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2016年05月31日

CR治療14/28(どんな歯の面にCRはよく接着するのか?)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「CR治療」


前回、ボンディング処理についてお話ししました。

そしてそのボンディング処理をする歯の面はどんな歯の面がCRがくっつきやすいのでしょうか?

これは接着に関しての論文などを読むとわかります。

論文とは問題提起(緒言)をして、実験方法、実験をした結果を考察するといった形式が多いのですが、このうちの

実験方法の項をよく読みますと、、

大抵、CRとの接着試験をする歯面は、カーボランダムポイントで粗研磨、もしくは虫歯除去を想定してラウンドバーで一層削っています。

ボンディング材を作る企業も、当然虫歯で削ったところにCRを接着させるのがCR治療ですから、同じくバーで虫歯を削った後の歯の面を想定していると思います。

それに対する何々メガパスカルの接着強さという実験結果であって、その結果が得たいと思ったら、歯面の状態も同じようにするのが道理ですよね。

なので当然虫歯は取り切ります

では、こんな症例の場合はどうでしょうか?

下の写真を見てみてください。

<虫歯のないWSD>

虫歯のないWSD

虫歯ではないので、何もせずにボンディングを塗布するでしょうか?

少ししみるかもしれませんが、同じく粗研磨してから充填することを接着を考えた場合は、お勧め致します。

よくあるのはこんな症例です。



WSD虫歯

この場合、虫歯は当然取りますが、虫歯でない部分も粗研磨しましょうということです。

しみる場合もありますし、時には麻酔が必要になる場合もあります。

色々な意見がおありになるかと思います。

ただ、以前メーカーに問い合わせたところ以下の言葉をもらいました

メーカー名は伏せますが、

「接着のためには、一層粗研磨する事をお勧めします」

とのことでした。

やり方としては、まず粗研磨する時間はほんの少しです。

私は患者さんへ、「一層磨きますね、ちょっとゴトゴト(コントラなので)します。少ししみるかもしれませ〜ん。」

言い終わる時には、もう済んでます

圧力もかけず、CR充填箇所を一回カーボランダムポイントかラウンドバーで、‘なでる’だけというイメージです。

さて、これでCR充填前の前処置についての記事についてはおしまいです。

ここで、CR充填の前の歯の状態をまとめたいと思います。

1.虫歯は全て取り切るCR治療8「歯頸部CR治療1(充填前の歯の状態、硬化象牙質除去について)」

<黒いところは全部取りきる>

黒いところは全部取りきる

2.CRを充填する箇所は全て、カーボランダムポイントもしくはラウンドバーにて粗研磨する今回


3.審美性を考慮してベベルを形成するCR治療10「歯頸部CR治療3(ベベルの形・量についての考え方)」

<べベルをつける>

べベルをつける

4.きちんと防湿するCR治療11「歯頸部CR充填の前処置(防湿)」


<防湿>

防湿

5.使用するボンディング材の説明書をよく読み、使用方法を尊守してきちんと‘樹脂含潤層’もしくは、‘ナノインタラクションゾーン’を作る
CR治療13(接着とは?ボンディング処理、樹脂含潤層を作ろう)


<樹脂含潤層>

樹脂含潤層

上記の事を行なってから、CR充填に入るというのが長期的にも審美的にも良好なCR治療になると私は考えるという話でした。

お勧めです。上記の通り、前所置を済ませば、ほとんどCRが外れることはなくなります

是非お試しあれ、です。

では今度は綺麗にCRを詰めなければなりませんよね。

そして、いよいよ次項よりCR充填に入ります

がその前に次回は、「思考編」をはさみたいと思います。

久しぶりの「思考編」です。思考編を結構楽しみにしていただいている方も多いようで、「最近、思考編は書かれないのですか?」「僕は思考編も好きです」といった嬉しい御連絡をいただくことがあります。

私も「思考編」、好きですし、大事だと思っています

次回の思考編の題は、

「ありがとうを集めよう」

です。

お楽しみにしていただけると嬉しいです。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:29 | Comment(0) | CR治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月26日

にほんブログ村の歯科医人気ランキングのPVアクセス順1位になりました。



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

な、な、なんと今朝ブログを開いたら

にほんブログ村の歯科医人気ランキングのPVアクセス順で1位になっておりました

<アクセス順ランキング>

アクセス順ランキング

また下がるかもしれないので、今のうちにブログで報告しておこうと思いました。

PVアクセスとは、P=ページ・V=ビューの閲覧数ということで、この「インターネット歯医者さん」の記事ページがどれほど読まれているか、ということです。

それで、1位というのは、正直、涙が出るほどうれしいです。

いつもブログをお読みいただいている皆様のおかげです。

ありがとうございます

これからも頑張りますので、どうぞ何卒よろしくお願い申し上げます。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:58 | Comment(0) | 日本ブログ村 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

CR治療13/28(接着とは?ボンディング処理、樹脂含潤層を作ろう)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「CR治療」


