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では「残根抜歯」の続きです。
前回は‘場’の作り方、つまり歯根の境界線をはっきりさせる事と周りの顎骨が歯根よりも下にきていないといけないというお話をしました。
この‘場’を作る為に、場合によっては歯肉を剥離したり、骨を少し削る事も必要です。
そして、今回は場を作ってからどうするかですが、まずは前回もお話しましたが、先の小さい器具を使いましょう。
そしてポジショ二ングはこうです。
<右手で抜歯する場合、左手は添える>
(注:私ではありません)
つまり、ヘーベルを持つ手と反対の手は出来るだけ写真のように添えます。
これは、やはり残根抜歯は滑りやすいので安全の為もありますが、他にも意味はあります。
まず、反対側の手指で歯が動いているか感じる事が出来るのと、下から上への力をかける事が出来ます。
ヘーベルは基本的には上から下へ押す方向に力をかけますが、残根抜歯の場合は、下から上への力もかけると抜けやすいです。
これらを片方の手のみでやるのは物理的に無理です。
反対側の手指も添える事で、一方向だけの力ではなく、色々な方向へ力をかける事が出来ます。
力自体の調整はヘーベルを持つ手で行いますが、力をかける方向の調整は反対側の手で行います。
ビリヤードに例えるとわかりやすいかもしれません。
<ビリヤード イメージ>
上の写真を見ていただくと、右手でキューをもち、左手で方向を定めていますね。
抜歯をする場合は、ひとつ覚えていていただきたい事が、「抜けるポイント」があるということです。
抜けるポイントとは、歯のこの場所、この方向に力をかけると抜けるという場所が、各々の歯であります。
それらを探る時に、ヘーベルを持つ反対側の手は多いに役立つわけです。
反対側の手で微調整をしながら、色々な場所、方向にヘーベルをかけていき、順々一周していきます。
私は前回のブログにも書きましたように、近心頬側から始めます。
そして一周していく間に歯が少し動くポイントがほとんどの場合あります。反対側の手を添えていると歯が動いた時を感じることも出来ますね。
そこが‘抜けるポイント’です。
その場所が見つかりましたら、そこから少し大きくヘーベルを回転させたり、下に力をかけます。
そうすると大抵の場合歯は上に上がってきます。
歯が少し上に上がってきましたら、そこから沿わせた反対側の指を支点に下から上へと力をかけます。
具体的にいいますと、下の写真のようにします。
<指または骨を支点にへーベルを倒し、上向きの力をかける>
これで大抵抜けると思います。是非お試しあれです。
次回は反対側の手のもう一つの意味について書こうと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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