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2015年01月29日

連合印象5/7(離水現象)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

前回、アルジネートの‘弾性’という性質について書きまして、弾性がしっかり発揮される硬化時間がポイントだと書きました。→「連合印象4(弾性)

当院の硬化時間は、患者さんにアルジネートを圧接してから3分にしています。

今回はなぜ3分なのかということをアルジネートの‘弾性’と新たに‘離水’という性質から説明していきたいと思います。

まず、何分なのかということに正解はないと思います。

なぜならアルジネートに混ぜる水の温度が一定ではないからです。「連合印象3(寸法変化に影響を与えるもの)

そして、冷蔵庫の水で温度をある程度一定にしても、アルジネートの商品の種類によっても硬化時間は多少変わるでしょう。

そもそも、練り方でも違ってくると思います。あと、練る量が多ければ練る時間自体変わってきます。

秒単位で、グラム単位で、正しくアルジネートを練るなどという事が果たして可能かというと、人間が練る限り不可能です。

大事な事は、システムを作るということと何をもって何分にしようと考えるかです。医療者としての思考

システムについては前回お伝えしました。

では今回はなぜ3分にしているのかを御説明します。

圧接時間を短くしすぎると大事な‘弾性’が発揮されません。

逆に圧接時間を長くしすぎると‘離水’現象が起きてしまいます。

‘離水’とはアルジネートは、アルジネート粉末と水を混ぜて練ることにより、固めますが長く放置しておくと、アルジネート中の水が失われていく現象の事です。

この離水現象によっても、アルジネートの中の水分がなくなり、型が変形するのです。

<離水により変形>

離水により変形

上の写真をみると、アルジネートが離水により、収縮してトレーからはがれていますね。

では圧接時間が短すぎてもダメ、長すぎてもダメという事になりますが、ここで考えを止めずに考えましょう。

どちらがよりダメでしょうか?

答えは次回にしたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 08:07 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月27日

連合印象4/7(弾性)



この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。


前回はアルジネートの性質について書きました。

そして、たいてい詰め物や被せ物が合わないのはこのアルジネートの扱い方時が原因という話もしました。

アルジネートをとる際に一番考えなければならないのは、‘弾性’‘離水’という現象です。

歯は豊隆がありますので、アルジネートを歯からとる時に、一度広がる必要があります。

<一度広がらないとひっかかってはずれない>

一度広がらないとひっかかってはずれない

そして広がったままになってしまったら、型は‘ずれ’ていますね。

広がったあと、元の形に戻らなければなりません。

これを‘弾性’といいます。

この弾性が発揮されるようになってから、トレーを歯から撤去しなければならないわけです。

これが発揮される、されないの目安が硬化時間、臨床的には圧接時間です。

さて、アルジネートは何分で固まるでしょうか?

お使いの商品の袋に書いてありますので、まずその硬化時間を把握しましょう。

ちなみに当院で使っているアレグレスという商品名のアルジネートはこちらです。

<アレグレス使用法>

アレグレス使用法

<アレグレス物性>

アレグレス物性

ここに、弾性ひずみという記載がありますが、これがこれ以上変化させると元に戻らなくなるよ。これ以下の変化だったら、元に戻るよという値です。

弾性曲線などの図を使って説明をする事も出来ますが、臨床ではそういった値はあまり使わないですね。

大事なのは、何分患者さんの歯にアルジネートを圧接するべきか?という事です。

では当院の臨床を紹介いたします。

この商品の記載には温度の事は書いてありません。

ただ、温度によっても硬化時間は変化する連合印象3でお伝えしました。

水道水を使用する場合は、夏と冬でも水の温度は違います。

なので冷蔵庫に水を保管して温度を一定にしましょう。といった事も前回お伝えしました。

冷蔵庫の水は冷たいですね。水が冷たければ、アルジネートの硬化時間は長くなります。

ですので、当院でのアルジネートを患者さんに圧接する時間は少し長めにとります。

色々試しましたが、練りはじめてから4分が私の場合は良かったです。

ただ、練ってる時にタイマーをかけるのも大変なので、患者さんに圧接してから、3分と決めています。

患者さんに圧接してから、タイマーがすでに3分でセットされているようにしているので、ポチッとスタートボタンを押してから片付けにいくというながれです。

このようにシステムを一律化すると問題点も浮き上がって来やすいですし、何より働きやすく、教えやすくなるので是非お勧めです。

おそらく歯科医師の先生方からはちょっと長くない?という意見があるかと思います。

それにつきましては、次回アルジネートの‘離水’現象という事も踏まえてお話していきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:18 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

連合印象3/7(寸法変化に影響を与えるもの)



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寒天・アルジネート連合印象の続きです。

前回は寒天の流し方について書きました。

今回はアルジネートについてです。

今回想定しているのは、寒天・アルジネート連合印象といって、歯科で一番頻度の高い印象(型)のとり方です。

寒天を流したあと、トレーに持ったアルジネートを歯に圧接します。

<寒天を流す>

寒天を流す

<練ったアルジネートを歯に圧接>

練ったアルジネートを歯に圧接

アルジネートと寒天は最初柔らかく、時間が経つと固まる性質があります。

そして固まったあとトレーを外せば、型がとれているわけです。

<トレー撤去時内面>

トレー撤去時内面

アルジネートは最初‘粉’の状態で保存されています。

<アルジネート粉 水 ヘラ>

アルジネート粉 水 ヘラ

これにを混ぜて練り、一定時間待つと固まります。

<粉と水を混ぜて練る>

粉と水を混ぜて練る

では、まず水をどの位混ぜればいいの?というのが粉液比というものです。

アルジネートは適正な粉液比よりも多く水を入れた場合はどうなるでしょうか?少なく水を入れた場合はどうなるでしょうか?


これらをもう一度おさらいします。

答えは、

■水を多く入れた場合・・アルジネート硬化時間は長くなり、物性は(総じて)落ちます。

■水を少なく入れた場合・・アルジネート硬化時間は短くなり、物性はこちらも(総じて)落ちます。

そうすると粉液比を適正にする事は大事ですね。


また、他にもアルジネートが固まる際に影響する印象があります。

温度です。

■混ぜる水の温度が高いと・・硬化時間は早くなります。

■混ぜる水の温度が低いと・・硬化時間は長くなります。

他に硬化時間は適正な時間よりも

■長すぎると・・離水現象が起きます。

■短すぎると・・弾性が発揮されません。

となるわけです。

他影響する因子はたくさんありますが、基本的な事は上記のこととなります。

さて、すべてを適正にする事は出来ますでしょうか?

寸分違わず正確にはする事は実際不可能ですよね。

ただ、このアルジネートの性質をきちんと把握しておくことは良い印象(型)をとるのに大事です。

・粉液比→計量カップ

・水の温度→水を冷蔵庫に入れて温度を一定にしておく

・硬化時間→患者さんへ圧接する時間をタイマーで何分と決めておく

このように適正に近づけ一定にするシステムが大事です。

なぜなら、寒天に気泡が入っていたら見たらわかりますが、

アルジネートがどう固まって、その型が正確かどうかは見てもわからないわけです。

その型を使い、模型にして、詰め物や被せ物を作り、患者さんにセットする段階になって、初めてその型が正確であったか分かるわけです。

そして、印象の見ためはキレイにとれているのに詰め物や被せ物が合わないという時は、

技工士さんのせいではなく、たいていこのアルジネートが原因です。

少し大事なので、次回にもアルジネートについて続きます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 08:36 | Comment(0) | 印象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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