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大事な項目が抜けておりました。麻抜ステップ4.5「根管孔明示」です。
臨床では、天蓋除去の次に行うステップになります。
天蓋除去が済み、下の写真のようになっています。
<天蓋除去後>
「根管孔明示」とは、上の写真から、下の写真のようにすることです。根管がより見やすくなっています。
根管の入り口(根管孔)を見やすく(明示)するので、このステップを「根管孔明示」といいます。
<根管孔明示後>
なぜ根管孔明示をするのかと申しますと、その次のステップである「根管形成」をしやすくする為です。
根管孔明示をする前とした後の歯の断面図は下の図のようになっています。
<根管孔明示 断面図>
根管形成をする時に使用する器具をファイルといいますが、ファイルの湾曲具合を比べてみて下さい。
根管孔明示をした状態の方が、ファイルがまっすぐに近いのがわかると思います。
ファイルが曲がった状態で根管形成を行うと、ジップの形成、ファイル器具の折れ混みなどのリスクが高くなりますし、何より根管形成に時間がかかります。
<根管孔明示しないで、ファイルを挿入した場合>
<ジップやファイリングの切削>
逆に根管孔明示がきちんとなされると、根管形成がキレイに、早く出来るようになります。
ですので、最初に根管孔明示をきちんと行うことが大事なのです。
ではどのようにやるかといいますと、まずは教科書的なお話からします。
まず使用するのは、下の写真にあるゲイツドリルと呼ばれるものです。
これを下の写真のように、根管に添わせて削り、根管孔明示を行います。注)Aの写真は悪い例なので
、BCDを参考にしてください。
<ゲイツドリルによる根管孔明示>
この方法は良いですね。私もよく行います。
しかし、よく折れませんか?
私はよく折れて、もったいない思いをします。
ゲイツドリルをなるべく折れないようにするには、事前にファイルで根管孔を少し拡大しておくと良いです。
私は#20〜25ぐらいには根管孔を拡大してから、根管孔明示にゲイツドリルを使用します。
また、折らないようにするには超音波チップを使用します。こちらは、折れないしクリアランスが少なくとも使用できるのがいいですね。ただ、根管孔明示に少し時間がかかります。
<超音波チップ>
また、ジップには気を付けた方がいいです。ジップとは下の写真のように根管内に段差が出来てしまう事です。
<ジップの形成に注意>
横から見るとなんて事はありませんが、実際は横から見えませんから、ファイルを差し込んでからあれ?カツカツするぞ、ひっかかったかなとなるわけです。
ジップを修正するのは大変なのと、ジップを頑張って進めていくとパーフォレーションします。
<パーフォレーション>
ジップを作らない為には、ファイルを力任せに根管に押し付けないこと、レントゲンで根管の形を確認すること、そして何より根管孔明示をきちんと行うことです。
それでも、ジップは根が湾曲しているときなどできてしまう時があります。
その時はその位置で根管拡大しないで、一つ細いファイルに持ち替えて根尖まで通します。
また、写真のように、ファイルの先端にプレカーブ(少し曲げる)をつけるのも良い方法です。
では、ゲイツドリルも超音波チップもない場合はどうしましょう。
私がお勧めする、恒例の教科書的ではない事は、このバーを使います。
<ラウンドのダイヤモンドバー>
お馴染みのラウンドのダイヤモンドバーです。
このバーで根管孔の場所をジュッ、ジュッ、ジュッと削ります。
注意点としては、根管がどこにあるのかきちんと見えていることが大切です。盲目的にやると危ないです。
この方法でやれば、
バーを当てるのは一瞬です。
早いです。折れたりもしません。
根管孔明示出来ます。しかも結構きれいに出来ます。
充分気をつけた上で、お試しいただければと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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