この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。
2016年、新年最初の記事になります。結構気合いの入った記事になりました。是非、最後までお読みいただけるとうれしいです。
今回は
動画もあります。是非ご覧くださいませ。
→
「インターネット歯医者さん〜実践編〜」前回の技術編にて、
「銀の詰め物(インレー)を除去する方法」について書きました。
おさらいをされる場合は、こちらから→
「インレー除去」今回は、
「銀の被せ物(FMC)を除去する方法」です。
<被せ物>
被せ物の除去はドクター間であまり違いはないかと思います。
ようは
半分に切って、割って取ります。
どういうことかと申しますと、まずは半分に切ります。
<半分に切る>
そして、ドライバーをかけて回転させとります。
<ドライバー>
<ドライバーをかけ回転させる>
すると
両方とももしくは、片方が取れます。
<片方が取れる>
両方とも取れたら除去終了なのでいいですね。
片方だけ取れた場合、残った片割れはどのように取るかと申しますと、
除去バーを
下から上にかきあげるように動かし、下写真の→の方向に進めていくと、
<下から上にかきあげるように動かす>
取れます。
<除去完了です>
ここまでが、通常の除去の仕方かと思いますし、私もそのようにしますが色々と留意していることがあります。
それらを下記に加えたいと思います。
まず
最後まで半分に切らないで、途中で切るのをやめ、ドライバーをかけるやり方もありますね。
<切りきらずに少しつながっている部分を残す>
<冠内面から見ると>
このままドライバーをかけて回転させると、
うまくいくと全部一気に取れます。早いです。
しかし私はこの方法をあまりとりません。
なぜかというと、
2つ理由がありまして、
まず取れる時と取れない時があるからです。
そういうのを考えるのが面倒なのです。とれるかな、とれないかなと思いながらドライバーをかけるより、
下の写真の矢印の部分の、このほんの少しのところを切り切れば、半分は確実にとれるわけです。
<少し残している部分>
残っている半分はすぐ取れますので、私はこの向こう岸まで切りきるという方法でよしとしてます。
まあこれは性格的な面もあるのかもしれませんが、次の理由は少し皆様も留意された方がよろしいかと思います。
向こう岸まで切りきらず、ドライバーをかけて外す場合、
結構な力をかけることになります。
少なくとも、向こう岸まで切りきった状態よりも、力をかけなければなりません。
ここで少し怖い事を申しますと
「被せ物を外す時に、隣の歯にヒビが入った」と訴える患者さんがいらっしゃるのをご存知でしょうか?
歯にヒビが入ったら、麻酔をしていない場合、飛び上がるほど痛いと思いますので、
おそらくそんな事は起こっていないはずです。しかし
エナメルクラックといってエナメル質に‘元々’微小な亀裂のようなものが入っているのを歯医者の先生ならご存知だと思います。
<エナメルクラック>
普段気づいていたり、気にしている患者さんはほとんどいません。
しかし、患者さんは
「この前、被せ物を外す時に結構力がかけられたな。ちょっと見てみよう」と思い、
‘エナメルクラック’を見つけたなら大変です。
「あの被せ物を外す時にやったにちがいない!なんでもない歯に傷をつけられた!あの歯医者め!」となるわけです。
患者さんからの訴えがあってから、いやこれはエナメルクラックといって元々あるんですよ、なんて言っても信じません。元々はなかった、自分の体なのだからわかります、となります。
あったのか、なかったのかその証拠がない場合は問題となります。
私は、
自分のところで1件ありましたし、他の医院でもあったという話を2件は知っています。
私の場合は、たまたま除去の前に前歯の写真を撮っていたので、すみませんと患者さんはなりましたが、
大きい問題となったのを一件知っています。
皆様気をつけましょう。
対策としては、
1.口腔内写真を撮る2.隣接をスライスカットしておいてからドライバーをかけるなどありますが、
忙しい臨床の中、除去する度に、中々その時間はとれないかと思います。
なので、私は
あまり除去時に力をかけない為に、向こう岸まで切りきるのです。
そして、臨在歯にエナメルクラックを見つけた場合は、
除去に入る前に必ず患者さんに鏡で見せて、
「これはエナメルクラックといって、元々あり、問題ないものですからね。」と言うようにしてから除去にかかるようにしています。
是非お試しあれです。
また、
歯茎部マージン(補綴物の境目)まで切りきる際の注意事項ですが、
下の写真を見てみて下さい。
<除去時のグルーブの位置がフィニッシュラインより上>
<除去時のグルーブの位置がフィニッシュラインにある>
どちらが良くないでしょうか?
当然、下の写真のように、除去時のグルーブの位置がフィニッシュラインにかかる方が良くないです。
<フィニッシュラインとは>
フィニッシュラインより上は、凸凹していてもセメントでふさがりますし、先に述べたように維持力を増やす為のグルーブととれなくもないです。
しかし、
フィニッシュラインが凸凹していると適合は悪くなりますし、
レジンコアなどで埋めて、模型上きれいな形成になったとしても、マージンはレジンコアになってしまいますね。
補綴物の境目は‘歯’であることが望ましいです。
また、
出来るだけ除去時のグルーブは避けたいものです。
なので、フィニッシュラインに除去時のグルーブがつかないようにする為、
1.削りはじめるのは、グルーブがついてもいい場所からです。
2.そして、なるべくグルーブ自体つかないようにする為には、視野のとれる見えやすいところから除去を開始しましょう。
どういうことかを写真をつけて説明します。
<まず、削りはじめるのは、フィニッシュラインより上部で、見えやすいところから>
そして削っていくと、下の写真のようにほんの少し、中身の歯が出て来ます。
<ほんの少し中身の歯が見えてくる>
この瞬間を逃さないようにしましょう。
あとは、この
中身の見える部分をつなげていくように、除去を行なうと、グルーブをつけずに除去をすることが出来ます。
<除去完了>
是非お試しあれ、です。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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posted by さけいくら at 11:36
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補綴物除去
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