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2016年08月30日

患者説明・コミュニケーション2「前提として、‘相手は鏡である’と考える」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

インターネット歯医者さん窓口に寄せられる、お悩み相談の内容を鑑みますと、多くは患者さんとのコミュニケーションが鍵になるように思いました。


きちんと患者説明ができていると、患者さんも安心し、院長も安心です。

患者さんと笑いあっていれば、患者さんもスタッフもうれしくなります


なので、主観が多分に入るため、難しいテーマですがブログを書こうと思います。

しかし実は、私の‘真骨頂’はコミュニケーションにあるのではないかと自分では思っています。

なぜなら、一番苦労して会得しましたし、

インレー形成が出来るようになった時より、抜歯が出来るようになった時よりも、

コミュニケーションが出来るようになった時の方が

日々の診療に対して安心出来ました。

おそらく、私はどこの歯科医院で働いても患者さんに好かれる、大丈夫と感じられました。

なのに、今まで記事を一記事しか書いてきておりませんでしたので、続きを少し書こうと思います。

一回目は、「聴き方」についてでしたね。→コミュニケーション1(聞き方)

今回は、「話し方」と思いきや、まだ早いです。

今回は、話す前に考えること、として

「相手は鏡と考える」

です。

<コミュニケーションの基本:相手は鏡>

相手は鏡

例えば、女性の先生・もしくは若い先生に多い傾向なのですが、

‘女性のもしくは若いドクターだからと、なめられないようにしよう

とした態度で患者さんに当たる先生がいらっしゃいます。

それが悪いということではありませんが、

なめられないように、と相手に接すると

相手もなめられないようにと対応しますよ、ということです。

それが、‘相手は鏡である’ということの意味です。

想像してみていただければと思います。

例えば、つっけんどんな態度をとられたとその人が感じたならば、その人はなめられてる、なめられないようにしなければと感じます。

なめられるとは、軽く見られてると感じることと同義といえまして、自分の身体を軽く見られちゃたまらないと患者さん側も、自分はすごいんだ、大事な者なのだということを主張しなければという気持ちになるのです。

