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2016年02月25日

虫歯の削り方4/10(軟化象牙質を削っているときと健全象牙質に当たった時の感覚の違い)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「虫歯除去」


前回は虫歯を削る際のバーの種類と順番をお伝え致しました。

今回は、実際に削ったときのお話をしていきたいと思います。

まず、タービンコントラハンドピースという、そもそもバーをつける道具の違いから御説明します。

<タービン>

タービン

<コントラハンドピース>

コントラハンドピース

タービンは形が長くスマートです。対してコントラハンドピースは形が短く、少し太いです。

良く歯科医院にて、チュイーンと鳴っているのがタービンです。対してコントラハンドピースはシューという音で、やられている時はゴトゴト振動を感じます

昔私が子供の頃、歯科で治療を受けている時は、チュイーンと削る道具は怖くて、ゴトゴト削る道具に変わると安心したという記憶があります。

実は、歯科医師は2種類の削る道具を使い分けているのです

どう違うかと言いますと、回転数が主に違います。

タービンの回転数は40〜50万回転、コントラハンドピースは早くて3万回転です。

10倍以上も違いますね。

どう使い分けるかというと、虫歯の除去に関してですが

タービンはエナメル質部分の削除

コントラハンドピースは軟化象牙質部分の削除

に私は使用します。

タービンならなんでも削れるのだから、タービンを使用して全ての虫歯を除去される先生もいらっしゃると思います。それはそれで削れるのだから良いと思います。

ただ、私の方法もお勧めなので、お伝え致します。

まず私の虫歯除去にて、‘肝’となるのが、コントラハンドピースにラウンドバーをつけて軟化象牙質を削って行く時の手指に伝わる感覚です。

<コントラハンドピースにラウンドバーをつける>

コントラハンドピースにラウンドバーをつける

<伝わる手指の感覚>

伝わる手指の感覚

軟化象牙質は柔らかくて、健全象牙質は硬いです。この違いがタービンですとわかりづらいのです。

下の写真の<軟化象牙質の断面図>を例にまずは軟化象牙質の除去について御説明致します。

<軟化象牙質の断面図>

軟化象牙質の断面図


こちらをコントラハンドピース+ラウンドバーで削って行くと、軟化象牙質は柔らかくドンドン削れますが、健全象牙質に当たると硬くてあまり削れなくなります。

<軟化象牙質はドンドン削れる>

軟化象牙質はドンドン削れる


掘り進めていくと、健全象牙質に当たりますが、そこはコントラハンドピース+ラウンドバーですと、硬くてあまり削れなります。

ただ、健全象牙質は削る必要はないので、削れなくて良いわけです。

<コントラハンドピース+ラウンドバーだと健全象牙質は硬くてあまり削れない>

健全象牙質は硬くてあまり削れない

軟化象牙質を削っていき、コツッと健全象牙質に当たる

軟化象牙質を削っている時と健全象牙質に当たっている時の感覚の違い

この感覚を身に付けることをお勧め致します。

タービンですとこの違いがわかりづらいのですが、コントラハンドピースですと、この違いは明白ですので、是非お試しあれです。

感覚の違いを感じるコツは、少し圧をかけて軟化象牙質を削っていくことです。


どのくらいの圧力をかけて軟化象牙質を削っていくのか?

回転数はどのくらいにするのか?

ちゃんと虫歯がとれているのか?


虫歯検知液を使用して確認しながら、御自身が使っているユニットのパワーによって色々試してみていただければと思います。

ちなみに私は、コントラハンドピースの回転数最大でいきます。

普段使っているユニットの種類、コントラハンドピースのパワーや回転数は皆様方で様々ですが、軟化象牙質の硬さや健全象牙質の硬さは人間大差ありません

是非とも歯科医師として、それらを削っている時の手指の感覚をインプットしてみてください。

必ず役に立ちます。是非お試しあれです。

次回より、今回の記事内容をふまえ、虫歯除去を3段階に分けて御説明していきたいと思います。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 08:39 | Comment(0) | 歯の削り方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月23日

虫歯の削り方3/10(使用するラウンドバーの種類と使用する順番)



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今回は動画もあります。是非ご覧くださいませ。
動画「虫歯除去」


前回は虫歯の進行の仕方、削る際に使うバーはラウンドバーが良いと思います。というお話をしました。

そして、私は下の写真の種類のバーを使用します。

1.小さいラウンドバー(タービン用)

小さいラウンドバー(タービン用)

2.大きいラウンドバー(コントラハンドピース用)

大きいラウンドバー(コントラハンドピース用)

3.小さいラウンドバー(コントラハンドピース用)

小さいラウンドバー(コントラハンドピース用)

ではどの順番で使用するでしょうか?

