この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。

→動画「CR治療」
前回、ボンディング処理についてお話ししました。
そしてそのボンディング処理をする歯の面はどんな歯の面がCRがくっつきやすいのでしょうか?
これは接着に関しての論文などを読むとわかります。
論文とは問題提起(緒言)をして、実験方法、実験をした結果を考察するといった形式が多いのですが、このうちの
実験方法の項をよく読みますと、、
大抵、CRとの接着試験をする歯面は、カーボランダムポイントで粗研磨、もしくは虫歯除去を想定してラウンドバーで一層削っています。
ボンディング材を作る企業も、当然虫歯で削ったところにCRを接着させるのがCR治療ですから、同じくバーで虫歯を削った後の歯の面を想定していると思います。
それに対する何々メガパスカルの接着強さという実験結果であって、その結果が得たいと思ったら、歯面の状態も同じようにするのが道理ですよね。
なので当然虫歯は取り切ります。
では、こんな症例の場合はどうでしょうか?
下の写真を見てみてください。
<虫歯のないWSD>

虫歯ではないので、何もせずにボンディングを塗布するでしょうか?
少ししみるかもしれませんが、同じく粗研磨してから充填することを接着を考えた場合は、お勧め致します。
よくあるのはこんな症例です。

この場合、虫歯は当然取りますが、虫歯でない部分も粗研磨しましょうということです。
しみる場合もありますし、時には麻酔が必要になる場合もあります。
色々な意見がおありになるかと思います。
ただ、以前メーカーに問い合わせたところ以下の言葉をもらいました。
メーカー名は伏せますが、
「接着のためには、一層粗研磨する事をお勧めします」
とのことでした。
やり方としては、まず粗研磨する時間はほんの少しです。
私は患者さんへ、「一層磨きますね、ちょっとゴトゴト(コントラなので)します。少ししみるかもしれませ〜ん。」
と言い終わる時には、もう済んでます。
圧力もかけず、CR充填箇所を一回カーボランダムポイントかラウンドバーで、‘なでる’だけというイメージです。
さて、これでCR充填前の前処置についての記事についてはおしまいです。
ここで、CR充填の前の歯の状態をまとめたいと思います。
1.虫歯は全て取り切る→CR治療8「歯頸部CR治療1(充填前の歯の状態、硬化象牙質除去について)」
<黒いところは全部取りきる>

2.CRを充填する箇所は全て、カーボランダムポイントもしくはラウンドバーにて粗研磨する→今回
3.審美性を考慮してベベルを形成する→CR治療10「歯頸部CR治療3(ベベルの形・量についての考え方)」
<べベルをつける>

4.きちんと防湿する→CR治療11「歯頸部CR充填の前処置(防湿)」
<防湿>
5.使用するボンディング材の説明書をよく読み、使用方法を尊守してきちんと‘樹脂含潤層’もしくは、‘ナノインタラクションゾーン’を作る
→CR治療13(接着とは?ボンディング処理、樹脂含潤層を作ろう)
<樹脂含潤層>

上記の事を行なってから、CR充填に入るというのが長期的にも審美的にも良好なCR治療になると私は考えるという話でした。
お勧めです。上記の通り、前所置を済ませば、ほとんどCRが外れることはなくなります。
是非お試しあれ、です。
では今度は綺麗にCRを詰めなければなりませんよね。
そして、いよいよ次項よりCR充填に入ります。
がその前に次回は、「思考編」をはさみたいと思います。
久しぶりの「思考編」です。思考編を結構楽しみにしていただいている方も多いようで、「最近、思考編は書かれないのですか?」や「僕は思考編も好きです」といった嬉しい御連絡をいただくことがあります。
私も「思考編」、好きですし、大事だと思っています。
次回の思考編の題は、
「ありがとうを集めよう」
です。
お楽しみにしていただけると嬉しいです。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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