自分に置き換えると、よくわかったりするのですが、たいていの場合、

自分が相手に感じていることは、相手も思っています

自分が嫌な相手だなと思っていたら、安心して下さい。相手も思っているわけです。

逆に、自分が話しやすいと感じていれば、おそらく相手も同じく、話やすいと思ってくれています。

こちらが丁寧な対応をすれば、相手も丁寧な対応となります。

こちらが、きつい態度で相手に接すれば、相手もきつい態度で臨みたくなります。

そこまで表面的にならないのは、一方が医者だからです。

なので顕在化しずらいですが、確実に患者さん側はムカッときていて、その患者さんは来院されなくなったり、そのうち顕在化したりします。

今度は医療者側からを一人称(私)としてお話をしますと、

私が不安に思っていたら、相手も不安に思います

だから、不安を見せてはいけないわけです。→参照:プロとアマチュアの違い

私が誠心誠意治療にあたれば、患者さんも誠心誠意治療にあたってくれます。→参照:魂を込めるとは

私が相手を大事に思えば、相手も私を大事に思ってくれます。

<コミュニケーションの→は、どちらも鏡関係である>

どちらも鏡関係である

そんなことばかりではないという意見が聞こえてきそうですね。

例えば、恋愛などでは、それらの気持ちが一方通行になったりします。

しかしそれは、‘前提’が違うからと考えます。

こと医療者側と患者さん側や仕事関係、初対面などではそういったことはありません。

そうは言っても、わたしも若く見えますし、貫禄なしですので、本当に若い時は苦労しました。

しかし、やはり「相手は鏡である」という考えは本当であると考えます。

例えば、横柄な患者さんも時にはいらっしゃいますが、こちらが一生懸命なことや丁寧なことが伝われば、自然と私の応対と同化していきます。

たとえ、最初はタメ口の患者さんでも、私は一貫して敬語で丁寧な応対をします。すると自然と患者さんも敬語に、丁寧な対応になっていきます。

想像してみてください。

治療中に「ご気分いかがですか?」と聞かれたら、誰でも「あ、はい、えー、大丈夫です、(ありがとうございます)」となるわけです。

先週台風が来ましたが、「雨、大丈夫でしたか?こちらのタオルをお使い下さい」と言われたら誰でも「ご丁寧にありがとうございます」という気持ちになります。

一生懸命治療した歯だけれでも、抜歯が必要になってしまった。

私は、「残念です。」「私も悔しいです。」といった感情を出したり、言葉にして伝えるようにしています。

時には患者さんよりも悔しがるくらいです。

本当の気持ちですので、魂が入っているわけです。

初診で、レントゲン写真を見ながら「あーこの歯は抜歯だね」と軽く言うドクターもいますが、患者さんからするとそんなに軽く言わないで欲しい、と思うわけです。

コミュニケーションに正解というのはないと思いますが、この

「相手は鏡と考える」

というのは、かなりの確率で合っていると思います。

是非、お試しあれです。

では、実際にどうするかといいますと、、

“相手を鏡と考える”とは、“相手を思う”ということができなければなりません。

<相手を思うということ>

相手を思うということ

御自身の患者さんを一人一人を思い浮かべながら

できるだけ全員から

好きになってもらうためには信頼されるためには

自分は‘どのような在り方’をすればいいのか。

「相手は鏡である」という前提で考えてみていただければとおもいます

そして、その姿を患者さんにお見せください患者さんには、あなた様が映し出されるはずです

そして、考えていくうちに

きっと小手先のテクニックは要らないことに気付きます。

上手く言わなきゃと考える必要なんてないことに気付きます。

やはり、コミュニケーションの前提として、

基本は、人対人なのです。

と言ってもそれは治療内容を医療者側・患者側の双方が理解している上での話であって、上手に相手に内容を伝える「話し方」も大事なことです

次回「話し方」について、お話したいと思います。よろしくお願い致します。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 11:21 | Comment(0) | 患者説明・コミュニケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月25日

CR治療28/28「治療後を手鏡で患者さんへ見せるときに考えること」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「CR治療」


前回CR治療のまとめとステップの最後の‘治療後を患者さんに見せる’事の大事さについて書きました。

今回はCR治療の治療後を手鏡で患者さんにお見せするというシチュエーションで、二つの注意事を例に、どのように考えるのかについて書きたいと思います。

私はCR治療が終わった後



口をゆすいでもらい



手鏡で患者さんに治療した部位をお見せし、次回の治療内容を説明して終了します。


まず、この時に考えていただきたいのですが、

例えば、

高級なマスクメロンは‘桐の箱’に入っている

<高級マスクメロンは桐の箱に入っている例1>

高級マスクメロンは桐の箱に入っている例

ということです。

桐の箱は食べれませんが、そこに意味がないわけではありませんね。

私はCR治療後の、鏡でお見せする行為は、この‘桐の箱’に当たると思っています。

この機会にどんな意味があるかを考えてみることをお勧め致します。

するとロボットには出来ないことが出来るようになるので、是非お試しあれです。


例えば、鏡が汚れていたら、見ている患者さんはどう思うでしょうか?

マスクメロンでいうと、‘桐の箱’が汚れているのと同じですよね。

なので、鏡が汚れていないかはチェックしましょう

注意事項1.<鏡が汚れていないかチェック>

鏡が汚れていないかチェック

そして、なるべく患者さんに喜んでもらえるようにお見せしましょう

注意事項2.<患者さんが喜ぶように見せる>

患者さんが喜ぶように見せる

ということです。

そこにエンターテイメントはあるのか?

