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2017年03月25日

患者説明・コミュニケーション20「即日抜歯は出来るだけ避けた方が良いと思う理由」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

最近はイベント続きで、更新が出来ていませんでしたが、


現在下の症例の患者説明・コミュニケーションについて記事を書いております

<例題症例>

例題症例


歯科医の先生であれば、おわかりかと思いますが、左下6番は、要抜歯と言えると思います。

前回は、抜歯の説明をする導入部分で、その患者さんの心持ちをはかる‘魔法の言葉’について書かせていただきました。

その魔法の言葉を使い、患者さんの心情を二つのパターンに分け、患者説明・コミュニケーションをしていくという記事を書かせていただきました。

そして、次の記事で注意点を書くとお話して、今回の記事に至ります

ではよろしくお願い致します。

さて、‘魔法の言葉’を使い患者さんの反応を伺っていくと、、

大きく二つのパターンに別れるのでした。

今回はその後の対応や患者説明・コミュニケーションです。

<魔法の言葉で、患者さんの心情を二つのパターンに分ける>

患者さんの心情を分ける

「じゃあ先生、抜いちゃって下さい」

となることも多いですし、

「次痛くなったら抜く事にします」

という方もいらっしゃいます。

ここで注意点ですが

「抜いちゃって下さい」と仰る患者さんでもその日は抜きません

「どうしても抜いて下さい」と懇願されればその日に抜歯をすることもありますが、

私は、その日に抜いた事によって後ほどトラブルになるケースを何度か見ていますので、

その日に抜歯するのは、出来るだけ避けた方が良いというのが見解です。

<即日抜歯は、“出来るだけ”避ける>

即日抜歯は、“出来るだけ”避ける

まず教科書的な事からお話しします。

たいていの場合は、その日は消炎処置と投薬をして痛みを引かせてから、次回抜歯を致します。

教科書的にもそうですよね。

痛い時に抜歯をするとその後、さらに痛くなることもあるからです。

さらに麻酔も効かないし、出血も止まり辛いです。

高血圧の患者さんなど、麻酔が効かないと血圧が上がり危険な事もありますね。

なので、その日は教科書通り、消炎処置・投薬が基本です。

<即日は消炎処置と投薬が基本>

即日は消炎処置と投薬が基本

そしてここからが教科書的ではないことです。

ただ、痛みが引かず、さらに強くなる場合だってあります。

その時は、やはり次回のアポイントを待たず、抜歯をします。

その旨は、初回にて患者さんへお伝えして、

「痛みが収まらない、もしくは強くなってきたら、御連絡下さい。」

「急患で、いつでも拝見しますからね。」

「その際は、薬は飲み切っていないが、飲んでいる状態ではあるので、薬は効いてくる為、今よりましですから」

などをお話し、

「え?抜いてくれないの?」「今日痛くなったらどうしよう」

と思われている患者さんを出来るだけ安心させる言葉をかけましょう

そうしないと、痛くなってきた際に、

やっぱり痛くなった、あの時抜いてくれなかったからだとなってしまいます。

なので、

この場合は、そのようなお声かけをしておくのも、大事な患者説明・コミュニケーションと考えます。

また、次回のアポイントを待たずに抜歯をするというのは、

教科書的には、

前投薬は済んではいない、リスクはあるが、緊急性があるという判断です。

<緊急性がある>

緊急性がある

さて、

そんなに言うなら(結局教科書を逸脱するのなら)抜いてあげればいいのに、と私も書きながら思いますし、読まれている方も思ったかと思います。

実際、さらに痛くなってから抜くのは処置も大変になりますし、リスクも増えます。

しかし、ここで忘れてはならないのが、9割以上の方は、適切な消炎処置と投薬にて、痛みはなくなるということも考慮に入れた上で、判断をしなければならないということです。