前回、歯頸部CR治療はCR(白い詰め物)が外れやすいというお話をしました。

詰めたものが外れると患者さんの信頼が揺らぎますね。

だからCR(詰め物)の接着力を高めるよう留意しましょう、ということでした。

そのためにきちんとした防湿が必要ですし、そもそもCRはなぜ歯にくっつくのか?ということを知る必要があります。→防湿について

さて、防湿が済んだ後、CR充填をする前に行なう事がありますね。

前回のブログでもお話しましたが、ボンディング塗布光照射です。

<ボンディング塗布>

ボンディング塗布

<光照射>

光照射

合わせてボンディング処理ということも多いです。

この時に何が起こっているのかをきちんとおさらいしましょう。

ポイントは、、

‘樹脂含潤層(じゅしがんじゅんそう)’

<樹脂含潤層>

樹脂含潤層

他には、‘ナノインタラクションゾーン’

<ナノインタラクションゾーン(NIZ)>

ナノインタラクションゾーン(NIZ)


と呼ばれる、

これら歯面とCRの間に介在する層です。

そもそも接着とはどういうことかといいますと、あるものAとBの両方にくっつく(接着する)Cを間に挟むということです。



A、B両方にくっつくCを介在させる

CR治療では、Aが歯面BがCR(コンポジットレジン)

そしてCが樹脂含潤層商品名Gボンドというボンディング材が作るナノインタラクションゾーンとなります。

<歯面とCRの間に樹脂含潤層が存在>

歯面とCRの間に樹脂含潤層が存在


<歯面とCRの間にナノインタラクションゾーンが存在(赤丸がNIZ)>

歯面とCRの間にナノインタラクションゾーンが存在(赤丸がNIZ)


この樹脂含潤層やナノインタラクションゾーンがなければCRは歯とくっつかないですし、

この歯とCRの間に介在する、樹脂含潤層やナノインタラクションゾーンをしっかり作ることがCRの接着力を高めることになります。

そして、これらの介在する層の材料となるのが、最初の写真にでてきました、‘ボンディング材’です。

このボンディング材をCRを充填する前に歯の面に塗って、エアー乾燥させた後、光照射をすることによって、

樹脂含潤層やナノインタラクションゾーンが出来ます

しかし、しっかり出来るかどうかは

ボンディング材を塗る前の歯面の状態塗り方エアーのかけ方塗布している時間などによっても変わってきます。

はたまたボンディング材の種類によっても、最適なボンディング処理の仕方は違ってきます。

しかし、勤務医の先生方はわかるかと思いますが、たいてい医院においてあるボンディング材は1種類か2種類だと思います。

そこで、

その医院においてあるボンディング材のことだけに関しては、

まるで博士のように詳しくなりましょう

たとえば、ボンディング材の商品説明書には目を通しましょう。

そしてそこに書いてあります。

塗り方も塗布時間もエアー乾燥の仕方も・・

<説明書例:Gーボンドプラス>

Gーボンドプラス

このボンディング材で適切なボンディング処理の仕方

つまり適切な樹脂含潤層や商品名Gボンドであれば、ナノインタラクションゾーンの作り方が載ってます

これを尊守しましょう。

いくら教科書的な事以外に焦点を当てている、「インターネット歯医者さん」でもこの使用方法は尊守します。

なぜなら、

たしかに、商品説明書は難しく読んでもよくわからない、成分は書いてあってもどのようにどんな割合でその成分が配合されているかはわかりません。

それもそのはず、おそらく企業秘密だからです。

特許は取っていても、全部公開していたらその情報を他企業に利用されてしまいます。

なので、結局フワッとさせているのだと思います。(語弊がありましたらすみません)

また、

よく、接着力が何メガパスカルなどとデータが載っていますが、どの製品もうちが一番です的なことが書いてあるので、それもうーんと思ってしまいます。

しかし、

使用方法だけはウソ偽りないはずです。

これらは膨大な研究や実験の結果であり、企業からすれば、社運をかけた文書になるはずだからです。

使用方法を間違えて説明書に書いてしまったら、使った歯科医師の先生方があのボンディング材はよく外れるとなってしまい、企業からすると大変ということです。

ですから、使用方法だけは尊守です。

それだけで、ずいぶんCRの接着力は増します

是非お試しあれ、です。

しかしそれだけでは満足されない勉強熱心な先生やご開業されていて、御自身でCR治療を行う際のボンディング材をさまざまな種類があるうちから選ばなければならないといった先生方のために、

専門的な話になりますが、選ぶ基準となる学術的なことについて後ほど記事を書きたいと思います。

現在まとめていますので、しばしお待ちください。

さて、突然ですが、

先の文書を引用します。

ボンディング材を塗る前の歯面の状態や塗り方、エアーのかけ方、塗布している時間などによっても変わってきます。

と先ほど書きました。

今回はCRを接着させるために使用方法について、説明書をよく読んで使用方法を尊守しましょうなんてことを書きましたが、上記の要件で、一つ載っていないことがあります。

それは、‘ボンディング材を塗る前の歯の状態’です。

どんな歯の面にCRがくっつきやすいのでしょうか?

それを次回は書きたいと思います。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:18 | Comment(0) | CR治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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