この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。
心よりお礼申し上げます。

→動画:インターネット歯医者さん〜実践編〜の目次「患者さん」参照
前回の仮封除去の続きです。
仮封を外した後は、いよいよ被せ物や詰め物を合わせていきます。
補綴物調整1→でも書きましたが、詰め物や被せ物(以下補綴物と書きます)は少し大きく出来てきまして、チェアサイドで削って合わせます。
なので初めは、歯と歯の間(以下隣接と書きます)にひっかかってそこを削らないと入りません。
この隣接面を削り、補綴物が入るようにでも食べ物が歯と歯の間に挟まらないように調整する事を‘隣接面調整’といいます。
この隣接面調整は、ただ削ればいいというわけではなく、削り過ぎると隙間があき過ぎてしまい、食事の際に食べ物が入りこんではさまってしまいます。
かといって削りが甘いと、入らなかったり、きつ過ぎて患者さんがつらいです。
適正な隣接面の隙間は50マイクロメートルと言われております。
マイクロメートルとはミリメートルの100分の1の単位なので、小さ過ぎて目では測れません。
なので教科書では‘コンタクトゲージ’というものを使います。
<コンタクトゲージ>
上の写真のものが歯と歯の間にやっと入るくらいがちょうど良いとされています。
しかし、臨床的にはこれを入れる時に結構きつくて患者さんが少し痛かったりしますし、私の中の感覚ではですが、コンタクトゲージで入るようになってから研磨などをすると最終的に歯と歯の間は離れすぎてしまう(専門用語でコンタクトがゆるくなるといいます)気がします。
なのでそんな時は‘フロス’を使いましょう。
<デンタルフロス>
フロスが抵抗を持って通るというのが通常の歯と歯の隣接面関係ですが、これを利用します。
<フロスを入れてみる>
歯と歯の間に金属を入れるより、きつ過ぎたらフロスは切れてくれるので患者さんも楽です。
歯科関係の方ではない方は、御自身の歯に糸ようじを入れてみて下さい。
抵抗を持ってから、スパンと入ると思います。その歯と歯の間にいつもものがつまるというわけではなければ、その歯と歯のきつさ(コンタクトの強さ)に合わせれば良いわけです。
このように補綴物の隣接面を削り、研磨したのちに、上記と同じ感覚で抵抗を持ってフロスが入ればいいのです。
これを一つの隣接面調整のゴールとしてお話していきます。
では実際どのように合わせるのかと申しますと・・
まず上から入れてみます。
<写真では模型ですが、実際は口の中で入れてみる>
補綴物は少し大きく出来てきますので大抵入りません。
ではどこがひっかかっているのかというと目では確認できません。
なので、私は咬合紙を利用します。
<咬合紙>
咬合紙を下の写真のように切ります。
<細く切る>
そして歯と歯の間に入れてから、補綴物を歯に(入るところまで)入れます。
<歯と歯の間にはさむ>
この状態で咬合紙を引きます。
<はさんだ状態でひっぱる>
抵抗を持って引き抜ければ隣接面関係(コンタクトの強さ)は良好です。
<抵抗を持って引き抜ける>
もしも補綴物が最後まで入ったとしても引き抜く時に破れる場合は隣接面関係(コンタクトの強さ)はきつ過ぎです。
<引き抜いている間に破れる>
さてどこをもう少し削る必要があるのか、咬合紙が教えてくれます。
<当たっているところに印がつく>
赤い色が付いていますので、そこをほんの少しカーボランダムポイントで削ればいいのです。
<赤い印がついているところを削る>
それを繰り返しながら、隣接面調整をしていきます。
咬合紙が抵抗を持って引き抜ける状態から研磨をすると、ちょうど良い隣接面関係(コンタクトの強さ)になりますよ。
フロスもバッチリな感じで入ります。
是非お試しあれです。
では最後に諸先生方は補綴物の隣接面調整をしていて、困るのはこんな時です。
それはもう少し、ほんの少しコンタクトをゆるくしたいけど、なんせマイクロメートルの世界です。
カーボランダムポイントでは削り過ぎてしまうと感じた場合。
そんな時はビックポイントを使ってみて下さい。
<ビックポイント>
隣接面の微調整にとても最適です。
是非お試しいただければと思います。
では入ったけどそれが本当にあってる?補綴物の内部は見れませんから、入ったと思っても入りきっていない事があります。
私の場合は、一度噛ませてみます。
噛んだ後フロスを通してみて、フロスが切れず抵抗を持って入れば隣接面調整は完了とします。
<フロスが抵抗を持って入る>
これは結構大事です。なぜならそのあと咬合調整に入りますが、噛ませた後フロスが入りづらくなることが時々あるからです。
まれに補綴物の適合具合によっては、指で押したぐらいでは最後まで入っていないことがあります。
ですので一度噛ませて確認するわけですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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