そして、もちろん痛い時に抜いて、さらに痛くなることも同時に考慮に入れなければなりません

未来の事は、誰にもわかりませんので、

その処置をする時に、何を考えて、その処置をしたかという、

‘思考’が大事なのです。→医療者の思考

<未来のことはわからないが、何を考え判断するかが大事>

何を考え判断するかが大事

今回の記事も、同じくお考えいただければと思います。

つまり、出来るだけその日に抜歯しないという考えを上記に書きましたが、

それが絶対合ってるといっているわけではありません

一応今のところ抜歯でトラブルになったことがない、私の経験の上での一つの考え

として‘出来るだけ即日抜歯は避ける’と捉えていただければと思います。

そして

もう一つ思い出していただきたい事がありまして、、

私は前回の説明より、

痛いから抜くとは言わなかったですね

痛みは下げれても、残しておくと良くない事が起こるので抜歯をしましょう

でした。

ここからの文章は、私の私見もだいぶ入りますが、

実は、ここには明確な違いがあります。

<明確な違い>

明確な違い

痛いから抜くは、やはりやめた方が良いというのが私の考えです。

なぜなら、痛みは、大抵一週間以内に下げる事が出来ますし、抜歯したってそのくらいの期間は痛いともいえるわけです。

そして、本当に、その場で抜いて結構トラブルになっている例があります

喉元過ぎれば・・ということわざがありますように、

人間そんな感じで、あまり一時の事に反応して、事を起こす(必要がある時もあります)とろくな事にならないものなのかな、と思います。

そして、大事な事は、

痛みが引いたあと、患者さんが抜歯日に来院されれば、それは抜歯に納得しているということです。

<納得しているという事が大事>

納得しているという事が大事


心おきなく抜歯出来ますし、トラブルも起こりづらいと思います。

このように、即日抜歯をしないで、次回抜歯予定日まで、間を取る患者説明・コミュニケーション13「歯周病治療の患者説明、“間”をとる」という事も大事なコミュニケーションの一つだと思います。

話すでもなく聞くでもなく

患者さんに‘考えるお時間を与える’

ということですね。

それがないと、患者さん自身が選択したことにはならないので、コミュニケーションの上でとても大切なことだと私は思っています。

是非お試しあれ、です。

<間を取る:患者さんに考える時間を与える>

患者さんに考える時間を与える


また、要抜歯の歯を患者さんの希望で、保存を試みるということに関しては、

歯科医師の中でも色々とお考えがあるかと思いますが、

私は、基本的に患者さんの身体なので、抜きたくないと言われましたら抜きません

もしくは、抜いて下さいと言われない限り抜かないということです。

ただ、要抜歯の歯を残す場合は、そのリスクは充分にお話します。

しかし、そのリスクを許容すると現時点で仰っておられるわけですから

痛みを受けるのも患者さんですし、無理に残して補綴した後、抜歯をすることになり、それが2年以内であった場合は保険診療は通らず、自費料金でブリッジをすることになる。

インプラントしようにも骨がなくなりそれすら出来なくなるかも。

隣の歯も痛みはじめるかも。

しかし、

それらも許容するということでしたら、医療者といえど抜歯など後から戻れない処置は出来ないという考えです。

そういった患者さんに対しても抜歯を納得させる為の患者説明・コミュニケーションを期待していた先生へは申し訳ない気持ちもありますが、

私の意見としましては、

そういった患者さんの歯は無理に抜かない方が良い、トラブルの元と思います。

また、様々な人がいるわけで、

そこまでしても残したいという人もいるということを医療者側は認識するべき、もしくは理解するべきという意見です。

<理解力とコミュニケーション能力は相関性がある>

理解力とコミュニケーション能力は相関性がある

だいぶ私的な意見が入りましたが、一つの“思考”として捉えていただければと思います。

ただ、もうダメかもと思った歯が患者さんが抜きたくないとおっしゃるので、残してみたら5年もったといった話はザラにあることでして。

それは、その思考の中、臨床を行なってきた上での事実であり、経験であると自覚しております。

しかし、今回の症例の6番は、やはり私も強く抜歯を勧めます

それも、こういった歯を残して余計良くない事が起こった事実を知っている、という経験からのこととなります。

未来のことはわからないが、何を考えて、そのことをすると決めるのか、という‘思考’が、特に抜歯治療の場合患者説明・コミュニケーションにおいて大事だと思うという話でした。

