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2015年03月13日

補綴物調整4/9(咬合調整1)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

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では、前回隣接面調整をして補綴物が歯に入りました。

この状態で噛むと、補綴物は少し大きく出来てきますので、患者さんは高く感じるかと思います。

この状態から、咬合面を削り適正に調整することを‘咬合面調整'といいます。

さてはじめに、咬合調整に関して歯医者が本気で論じると本かけちゃうというくらい、噛み合わせというのは奥が深いものです。咬合に関してのみの学会や勉強会もあるくらいです。

噛み合わせというのは、歯だけではなく、噛む時に使う筋肉、顎の関節、など他にも色々関与してきます。

それらを総括して理想の噛み合わせを患者さんに与えようとすると、本や学会が出来るくらい複雑になるのです。

この奥深さというのは、想定する条件や何をゴールにするかによっては変わります。なので、今回のブログでは先にゴールを設定しようと思います。

「今回のブログの‘咬合調整’の想定とゴール」とは

一歯や二歯の補綴物、片側、他の歯も残っており噛んでいる状態の口腔内を想定して、患者さんに違和感がない満足のいく、‘咬合調整’をする方法です。

ありゃ〜条件付きの臨床技術かと思われるかもしれませんが、医院の患者層にもよりますが、当院では9割の方が上の条件です。

なので、意味はあるかと思います。

では次回より、‘咬合調整’していきます。よろしくお願いします。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 23:16 | Comment(0) | 補綴物調整 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月08日

補綴物調整3/9(隣接面調整)

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前回の仮封除去の続きです。

仮封を外した後は、いよいよ被せ物や詰め物を合わせていきます。

補綴物調整1→でも書きましたが、詰め物や被せ物(以下補綴物と書きます)は少し大きく出来てきまして、チェアサイドで削って合わせます。

なので初めは、歯と歯の間(以下隣接と書きます)にひっかかってそこを削らないと入りません。

この隣接面を削り、補綴物が入るようにでも食べ物が歯と歯の間に挟まらないように調整する事を‘隣接面調整’といいます。

この隣接面調整は、ただ削ればいいというわけではなく、削り過ぎると隙間があき過ぎてしまい、食事の際に食べ物が入りこんではさまってしまいます。

かといって削りが甘いと、入らなかったり、きつ過ぎて患者さんがつらいです。

適正な隣接面の隙間は50マイクロメートルと言われております。

マイクロメートルとはミリメートルの100分の1の単位なので、小さ過ぎて目では測れません。

なので教科書では‘コンタクトゲージ’というものを使います。

<コンタクトゲージ>

コンタクトゲージ

上の写真のものが歯と歯の間にやっと入るくらいがちょうど良いとされています。

しかし、臨床的にはこれを入れる時に結構きつくて患者さんが少し痛かったりしますし、私の中の感覚ではですが、コンタクトゲージで入るようになってから研磨などをすると最終的に歯と歯の間は離れすぎてしまう(専門用語でコンタクトがゆるくなるといいます)気がします。

なのでそんな時は‘フロス’を使いましょう。

<デンタルフロス>

デンタルフロス

フロスが抵抗を持って通るというのが通常の歯と歯の隣接面関係ですが、これを利用します。

<フロスを入れてみる>

フロスを入れてみる

歯と歯の間に金属を入れるより、きつ過ぎたらフロスは切れてくれるので患者さんも楽です。

歯科関係の方ではない方は、御自身の歯に糸ようじを入れてみて下さい。

抵抗を持ってから、スパンと入ると思います。その歯と歯の間にいつもものがつまるというわけではなければ、その歯と歯のきつさ(コンタクトの強さ)に合わせれば良いわけです。