といった問いで前回は終わりました。

今回はその続きになります。

先に答えをお伝えします。

私なりの答えは、

1.<小さいラウンドバー(タービン用)>

2.<大きいラウンドバー(コントラハンドピース用>

3.<小さいラウンドバー(コントラハンドピース用)>

です。最初の写真の順番通りに使用していきます

1.はエナメル質部分を削る際に使用します。

<エナメル質部分の虫歯>

エナメル質部分の虫歯

2.は大まかに軟化象牙質を削る際に使用します。

<軟化象牙質>

軟化象牙質

3.は2を使用した後、残った軟化象牙質を削る際に使用します。

<軟化象牙質の大きいラウンドバーでは取れない部分>

大きいラウンドバーでは取れない部分

そして、上の道具を使用して虫歯を削っていくわけですが、実はその時の手指の感覚がとても大事になります。

<虫歯を削る時の手指の感覚>

虫歯を削る時の手指の感覚

次回、その「削っている時の手指の感覚」についてから、詳しく説明して行きたいと思います。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 07:19 | Comment(0) | 歯の削り方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月18日

虫歯の削り方2/10(虫歯の進行の仕方)



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動画「虫歯除去」

早く正確に虫歯を削るためには‘虫歯の進行の仕方’を学ばねばなりません。

国家試験の勉強などでも、すでにご存知の先生方は多いかもしれませんが、

どういう風に虫歯が広がっているのかを知ると虫歯除去も早くなります

なので、今一度おさらいをさせていただこうと思います。

まず下の写真を見ていただければと思います。虫歯の断面図です。

<虫歯の断面図>

虫歯の断面図


専門用語ですが、‘う蝕円錐’という言葉があります。

それは下の写真のように、虫歯が円錐状に進行する様を示した言葉です。

<う蝕円錐>

う蝕円錐

このように虫歯は進行します。

虫歯菌は

歯の表層のエナメル質は硬い為、小さい穴から歯に侵入し、象牙質まで到達すると、象牙質は柔らかい為横に広がります。

虫歯は表面は小さい穴から侵入して、中で広がっているとお考えいただければとよろしいかと思います。

<虫歯は中で広がる>

虫歯は中で広がる

当然といえば当然ですが、歯科医師は、この事に留意して虫歯を取らなければなりません

さて、どんなバーを使用して虫歯を除去するべきでしょうか?

答えは‘ラウンドバー’ですね。

<ラウンドバー>

ラウンドバー

中で広がっている虫歯を取るのに最適な形状です。

<中で広がっている虫歯を取る際にラウンドバーが良い>

中で広がっている虫歯を取る際に最適

なぜ、ラウンドバーが都合が良いのか?についてもう少し追記したいと思います。

それは、形状もありますが、一番の理由は、虫歯を取る時の‘タービンやコントラハンドピースの動かし方’にあります。

虫歯は横に広がっているわけなので、タービンを傾けて除去しなければなりません。

<中で広がっているいる虫歯を取る際にタービンを傾ける>

タービンを傾ける

この際にラウンドバーでないと、余計なところを削ってしまうからです。

下の写真を見てみて下さい。矢印の箇所が余計なところです。

<ラウンドバー以外だと余計なところを削ってしまう可能性がある>

余計なところを削ってしまう可能性がある

長いバーを使用すると、隣接歯舌や頬を傷つけてしまうリスクも増えますね。

なので‘ラウンドバー’を使用するのです。

ただ、歯科医師の先生ならば、虫歯除去の際ほとんどの先生は‘ラウンドバー’を使用するかと思います。

では次回より詳しく、私の虫歯除去をお話していきますが、

ラウンドバーにも種類があります。

私は大きく分けて下の3種類のラウンドバーを使用します。

<小さいラウンドバー(タービン用)>

小さいラウンドバー(タービン用)

<大きいラウンドバー(コントラハンドピース用)>

大きいラウンドバー(コントラハンドピース用)

<小さいラウンドバー(コントラハンドピース用)>

小さいラウンドバー(コントラハンドピース用)

です。

これらのバーをどの順番で使用するでしょうか?

次回までにお考えいたいただけると面白いかもしれません。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 10:50 | Comment(0) | 歯の削り方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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