次回は、6番抜歯後のブリッジ治療に対しての患者説明・コミュニケーションに進みます。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。




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posted by さけいくら at 13:23 | Comment(0) | 患者説明・コミュニケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月07日

プレミアムファイルvo.2「CR治療」の門が開きます。



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

<こちらはH29年3月7日の記事となり、プレミアムファイルvo.2の公開はH29年3月31日にて終了しております。>

本日夜11時プレミアムファイルvo.2「CR治療」インターネット歯医者さん〜実践編〜より、リリースされます。

<プレミアムファイルvo.2「CR治療」>

CR治療

インターネット歯医者さん〜実践編〜のトップページにいきますと、上の写真のページが表示されます。

クリックしますと、パスワードを聞かれますので、メルマガ登録をされた際に発行される、パスワードをお入れ下さい。

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<パスワード>

パスワード

すると、プレミアムファイルvo.2「CR治療」の内容を説明するページへ入ることが出来まして、そこからお申込みページへいけるようになります。

<説明ページ>

説明ページ

<お申込みページ>

お申込みページ

つまり、メルマガ登録時に発行するパスワードがないとページに入ることはできないので、メルマガ登録がお済でない方は、是非メルマガ登録をしていただけると嬉しいです。→メルマガ登録

今回のプレミアムファイルも気合を入れて作りましたので、是非ご検討だけでもしていただければと思います。

プレミアムファイルとは、いわば“まとめ資料”のことで、私の臨床の粋を集めた資料や動画を作成ファイリングしたものになります。

私の考えではありますが、皆様のお役に立つと確信できたもののみが、プレミアムファイルに認定されます。

今回のプレミアムファイルvo.2「CR治療」は、H29 年1月15日と28日に行いました、「CR治療」セミナーの内容をもとにセミナーを受けることが出来なかった方に対しても、セミナーを受けたのと同じような効果を発揮させるべく作られたものです。→第三回「CR治療」セミナー記事はこちら

セミナーは満席となり、

「CR治療」セミナー受講生からは、

「セミナー内容もとても分かり易く、明日からすぐに使える実践的なもので非常に満足」

「少しのポイントで驚く程出来栄えが違う」

「ここまで詳しく勉強できたのは初めて」

嬉しいお言葉をいただき、大変御好評いただきました。

セミナー受講生からの貴重なご感想インターネット歯医者さん〜実践編〜にまとめてありますので、是非ご覧くださればと思います。→CR治療セミナーの感想(1/2)CR治療セミナーの感想(2/2)

インターネット歯医者さんという媒体の特徴として、

“簡単”“誰でも出来る”“教科書に載っていない”

