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2014年10月21日

麻酔抜髄8/10(根管洗浄)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。メルマガ登録(無料・解除可能)するとパスワードが発行・返信され、保護中のページに入力すると見れるようになります。
動画:「貼薬交換」

今回から麻抜ステップ7「洗浄・貼薬・仮封」を順次御紹介していきます。

根管形成後、技術的にはこのステップ7は簡単ですが、根管治療の予後を決めるという意味では、このステップも大事であります。

色々な方法があり、ドクターによっても、参考書をみても、このステップは様々なやり方があるのもその為です。

今回は基本編なので、オーソドックスなやり方に少し私の方法を付け加えたものを御紹介致します。

まず、根管洗浄とは根管形成が済んだ後、根管内を洗うことです。

<根管洗浄 図>

根管洗浄 図

洗浄液は教科書通り、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)と、過酸化水素水(H2O2)の交互洗浄を行います。

<ルートキャナルシリンジ>

ルートキャナルシリンジ

これはなぜかというと、次亜塩素酸ナトリウムによる、有機物(タンパク質のこと)溶解作用の他、過酸化水素を入れると、発砲(酸素)による殺菌効果、と次亜塩素酸ナトリウムをに変え中和する作用があるからです。下の化学式を参考にしてみてください。

要は、次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後、過酸化水素水を入れることによって、

次亜塩素酸ナトリウムを塩と水と酸素に変えることで中和します。

NaOCl(次亜塩素酸ナトリウム)+H2O2(過酸化水素水)→NACl(塩)+H2O(水)+O2(酸素)

有機物溶解作用で根管形成の際の削りかすと根管にへばりついている歯髄(神経)を溶かします。

発砲作用によって殺菌効果があるのは、細菌には私達人間と同じように酸素を必要とする細菌(好気性菌)もいれば、逆に酸素があると死んでしまう細菌(嫌気性菌)もおります。

酸素を必要とする菌を好気性菌、逆に酸素があると死んでしまう細菌を嫌気性菌といいます。

根っこの中は普段酸素がない(少ない)為、嫌気性菌が繁殖しやすいですのでそれらを酸素の発砲作用で殺菌します。

<発砲作用>

発砲作用

これらが、教科書的な事です。

では、実際の臨床の話ですが、交互洗浄で根管の根尖の方まで、はたして洗えていますでしょうか?

大抵の場合は、洗浄液は根管の上の方をクルクル回っているだけになっていることが多いです。

<右図のように洗浄できているとおもいきや、実際は左図のようになっている事が多い>
右図のように洗浄できているとおもいきや、実際は左図のようになっている事が多い


かといって、根尖まで洗おうと、ノズルを押し込んだり、シリンジに強圧をかけると、洗浄液が根尖外へ出てしまい、激しい痛みや気腫を発生させる原因となります。

<根尖孔外への浸出>

根尖孔外への浸出

また、次亜塩素酸Naは危険ですね。衣服などについてしまったりすると真っ白に脱色してしまいますし、目にこぼしてしまった場合は大変です。すぐ洗い流さないと失明してしまいます。

なので、実は初めからおいていない医院もあります。

しかし、次亜塩素酸Naは前回の題「根管形成」でも御紹介したとおり、残髄をなくす為にも、また今回の貼薬前の消毒の意味でも必要です。

ただ、リスクもあるのは確かです。

沢山患者さんをみていく中で、まあ気をつければいいだろうでやっているといつか事故を起こす可能性がありますので、最初からおかないという判断をしている医院も、私はうなづけます。

ではリスクなく、そして根尖付近まで、次亜塩素酸Naを使う為の方法を御紹介します。

綿栓につけるのです。

貼薬の項でもお話しますが、綿栓とは根管内にお薬をつける為の綿です。

<綿栓>

綿栓

これに次亜塩素酸Naを付けて、根っこの中に入れます。

そうすると、こぼす可能性もなくなり、かつ根の先の方まで次亜塩素酸Naを置いてくることができます。過酸化水素水についても同様です。

是非お試しくださればと思います。

次に貼薬・仮封ですが、次回に続きます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


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posted by さけいくら at 09:00 | Comment(0) | 麻酔抜髄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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