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→動画「インレー形成」
前回まででインレー形成の「フレアー形成」が終わりました。
今回は「側室形成」についてです。
側室とは、教科書的には補助的保持形態として、下の写真のように形成をすることです。
写真の階段のようになっているところが‘側室’です。
<側室>
では、先程ほど補助的保持形態ともうしましたが、保持的保持形態とはなんなのかということですが要はインレーが、
よりインレーが外れなくなるように
つける形態です。
保助的と書いてありますので、つけなくても外れないと判断したならばつけなくても良い、というのが私の意見です。
なぜなら、側室をつけると歯を削らなければならないですし、インレーが神経に近い位置に来ますので、後ほど歯がしみたりします。
<側室をつけるとその分インレーが神経に近い位置にくる>
インレーは金属の場合、熱を通しますので、その刺激が神経へ伝わりやすくなってしまうのです。
ただ、保持部分が少なく、外れそうなインレー形成の場合はもちろん側室をつけます。
保持、つまり外れやすいか外れにくいかの目安は、以前のブログ記事「インレー形成2(設計)」でも書きましたが、一つの目安として
‘頭の中でひっくり返してみる’
です。ポロっと落ちそうであれば、保持部分を追加する必要があります。
また、落ちなさそうであればそのまま側室をつけずにインレーを作ります。
たとえば、それでやっぱり外れるという時になってはじめて側室をつけるといったぐあいでも私は良いと思っています。
患者さんの歯はなるべく削りません。
そして外れてもそれが経験になります。治療の精度が上がりますよね。それで良いと思います。
やってみるとわかりますが、側室がなくてもきちんと咬合面形成やスライスカットが出来ていれば、インレーが外れてくる事はほとんどありません。
そうなるとなにも経験せず、側室形成で歯を削っていた場合はそれは無駄になるわけです。
歯は再生しないので、削った部分はもう一生元に戻りません。
なので、患者さんの歯はなるべく削らない方向で、経験を積む事をお勧めします。
そんななるべく歯を削らない方向の私も側室を付与することがあります。
一つは、先程書きましたように保持部分が少ない時です。
たとえば、元々インレーが入っており、そこの境目から虫歯になった場合、昔のインレーを外して、虫歯をとって、再度インレーを作らなければならないという場合も多々あります。
虫歯の位置や大きさ、元々のインレー形成の形などによっては
・スライス面のテーパー(角度)が緩い場合や
<スライスカットのテーパー(角度)が緩い(外れやすい)>
<スライスカットのテーパー(角度)がきつい(外れにくい)>
・咬合面形成がウネウネしていない場合があります。
<咬合面形成がウネウネしている(外れにくい)>
<咬合面形成がウネウネしていない(外れやすい)>
この外れやすい時に「側室」をつけます。
また、もう一つ側室をつける時があります。
それは次回お伝えします。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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