といったことを念頭に私も書いていますし、読者の皆様からもそのような御感想をいただきます

それは、私が元々左利きであり、いつも利き手と反対の手で診療せねばならなかった為

誰でも出来るような簡単なことを一生懸命、細かくやっていくしかなかったからです。

それでも、歯科医師としてまあまあ成功していますし、下の写真のように10分程度でCR充填をすることが出来ます。

<プレミアムファイルvo.2「CR治療」実践動画より抜粋>

「CR治療」実践動画より抜粋

そういった方法を、プレミアムファイルvo.2「CR治療」にすべて詰め込みました。

奥歯だけではなく、

1章:歯頚部
2章:前歯隣接面舌側
3章:前歯隣接面唇側を含む
4章:臼歯隣接
5章:臼歯咬合面


部位別に章立てして説明動画を掲載しております。

およそ、CR治療をする部位は網羅されていると思いますので、勉強したけど症例がない、なんてことにはならないと思います。

CR治療は、歯科治療の種類の中でも、最も頻度の高い診療といっても良いですね。

勉強した翌日の診療にて、即皆様の臨床につながるかと思います。

そして大切なことは、それだけ頻度の高い治療だからこそ、大事なわけです。

CR治療早く・きれいに出来ると、患者さんやスタッフからも凄いと思ってもらえます

患者さんやスタッフの満足度が上がれば、その歯科医院も皆から必要とされる歯科医院となるのではないでしょうか。私はそう信じております。

CR治療を早く・きれいに治療できることは、必ず先生方の武器になるでしょう。

是非、このプレミアムファイルvo.2「CR治療」にて、本当に簡単なので、試してみていただければと思います。

また、誠に僭越ながら私が実習項目に沿ったデモンストレーション動画も特別動画としてお付けしました。

こちらはセミナー受講生もまだ見ていない動画です。

是非是非ご参考ください。

プレミアムファイルvo.2「CR治療」ページへ<こちらはH29年3月7日の記事となり、プレミアムファイルvo.2の公開はH29年3月31日にて終了しております。>


本日(H29.3.7)23時より期間未定でリリースです。

よろしくお願い致します。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。



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posted by さけいくら at 12:33 | Comment(0) | プレミアムファイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

平成29年2月25.26日に「麻酔抜髄」セミナーを行いました。



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


H29年2月25(土).26日(日)には「麻酔抜髄」のセミナーを開きました。

<セミナー風景>

セミナー風景

セミナー受講生からは、

「本セミナーは臨床経験の少ないDrでも十分理解し、実践することの出来るすばらしい内容であった」

「今までより余裕をもって診療に取り組めそう」

「不安を1つ1つ無くしてもらうことができた」

などのお声が聞こえ、またまたご盛況いただき、とても嬉しく思います。

セミナー受講生からの感想アンケートインターネット歯医者さん〜実践編〜

にまとめましたので、是非是非ご覧下さいm(_ _)m→麻酔抜髄セミナーの感想

セミナーの際にいつもいただく皆様からの御感想は、

私の宝です。

仕事の合間をぬって、セミナーやインターネット歯医者さんをやってきて本当によかったと思わせていただいております。

セミナーでは、麻酔抜髄の術式である、

<麻酔抜髄:歯の断面図>

麻酔抜髄

1.穿通

2.髄腔開拡

3.天蓋除去

4.根管孔明示

5.根管形成

6.根管洗浄・貼薬・仮封

までを、

人工歯や天然歯を使用して行いました。

ただ、上の術式だけ聞いて麻酔抜髄が出来る人はいないと思います。

なぜなら、当然ですが“歯の中はどうなっているか、外から目に見えない”からです。

<歯の中は見えない>

歯の中は見えない

しかも、人によって髄腔の形や根管の位置は微妙に違うので、はっきり言って術者からすると恐怖ですよね。

なので、

今回のテーマは「道筋とリスク回避を考慮した麻酔抜髄」としました。

<道筋とリスク回避>

道筋とリスク回避

つまり、‘失敗しない為の麻酔抜髄手技’に焦点を当てたセミナーと言い換えることができると思います。

今回のセミナーにて、失敗しない為の‘道筋’を照らし、“リスク回避”のポイントをお伝えすることが目的でありました。

麻酔抜髄は失敗したら大変なことになりますね。

あらぬ方向に削っていけばパーフォレーションといって、歯に穴があいてしまい、要抜歯となってしまうことがあります。

‘そうならないための方法’などを御紹介させていただきました。

本当に事細かく、色々な場合を想定して書きましたので、セミナー用資料は89ページにも及び、受講生の方も大変だったと思いますが、

私はこの方法でパーフォレーションしたことはありません

そして、受講生全員がパーフォレーションすることなく、実習を終えることができました

皆様お疲れ様でした。

<セミナー風景2>

セミナー風景2

今年度はセミナーに力を入れておりまして、3月も行なう予定です。

募集要項は後程、いつものようにメルマガとブログにてお知らせ致します

是非是非、御参加いただけると嬉しいです。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。




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posted by さけいくら at 08:43 | Comment(0) | セミナー情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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