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心よりお礼申し上げます。

→動画「CR治療」
前回まで、CR充填に入る前の前処置について書いてきました。
CR治療のカテゴリの前回の記事にまとめてありますので、是非ご覧いただけるとありがたいです。
ではいよいよCR充填の項目を今回より書いていきたいと思います。
まず、CR(コンポジットレジン)には、ペーストタイプとフロータイプがあります。
<ペーストタイプ>

<フロータイプ>

以前の記事にも書きましたが、フロータイプのCRを使えると便利なので、今回はフロータイプで歯頸部CR充填をする方法をお伝えしようと思います。
充填方法は2段階に分けて充填していきます。
下の写真はWSD(楔状欠損)の歯の断面図です。
<WSD歯の断面図>

以下
絵にして御説明していきます。下からの写真をみてみて下さい。
<歯頸部CR充填の第一段階>
<歯頸部CR充填の第二段階>
です。
なぜ二段階に分けるかと申しますと、一気に全部充填しようとすると、フロータイプのCRは流れてしまいその場に留まらないので、細かい形作りが出来ないからです。
なので、第一段階の時点で、一度光照射をしてCRを固め、それから第二段階で、細かい色や形の調節をして固めるという二段階方式で充填をします。
これは、別に必ず二回で詰めなければならないというわけではなく、3回、4回と少し盛っては光照射して固めるというのを繰り返してもいいです。
私も窩洞が大きかったり、CRに細かいグラデーションをつけたい場合などは、3回、4回に分けることも多いです。
ただ、一回で充填するのは、フロータイプの場合、お勧め出来ないということです。
CR充填は積層充填などするわけですから、数回に分けて充填してもいいわけです。
無理をする必要はないと思います。
では、CR充填の第一段階について、お話ししていきます。
第一段階では二つの約束事があります。
一つ目の約束事としては
1.一回で充填しようとしない
ということです。
そして、大事な二つ目の約束事があります。
それは、
2.第一段階の時点で歯肉側のマージン部分は全てフローを流すということです。
<第一段階で歯肉側のマージン部分はすべてフローを流す>
どういうことかと申しますと、例えば第一段階にて、下のような充填をしてしまったとします。
<失敗例:第一段階の充填で歯肉側マージンを充填していない>
なぜ失敗なのか?このまま第二段階の充填としてフローCRを流したとします。
<失敗例:第二段階の充填で気泡が入る>
歯肉側マージン部にCR充填されてませんので、歯がしみたり、歯茎が腫れたりします。
しかも
見た目ではわかりません。外から見るとCR充填されているように見えます。
<失敗例:外から見るとわからない>
ですから、第一段階の時点で歯茎側のマージンは、出来るだけ過不足なくフローを流しきりましょう。
<歯茎側マージンに出来るだけ過不足なくフローCRを充填する>
出来るだけ過不足なくと言ったのは、多すぎると溢れてしまいますね。
<第一段階にフローCRを流す量が多いと溢れてしまう>
ですから私の第一段階のCR充填の方法をご紹介します。
@まず、いきなりマージンにフローCRを流しません。少し離れたところに流します。
<第一段階:@少し離れたところにフローCRを置く>
Aそして、探針でCRを延ばしてきてマージンに充填します。
<第一段階:A探針でCRをチョイチョイと延ばしてきてマージンに充填>
いきなりマージンにフローを流すのも気泡が入ってしまう原因になります。
ご紹介した方法であれば、歯肉側マージンへの気泡は入りませんし、充填量も探針で少しずつ必要量充填することができます。
歯肉側のマージン部分は全てフローを流した状態で、光照射して固めます。
<歯頸部CR充填第一段階完了>
これにて、歯頸部CR充填第一段階は完了です。
この際、足りないよりも、フローCRがマージンから少し溢れるくらいが良いです。
溢れた分は、後ほど「形態修正」の項でどのように修正するかを説明致します。
次回は、CR充填の第二段階について記事にします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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