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2017年02月28日

患者説明・コミュニケーション19「抜歯の説明実践:患者さんが抜きたいのか、抜きたくないのか知る為の‘魔法の言葉とは’」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


セミナーのお知らせやプレミアムファイルなどイベントが多く、久しぶりの更新になりますが、

現在下の症例の患者説明・コミュニケーションについて記事を書いております

<例題症例>

例題症例


歯科医の先生であれば、おわかりかと思いますが、左下6番は、要抜歯と言えると思います。

歯周病にて、歯を支える骨がなくなり、歯根の破折も認められます。

放っておくと、痛みや腫れを伴うことが予想されることもそうですが、

さらに、

歯の周りの骨はどんどんなくなり、隣の歯にも影響してくるでしょう。

これらの事を、歯科医側はレントゲン写真から理解出来ますがそれだけでは足りないわけです。

つまり、どんな治療もそうですが、‘患者さんに伝えてられてこそ’、なわけですね。

その為の技術として、患者説明・コミュニケーションの章を書いております。

私が実際によく使う言葉“色”を変えております。ご参考になればうれしいです。

前回、「抜歯の説明の時に考えること」と題しまして、

この抜歯をしようとしている6番は、6才臼歯と呼ばれる、人がだいたい6才の時にはえてくる最初の大人の奥歯です。

<下顎6番>

下顎6番

その歯を抜歯をするということは

6才からその患者さんと共に食事をし、共に生きてきた体の一部を除去するということです。

そして、

抜歯説明とは、その説明をするということ

というふうに考えて、説明をしてみてはいかがかというお話を書かせていただきました。

なので、抜歯を切り出す時の言葉は、

「残念ですが、、」

です。

もしくは、

「私だって抜歯したくないのですが、、」

患者さんの気持ちと同調したような一言を加えることが重要です。

そして、一つ注意することとして、抜歯に対する考えは、患者さん1人1人で違うということです。

どうしても抜きたくないと思っている方もいれば

じゃあ抜いちゃってよ、という方もいます。

<患者さんによって抜歯に対する考え方は違う>

抜歯に対する考え方は違う

それらを見分ける魔法の言葉を御紹介致します。

それは、

「きっと今までも、この歯には何か問題があったと思うのですが、、」

です。

その時の患者さんの反応としては、二通りに分かれます。

「いや今までそんなに不自由を感じなかった」

という方もいます。

その場合は、私も

「じゃあ残す方向でやってみますか?」

と言う事もあります。

この患者さんは‘抜歯したくない’もしくは、‘抜歯の必要性を感じていない’方です。

その場合は、無理に抜歯の方向で押さないことです。

ただ、次の一言は加えます。

「しかし、この歯はだいぶ弱っていますので、次に何かあれば、抜歯の必要があります」

「この歯の病気が隣の歯に移らないように、時々レントゲンを撮るなど経過を確認する必要があります」

とお伝えして、とりあえず感染根管治療・歯周病治療をしてみます

そして、もう一つのパターンは、

患者さんが、

「そうなんですよ、なんども腫れて、、グラグラで硬いものは食べれないし・・」

とこの歯で困った事を話しはじめる場合です。

<この歯で困ったこと>

この歯で困ったこと

この場合は、患者さんは‘抜歯の必要性を感じている’

と考えます。

その時は、

「そうですよねぇ、そうですよねぇ・・」

と同調します。

そして、ところどころに

「根っこが割れてしまって・・」



「歯周病で・・」

合いの手と説明を入れていきます。

そのうちに、患者さんは抜歯しようかなという気持ちになってきます

しかし、患者さんも抜いたら戻ってこないことを知っていますので、

確認の意味を込めて、必ず患者さんとは次の話になります。


「治りますか?」


という話になります。

<治るの?>

治るの?

そこで、「残念ながら・・」という話になるのです。

「いやあ、難しいと思います。」

「今まで何人も同じ状態になっている方をみましたが、私も最初はなんとか残そうとしたりしていましたが、残しておいてもその後あまり良いことにはならないんですよね。」

「なくなった歯の部分は被せ物などで補うことが出来ますが、なくなった骨はボンドでくっつけるというわけにいかないんですよね。」

など視覚効果を使いながら、

<視覚効果:歯周病>

歯周病

「そうすると、歯周ポケットが残ってしまい、上に歯茎が乗っかっていますが、この歯茎の中の根っこの先の方まで歯ブラシの毛先が届かないので、普段から汚れが残ってしまうのです。」

という現状

「おそらく、今痛みが止められても、これからなん度も繰り返すのではないかと思います。」

「逆に膿が隣の歯まで広がる可能性もあります。」

という今後のこと

などを説明します。

そして、全部悔しそうに言いましょう。

<悔しそう>

悔しそう

患者さんからしたら歯を抜かれるわけで、なんとも思わない人はいないように、

歯科医師であっても

人の歯を抜くのになんとも思わない方はいないと思います。

あまり慣れてしまわない方がいいです

悔しいけど、残念だけど、仕方なく

の気持ちを込めて

‘おそらく無理だと思う’

‘抜歯しないで残しておくと、今後良くないことがある可能性が高い’

ということをお伝えしましょう。

医療者側と患者さんの気持ちをリンクさせ、今の現状と今後予想されることをお伝えしましょう。

これが抜歯の患者説明・コミュニケーションの醍醐味になります。

是非魔法の言葉である

「きっと今までも、この歯には何か問題があったと思うのですが、、」

を使い、患者さんの反応から患者さんの気持ちを二通りにわけ、それぞれに対して患者さんの気持ちに沿ったコミュニケーションを成立させましょう。

是非、お試しあれです。

実はここからも注意点があるのですが、長くなりましたので、次回にします。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。



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posted by さけいくら at 13:40 | Comment(1) | 患者説明・コミュニケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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