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2015年06月19日

歯周病予防3/4(ホームケア)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

前回のブログはどうでしたでしょうか?
バス法スクラッピング法について書かせていただきました。

実際やってみたでしょうか?しかし、本当に良く磨けているのかわかりませんよね。これで正しいのかは誰かにみてもらわないとわかりません

そこが今回のブログのテーマになります。

ホームケアとは、家で患者さんが毎日する歯のケアの事をいいます。

<ホームケア>

ホームケア

ただ、それが正しくケアされているかを医療者側が判断しなければなりません

医療者としての思考」でもお伝えしましたが患者さんそれぞれでお口の状態は違います。

歯並びが違えば磨き方も変わりますし、歯周病の進行度によっても違います。

フロスをすべきや歯間ブラシをここは使って下さいだったり、またはうがい薬を処方しようかなど、患者さん個人個人にとってホームケアというのはさまざまなわけです。

それらを相談して、患者さんにとって最適な家での歯のケアをお伝えする事を医療者はしなければなりません。

歯は毎日磨きますし、毎日お食事します。

たとえ、歯科医院で徹底的に歯の清掃をしたからとて、その日の夕飯を食べればまた歯に汚れはつくのです。

ですので、毎日のホームケアは大事ですし、それがきちんとなされているかやその方法が患者さん本人にとって最適な方法なのかを歯科医師側は判断しなければなりません。

では、どうやってそれらを判断していくのかと申しますと、一つの指標になるのが‘PCR表’(プラークコントロールレコード)です。

<PCR表>

PCR表

これは歯の面を六面にわけて、磨き残しがある部位に赤く色を塗っております。

汚れが残っているかどうかは‘染色剤’を使いましょう。

<染色剤>

染色剤

染色剤

上の写真をみていただくと一目瞭然です。赤くなっているところに磨き残しがあります。

そして見た通りにPCR表をつけていきましょう。

そしてカラーコピーして患者さんへ渡しましょう。

そうするとどこに磨き残しがあったのか患者さんもわかります。

そしてフィードバックです。

ココに磨き残しが多いようですので、こういった方法で磨いて下さいとお話しするわけです。

例えば

「歯と歯茎の境目に磨き残しがあるようです。」→バス法をお伝えする

「歯と歯の間が全体的に赤くなっています。」→フロス(糸ようじ)の使用を進める

といった具合です。

そして、この時話して終わりにしないで次回もう一回やりましょう。

そして2回目は、完全に磨けていなくても、褒めましょう前回に比べてこんなに良くなったという具合です。

例えば、

「前回この部位にこんなについていたのに、今回はなくなっています。例えば、前回から歯磨きを頑張らなければ、きっと今も汚れがつきっぱなしなっていたわけです。前回きて、がんばってよかったですね。」

といった感じです。

そうすると患者さんの中には

「先生、次もう一回やってもらってもいいですかね。」

と聞いてくる患者さんもいます。そうでなくても、褒められてやる気にならない人はいないので、まだ磨き残しがあるからダメ、やり直しとやるよりも断然良いのです。

そもそも、歯を完璧に自分で磨ける人など一割もいませんよね。

医療者はやる気にさせる事も大事だと思います。→「動機付け

少し動機付けのポイントをお伝えすると、

ポイントは、「最初は厳しく」例:このままだと、歯周病になってしまいますよ。など。

2回目は改善点があれば「褒めましょう」

3回目はしなくてもいいですが、「おしいですね。」です。例:「あとちょっとでしたね、ただ、大幅な改善がみられます。」など。

さて、先ほど完璧に歯を磨ける人はほとんどいないと書きましたが、それは当たり前です。

なぜなら、歯磨きをしている時自分の口の中は見れませんからね。

医療者側はそのことを念頭に置いておくと、心から褒められるし、患者さんに寄り添えると思います。

ではこれ何回やればいいの?ということですが、永遠続ければ患者さんは嫌になってしまいます。

やるのは二、三回までです。もちろん患者さんが望めばやりますが、回数よりも大事な事があります。


歯磨きの是非は、‘知る、知らない’に大きく左右されます

それは前回のブログのように正しいブラッシング方法をお伝えします。

しかしそれよりも大事な事は、きちんと歯磨きを継続するモチベーションです。

その為にはゴールを決めましょう

それは、当院ではPCR20%以下です。

つまり、赤く塗られてる面の数が、全体の面の数の20%以下となっている状態です。

理由は0%にゴールを設定すると、永遠続き患者さんのモチベーションも低下してしまいます。

歯科検診などで清掃状態良好の指標はPCR20%以下となっているからです。

また、私はインプラント学会専修医ですが、インプラント治療指針には、インプラント治療を行うのはPCR20%以下が望ましいと明記されております。

一つの指標ですが、この数字を聞いて出来そうと患者さんが思える事も大事です。

そういった理由から当院ではこの数値を採用しております。

数字は状態をわかりやすくとらえる為の大事な表現です。

是非患者さんに伝えてみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 12:17 | Comment(0) | 歯周病予防 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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