ということを自問自答するわけです。

色々な方法がありますが、今回下記の例を使い、少し厳しめな感じでお話しますので、考え方がお伝えできればと思います。

下記の例とは、

‘虫歯はエアー乾燥させてから見せる。

CR治療後は唾液に濡れている状態で見せる’


ということです。

言うなれば、当然ですが、

CR治療が終わった面は唾液に濡れている方がきれいに見えるということです。

しかし時々、エアーをかけてから治療したCR部位を見せている方もいますよね。

なにを考えてそうしているかによるのですが、特に何も考えていないという場合は、この先も読んでみて下さい。

虫歯を見せる時は、エアーをかけてここが虫歯ですよとお見せしますが、それは虫歯の場所や大きさを自覚して欲しくてよく虫歯が見えるようにエアー乾燥させてからお見せするわけです。

CR治療後の状態を患者さんへお見せしている目的はなんでしょうか?

私でいうと、

ほらきれいに治りましたよ、と伝えるためです。

きちんと治療出来ているかは、患者さんに見せる前に、それこそその時は、エアー乾燥させてきちんと確認しておりますので、見せるときは、

喜んでもらう為に見せるわけです。

わざわざエアー乾燥させる行為というのは、少し厳しいかもしれませんが、‘桐の箱’をわざわざ‘紙の箱’に変える行為のように思います。

もしくは、箱から出して網に入れて渡すという例の方が、御理解いただけるかもしれません。

もしもそんな店員さんがいたらどう思いますでしょうか?

そのお店の店長さんは「おーいなにやってんの!」

となるかと思います。

想像ですが、

そのマスクメロンを作った方もそう思うでしょう

食物を育てるのは大変ですよね。何年も忍耐のかかる所業です。

そして、何万円もするマスクメロンといったらその最高峰かと思います。

<高級マスクメロンは桐の箱に入っている例2>

高級マスクメロンは桐の箱に入っている例2

わざわざ桐の箱に入れてあるのに、簡単に網に入れて渡したら、生産者からしたら「ちょっと!なんてことするの!」となるわけです。

中身にしか興味がない人もいるかもしれませんが、そういった方は何かを提供してお金をもらう職業はあまり向かないかもしれないとまで私は思ってしまいます。

これから、ロボットに出来る仕事は淘汰されていくなどという話もありますが、確かにそれならロボットにやってもらえばいいのです。

「いや、箱は食べれないし、持って帰るのは重いと思って・・」

という意見やエコで良いという人もいるかと思いますし、合理的と感じる部分もありますが

ただ、お客さんの満足度に寄与するといった点でいかかがでしょうか?