このように補綴物の隣接面を削り、研磨したのちに、上記と同じ感覚で抵抗を持ってフロスが入ればいいのです。

これを一つの隣接面調整のゴールとしてお話していきます。

では実際どのように合わせるのかと申しますと・・


まず上から入れてみます。

<写真では模型ですが、実際は口の中で入れてみる>

フロスを入れてみる

補綴物は少し大きく出来てきますので大抵入りません。

ではどこがひっかかっているのかというと目では確認できません。

なので、私は咬合紙を利用します。

<咬合紙>

咬合紙

咬合紙を下の写真のように切ります。

<細く切る>

咬合紙を細く切る

そして歯と歯の間に入れてから、補綴物を歯に(入るところまで)入れます。

<歯と歯の間にはさむ>

歯と歯の間にはさむ

この状態で咬合紙を引きます。

<はさんだ状態でひっぱる>

咬合紙をはさんだ状態でひっぱる

抵抗を持って引き抜ければ隣接面関係(コンタクトの強さ)は良好です。

<抵抗を持って引き抜ける>

抵抗を持って引き抜ける

もしも補綴物が最後まで入ったとしても引き抜く時に破れる場合は隣接面関係(コンタクトの強さ)はきつ過ぎです。

<引き抜いている間に破れる>

引き抜いている間に破れる

さてどこをもう少し削る必要があるのか、咬合紙が教えてくれます。

<当たっているところに印がつく>

当たっているところに印がつく

赤い色が付いていますので、そこをほんの少しカーボランダムポイントで削ればいいのです。

<赤い印がついているところを削る>

赤い印がついているところを削る

それを繰り返しながら、隣接面調整をしていきます。

咬合紙が抵抗を持って引き抜ける状態から研磨をすると、ちょうど良い隣接面関係(コンタクトの強さ)になりますよ。

フロスもバッチリな感じで入ります。

是非お試しあれです。

では最後に諸先生方は補綴物の隣接面調整をしていて、困るのはこんな時です。

それはもう少し、ほんの少しコンタクトをゆるくしたいけど、なんせマイクロメートルの世界です。

カーボランダムポイントでは削り過ぎてしまうと感じた場合。

そんな時はビックポイントを使ってみて下さい。

<ビックポイント>

ビックポイント

隣接面の微調整にとても最適です。

是非お試しいただければと思います。

では入ったけどそれが本当にあってる?補綴物の内部は見れませんから、入ったと思っても入りきっていない事があります。

私の場合は、一度噛ませてみます。

噛んだ後フロスを通してみて、フロスが切れず抵抗を持って入れば隣接面調整は完了とします。

<フロスが抵抗を持って入る>

フロスが抵抗を持って入る

これは結構大事です。なぜならそのあと咬合調整に入りますが、噛ませた後フロスが入りづらくなることが時々あるからです。

まれに補綴物の適合具合によっては、指で押したぐらいでは最後まで入っていないことがあります。

ですので一度噛ませて確認するわけですね。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 12:26 | Comment(0) | 補綴物調整 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月06日

補綴物調整2/9(仮封除去)

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

今回から、補綴物調整の実際の臨床について書いていきたいと思います。

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動画:インターネット歯医者さん〜実践編〜の目次「患者さん」参照


さて、技工所から補綴物(インレーや冠が出来てきて、患者さんがいらっしゃってはじめに行うのが「仮封外し」です。

歯を削った後、患者さんの歯には被せ物が出来上がってくるまで、歯がしみないように、歯が動かないように、見た目を保つ為に仮のフタもしくは仮歯を歯につけておきます。

<仮封前>

仮封前


この仮封を外さないと詰め物や被せ物が入れられない為にこの「仮封外し」というのを初めに行います。

<仮封後>

仮封後

上の写真のクリーム色の歯につまっているものが仮封です。

商品名は「デュラシール」「フィットシール」などと言います。

この状態から、探針もしくはエキスカにて仮封を外します。

<左:探針 右:エキスカ>

左:探針 右:エキスカ

まず隣接もしくは咬合面に探針をひっかけて、外していきますが、その前に注意点です。

まず、インレーなど神経の残っている歯の仮封を外す時は、しみる場合があります。

ですので最初に声かけしましょう。

「生きてる歯なので、外す時や外した後しみるかもしれません」

といってから仮封外すことをおすすめ致します。

先に伝えておくのと、おかないのとでは、痛みがあった時の患者さんの反応は段違いに違います。


さて、声かけが終わったら仮封材に探針もしくはエキスカをかけていきますが、上方向に力をかけフタをはがしていきます。

<隣接から上方向に力をかける>

隣接から上方向に力をかける

そしてここでも注意が必要です。

結構仮封材が硬かったり、なかなか取れなかったりすると、ツルッとすべって、歯茎や頬を刺してしまうおそれがあります。

かといって、自身の指でガードするのも、自分の指に刺さると危険です。

なので、‘ミラー’を使いましょう。下の写真を見てください。

<ミラーでガードする>

ミラーでガードする

このようにミラーでガードするのです。

これでツルッとすべってもミラーに当たるので安全です。


ではこれらのことに注意しながら隣接に探針をかけ上にあげていきます。

<デュラシールをはがしていく>

デュラシールをはがしていく

ここまできたら、探針もしくはエキスカに持ち変えて、下の写真のようにかける方がいますが、ここも注意です。

<エキスカを窩底に差し込む>

エキスカを窩底に差し込む

上の写真のようにかけると、テコの原理で比較的簡単に外す事が出来ますが、これは患者さんがしみる可能性が高いです。

なぜなら、探針やエキスカは金属ですが、金属を象牙質に当てるとしみます。

象牙質とは歯の中身の部分で、写真の矢印の部位です。とても鋭敏です。

<象牙質>

象牙質

なので、なるべく象牙質には器具を当てず下の写真のようにします。

<象牙質に器具をあてない>

象牙質に器具をあてない

先程の写真と比べると器具は象牙質から離れているのがわかると思います。


ここまできたら、次は下の写真のようにしましょう。

<指でつかむ>

指でつかむ

で外すのです。

これが一番簡単で早くて、しみないです。

是非お試しあれです。

最後に、歯科医師の先生方へ

仮封材が硬くて、もしくは隣接のアンダーカットにはまっていて全然動かない時ないですか?

そんな時は、仮封材をタービンで削りとる事も考えますが、患者さんはしみてしまい心苦しいです。

そんな時は、咬合面から攻めます。

<咬合面に探針を差し込む>

咬合面に探針を差し込む

咬合面のマージン部分に探針をかけ

抜歯する時のようにグリグリと押します。

<グリグリ下に力をかける>

グリグリ下に力をかける

このようにすると、よっぽど深い窩洞やアンダーカットがないかぎり、下の写真のようにういてきます。

<デュラシールが浮いてくる>

デュラシールが浮いてくる

要は本当に抜歯をする時と同じ原理です。

探針は先細りになっているので、ヘーベルで歯をエレベーターするのと同じ原理が使えます。

<探針は先細りになっている>

探針は先細りになっている

そして咬合面がういて指で持てるようになったら

<もう少し浮かせます>

もう少し浮かせます

<指で持つ>

指で持つ

指で頬舌側に動かしながら外します。

<隣接は頬舌側に動かして外す>

隣接は頬舌側に動かして外す

<外れました>

外れました


こちらの方法もご参考になればと思います。

少しまとめますと・・

1.仮封を外しにかかる前に声かけをする

2.ミラーでガードする

3.象牙質に器具をなるべくあてない

4.指を使う

5.とれない時は抜歯の要領を使う

です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 10:08 | Comment(0) | 補綴物調整 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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