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前回は少し専門的になりましたがアルジネートには‘弾性’と‘離水’という性質がありどちらも型の変形につながるので、これらをよく理解しましょうという話でした
「連合印象5」
では今回は、それでは患者さんにアルジネートを圧接する時間が短すぎても、長すぎてもいけないわけですが、
どちらの方がいけないか?ということについてお話していきたいと思います。
私もこの事を考えました。そこで、ふと、お口の中の湿度は高いですよね。そんなに離水現象がおこるの?
という考えが浮かんだのです。離水現象は当然湿度の高い環境よりも湿度の低い、つまり乾燥している環境の方が起こります。
アルジネートを歯に圧接している時はお口の中です。お口の中はいつも湿ってますよね。湿度は高いといって良いと思います。
さらに大事な型をとる部分、つまりアルジネートの内面は下の写真のようになりますが、この内面はもっと湿度が高いですよね。
<アルジネート印象時のトレー内面>
印象を例え1、2分長く圧接していたからといって、そんなに離水現象は起きないんじゃないか。
と思ったわけです。
逆に急いで、早く印象を外して弾性が発揮されない方が問題ではないか。
と思ったわけです。
歯の形成面はアンダーカットがないように形を作りますが、歯を横から見ると下の写真のようになります。
<歯を横からみた図>
短い矢印の部分が、長い矢印まで広がらないないとアルジネートをそもそもお口の中からはずすことは出来ません。
<短い矢印のアルジネートが長い矢印の長さまで広がらなければ、はずせない>
そしてはずしたあと、そのままでは本当の形とズレてしまうため、また元の形に戻らなければなりません。この性質を‘弾性’というのでした。
この弾性が発揮されておらず、元の形に戻らなかった時の変形量は相当ということはご想像できるかと思います。
そして湿潤状態によるアルジネートの型の変形量を図に示します。
<湿潤状態でのアルジネート印象材の変形量>
お分かりになったでしょうか?
湿度が高い環境であれば‘離水’の影響は少ないのです。この図であれば寸法変化の割合は0.1〜0.5%となります。
弾性が発揮されないうちに、アルジネートを撤去した時の変形量はゆうに数%となるでしょう。
つまり圧接時間が短すぎる方が型が変形を起こすリスクが高いということになります。
つまり、アルジネートの圧接時間は短いより、長い方がいいということです。
これが私なりの答えです。
このことを含めて、次回は当院での印象圧接時間3分について解説していきます。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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