そして治療に話を戻すと、CR治療を終えた後、私は一度うがいしてもらい、そのまま鏡でお見せするのですが、別になにも無駄にしていないですね。

唾液もうがいの水も本来必要なものですから、エコじゃないわけではないですし、わざわざエアー乾燥させる時間もいらないわけなので、合理的であると思います。

普段、口腔内は唾液で湿潤状態であって、その少し濡れている状態が普段患者さんが見る状態なので、

それなら私はよりきれいに見えるように患者さんに見せて欲しいのです。

なので、

診療が混んでたりすると、あとは他のスタッフへ、「最後お見せして、次回の治療を説明しておしまいにしてください」と伝えて、私は次の患者さんの診療へ行くのですが

その時、私が去った後、後ろからエアー乾燥させている「シューッ」という音が鳴るのが聞こえると

私は思わず天を仰ぎます

心の中では、「NO〜」と思っていて、後ほど下記の内容をお伝えします。

プレゼントって包装しますよね。

<プレゼントは包装する>

プレゼントは包装する

それは相手に渡すものを、自分も大切にしているということを伝えるためです。

逆に考えると、相手が大切にしているものをプレゼントされるから、より相手から自分が大切にされていることが伝わり、嬉しく思うわけです。

だから、きれいに包装されたプレゼントをもらうと嬉しいのです。

私の治療も大事にしたい・もしくは患者さんに伝える人が私でない場合は、その方にも大事にしてもらいたいと思うのです。

アップル社のスティーブジョブズはパソコンやiPhoneの‘箱のデザイン’に異常にこだわるのだそうなのですが、

マスクメロンの‘桐の箱’もしかりなのです。

こういうところを大事に出来るかどうかは明確に差になって現れます

どうしても歯科は職人肌的な要素が多く、つい自分が満足出来る物を提供することに注力してしまいがちです。

それは立派な事ですし、患者さんにそれが伝わる事もあるでしょう。

しかし、自身の提供する医療をもっと大切にしましょう

そして患者さんにより喜んでもらいましょう

声を大にして言いたい気分になってしまうのです。

歯頸部CRの治療後など、とても患者さんが見やすいですし、わかりやすいですよね。

今までブログで書いてきた方法で歯頚部CR治療を行ない、今回の記事を念頭に置いて患者さんへ治療後をお見せいただければ、

必ず患者さんから感謝されます

是非お試しあれ、です。

最後におことわりをしておくと、

今回のブログはエンターテイメント的な内容に関してなので、

それぞれのやり方があり・正解はないです。別にエアー乾燥させてから見せてもいいのです。

ただそこに、より患者さんに喜んでもらえるように見せようと思っているのか?

が自問自答出来ているかということがお伝えたかったことです。

「伝え方が9割」という本もありますが、同じく治療でも伝え方が大事であり、

小手先のテクニックと軽んじることなく、この‘伝え方’についての考え方を日々の様々な臨床にも応用していただきたいと思います。

御自身の日々の臨床を‘桐の箱’に入れて、患者さんへ提供しましょう。

このブログをお読みいただいている、真面目で一生懸命で優秀な先生方の治療は、是非とも“桐の箱”に入れて患者さんへ提供してほしいと心から願う次第です。

<高級マスクメロンは桐の箱に入っている例3>

高級マスクメロンは桐の箱に入っている例3

これで、歯頚部CR治療の章はおしまいです。お疲れ様でした。次回から新章「コミュニケーション」について書いていきます。よろしくお願い致します。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


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posted by さけいくら at 12:21 | Comment(0) | CR治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月23日

CR治療27/28「まとめと治療後の鏡での見せ方の大事さについて」



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「CR治療」

歯頸部CR治療の章をずっと書いてきまして、記事数が今回で27記事と多くなりすぎた感があります。

途中途中にまとめの記事を書きましたが、それでも全体像がわかりづらくなってしまったかと思います。

なので、総まとめの記事を今回書きます

逆にまとめ過ぎてしまう位にまとめたいと思います。

よろしくお願い致します。

「歯頸部CR治療の総まとめ」

1.前処置

CR治療14(どんな歯の面にCRはよく接着するのか?)



2.CR充填

CR治療15「歯頸部CR充填、第一段階(まずフローCRで歯肉側マージンをすべて充填しよう)」

CR治療16「歯頸部CR充填の第二段階1:‘色’について」

CR治療17「歯頸部CR充填の第二段階の‘形’について」

CR治療18「歯頸部CR充填の第二段階の実際の手技、フローCRの賦形の仕方」

CR治療19「歯頸部CR充填のまとめと問題点」



3.形態修正

歯頸部CR治療20「CR充填後の形態修正の流れ」

歯頸部CR21「形態修正(スーパーファイン当てる角度について)」

歯頸部CR治療22「形態修正(スーパーファインの当て方・動かし方)」

歯頸部CR治療23「形態修正第一段階、歯肉側マージン部完了」

歯頸部CR治療24「形態修正:カーボランダムポイントで隅角部の形態修正を行なう方法」

歯頸部CR治療25「形態修正:カーボランダムポイントでベベル部を形態修正する方法」




4.研磨

歯頸部CR26「研磨」

です。

それぞれにブログの題名リンクを貼っておきます。

次に5.といいますか、CR治療が終わった後患者さんに手鏡でお見せしますが、この時も大事なことがあります。

といいますか、この5.治療後を患者さんに見せる、

ここなのです。ここが分かれ目になると言っても過言ではないです。

今までCR治療についてたくさん書いてきましたが、言うなればそれは患者さんからしたら

‘出来て当たり前’

となってしまいます。

確かに、少なくともブログの通りに行えばドクター間で、そんなに差は出ないです。

差が出るのはこういうところ、ということでこの「5.治療後を患者さんに見せる」をあつく書きましたらずいぶん長くなってしまったので、次回に続きます。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 17:10 | Comment(0) | CR治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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