象が起きます。
■短すぎると・・弾性が発揮されません。
となるわけです。
他影響する因子はたくさんありますが、基本的な事は上記のこととなります。
さて、すべてを適正にする事は出来ますでしょうか?
寸分違わず正確にはする事は実際不可能ですよね。
ただ、このアルジネートの性質をきちんと把握しておくことは良い印象(型)をとるのに大事です。
・粉液比→計量カップ
・水の温度→水を冷蔵庫に入れて温度を一定にしておく
・硬化時間→患者さんへ圧接する時間をタイマーで何分と決めておく
このように適正に近づけ一定にするシステムが大事です。
なぜなら、寒天に気泡が入っていたら見たらわかりますが、
アルジネートがどう固まって、その型が正確かどうかは見てもわからないわけです。
その型を使い、模型にして、詰め物や被せ物を作り、患者さんにセットする段階になって、初めてその型が正確であったか分かるわけです。
そして、印象の見ためはキレイにとれているのに詰め物や被せ物が合わないという時は、
技工士さんのせいではなく、たいていこのアルジネートが原因です。
少し大事なので、次回にもアルジネートについて続きます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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