この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。
今回のブログはブログに連動した動画も撮影致しました。
動画→インターネット歯医者さん〜実践編〜「根管充填材除去」
ご参考になさっていただければと思います。
前回まで、根管の開け方(根尖まで器具を通す)、拡げ方(根管拡大・形成)、と肝になる部分について書いてきました。
感染根管治療10「根管充填材の除去C (根管形成の仕方)」
感染根管治療8「根管充填材除去A(根尖到達の仕方)」
これでほとんど終わりかと思いきや感染根管治療の場合は最後の仕上げがあります。
例えば根管形成がNo.35号まで成ったというのに、下の写真のようにGPが残っている事はないでしょうか?
<根管形成後もGPが残っている>
感染根管治療の一番大事な事は、感染源の完全なる除去です。
根尖に貼薬出来ればかなりの症状はなくなりますが、再感染を防ぐためには、元々入っているGPを全て取り切りたいところです。
今回はこのGPを完全に取り除く方法をご紹介していきます。
方法は3つあり、
1つは、さらに拡大していくという事ですが、あまり大きく拡大するとその分残っている歯質は薄くなり強度は落ちてしまいます。
2つ目は、以前動画でもご紹介したHファイルを根管壁に押しつけながら引くやり方
→インターネット歯医者さん〜実践編〜カテゴリ:根管治療
ですが、こちらでも、GPのかけら的なものが残ってしまう事があり、あまりHファイルを使うのは破折が怖いですし、切削片が根詰まりを起こす可能性もあります。
なので、今回は3つ目のGPを溶かす方法をお伝え致します。
やり方は感染根管治療8で行なった方法と同じなのですが、リーマーに綿栓を巻きつけることがポイントです。
<リーマーに綿栓を巻きつける>
巻きつけるリーマーの号数は拡大した号数よりも1つ手前もしくは2つ手前の号数と致します。
<想定ではNo.35まで拡大なので、No.25のリーマーに巻きつける>
そもそも、なぜ拡大後にGPが残存してしまうのかと考えますと、
根管自体が漏斗状の形態をしているからです。
<根管形態は漏斗状>
つまり、上部に向かって広がっている形態をしています。
ここに拡大時にファイルを入れた状態を想像してみましょう。
<ファイル挿入時>
根尖の方は、根管内にギチギチにファイルが入っていますが、上部の方は隙間が空いていますね。
これでは何度ファイリングしてもGPが取れません。なので、Hファイルを側面の壁に押し付ける方法を動画でお伝えしましたが、それでも三次元的に全てを削除するのは難しい時があります。(動画では取れていますが)
そんな時には溶かしてしまえば良い、
のですが、
GPソルベントの液も細いところにはなかなか入っていきません。
<細い通路には液体は表面張力があり入っていかない>
なので、またリーマーに綿栓を巻きつけて、行う方法が有効かと思うのです。
<綿栓を巻きつける>
綿栓の形状も漏斗状をしておりますので、根管内の形状と一致します。
<綿栓の形状と根管の形状が一致>
実際の根管より、綿栓を巻いた状態で少し太い状態に巻ければ、上から挿入した際に、綿は圧縮しますから、三次元的にも根管の壁にGPソルベントが行き渡ります。
<ピッタリ>
この状態で、根管内が溶けたGPでジャブジャブになるまでファイリングしてみてください。
すると下の写真のようになります。
<溶けたGPでジャブジャブ状態>
ここから交互洗浄を行なうと、、
<完全なる根管充填材の除去>
取れましたね。レントゲンで確認すると、、
<根管充填材除去後>
これで完全なる根管充填材の除去が成りました。
注意点としましては、根尖の方はもう取れているわけなので、ファイリングの際にあまり根尖方向に押し付けないようになさってください。溶けたGPやGPソルベントが根尖外に出てしまうとやっかいです。
あくまで根管内だけの操作とすれば、私はこれが1番効率よく、過大な根管拡大もせずに、根管充填材の除去が行えると思います。
動画→インターネット歯医者さん〜実践編〜「根管充填材除去」
是非、お試しあれ、です。
さて、これにて感染根管治療の章は終わりとなります。
それと同時に、一般的な治療に関してはこの感染根管治療の章をもって切りが良いと申しますか、次章へ移る前に今までのブログ記事をまとめていこうと思っています。
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ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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