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2014年11月26日

麻酔抜髄4.5/10(根管孔明示)



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動画:「麻酔抜髄」

大事な項目が抜けておりました。麻抜ステップ4.5「根管孔明示」です。

臨床では、天蓋除去の次に行うステップになります。

天蓋除去が済み、下の写真のようになっています。

<天蓋除去後>

天蓋除去後

「根管孔明示」とは、上の写真から、下の写真のようにすることです。根管がより見やすくなっています。
根管の入り口(根管孔)を見やすく(明示)するので、このステップを「根管孔明示」といいます。

<根管孔明示後>

根管孔明示後

なぜ根管孔明示をするのかと申しますと、その次のステップである「根管形成」をしやすくする為です。

根管孔明示をする前とした後の歯の断面図は下の図のようになっています。

<根管孔明示 断面図>

根管孔明示 断面図

根管形成をする時に使用する器具をファイルといいますが、ファイルの湾曲具合を比べてみて下さい。

根管孔明示をした状態の方が、ファイルがまっすぐに近いのがわかると思います。

ファイルが曲がった状態で根管形成を行うと、ジップの形成、ファイル器具の折れ混みなどのリスクが高くなりますし、何より根管形成に時間がかかります。

<根管孔明示しないで、ファイルを挿入した場合>

根管孔明示しないで、ファイルを挿入した場合

<ジップやファイリングの切削>

ジップやファイリングの切削

逆に根管孔明示がきちんとなされると、根管形成がキレイに、早く出来るようになります。

ですので、最初に根管孔明示をきちんと行うことが大事なのです。

ではどのようにやるかといいますと、まずは教科書的なお話からします。

まず使用するのは、下の写真にあるゲイツドリルと呼ばれるものです。

これを下の写真のように、根管に添わせて削り、根管孔明示を行います。注)Aの写真は悪い例なので
、BCDを参考にしてください。


<ゲイツドリルによる根管孔明示>

ゲイツドリルによる根管孔明示

この方法は良いですね。私もよく行います。

しかし、よく折れませんか?

私はよく折れて、もったいない思いをします。

ゲイツドリルをなるべく折れないようにするには、事前にファイルで根管孔を少し拡大しておくと良いです。

私は#20〜25ぐらいには根管孔を拡大してから、根管孔明示にゲイツドリルを使用します。

また、折らないようにするには超音波チップを使用します。こちらは、折れないしクリアランスが少なくとも使用できるのがいいですね。ただ、根管孔明示に少し時間がかかります

<超音波チップ>

超音波チップ


また、ジップには気を付けた方がいいです。ジップとは下の写真のように根管内に段差が出来てしまう事です。

<ジップの形成に注意>

ジップの形成に注意

横から見るとなんて事はありませんが、実際は横から見えませんから、ファイルを差し込んでからあれ?カツカツするぞ、ひっかかったかなとなるわけです。

ジップを修正するのは大変なのと、ジップを頑張って進めていくとパーフォレーションします。

<パーフォレーション>

パーフォレーション

ジップを作らない為には、ファイルを力任せに根管に押し付けないことレントゲンで根管の形を確認することそして何より根管孔明示をきちんと行うことです。

それでも、ジップは根が湾曲しているときなどできてしまう時があります。

その時はその位置で根管拡大しないで、一つ細いファイルに持ち替えて根尖まで通します。

また、写真のように、ファイルの先端にプレカーブ(少し曲げる)をつけるのも良い方法です。



では、ゲイツドリルも超音波チップもない場合はどうしましょう。

私がお勧めする、恒例の教科書的ではない事は、このバーを使います。

<ラウンドのダイヤモンドバー>

ラウンドのダイヤモンドバー

お馴染みのラウンドのダイヤモンドバーです。

このバーで根管孔の場所をジュッ、ジュッ、ジュッと削ります。

注意点としては、根管がどこにあるのかきちんと見えていることが大切です。盲目的にやると危ないです。

この方法でやれば、

バーを当てるのは一瞬です。

早いです。折れたりもしません。

根管孔明示出来ます。しかも結構きれいに出来ます。

充分気をつけた上で、お試しいただければと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 23:27 | Comment(0) | 麻酔抜髄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月04日

麻酔抜髄10/10(仮封)



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動画:「麻酔抜髄」


今まで抜髄処置について書いてきまして、この「仮封」にて、処置はおしまいです。

仮封とは、歯根の中に貼薬をしたのち、このままだとせっかくつけた薬がとれてしまったり、お口の中のばい菌が根管の中に入らないように下写真のように蓋をすることです。

<仮封>

仮封

この蓋は後でお薬の交換(綿栓交換や貼薬交換といいます。)の際に取りますので、‘仮’をつけて仮封といいます。

要は普段は取れなくて、外そうと思ったら外せる、そんな材料で蓋をします。

仮封材料は色々な種類がありますので教科書でみてもらえればと思いますが、私はこれを使います。

キャビトンです。

<キャビトン>

キャビトン

きっと皆様も大抵の場合キャビトンを使うと思います。ので今回は仮封材の種類に焦点を当てるのではなく、仮封材を外さない方法について御紹介します。

諸先生方も仮封が外れてしまったと、来院される患者さんが時々おられるのではないでしょうか?

また、患者さんも歯科にかかっている際、根っこの治療をしている時に仮の蓋が外れて、急遽歯医者に寄らなければならなくなったなんて経験はないでしょうか?

仮封が外れても、仮だから、また蓋すればいいからと油断しがちですが、患者さんからすれば急遽歯科医院に行かなければならないのはとても手間です。

また、歯学的にも、薬が漏れたり口腔内の細菌が根管の中に入るのはもちろん避けた方がいいわけです。

かといって硬い接着材料で蓋をすると外す時に大変です。

特に外れやすいのはこんな形です。

<残根の歯>

残根の歯

ひっかかる部分が少ないので外れてしまいます。

ではどうしましょうか?今回はとっておきの方法をお伝えします。

キャビトンとは水硬性といって水で固まる性質があります。

ですので通常の使い方としては、最初は固まっていない状態で、一定量とり、水をつけてから歯に入れます。

<水をつける>

水をつける

外れやすいかな、外れて欲しくないなという時はこうしましょう。

<キャビトンを指でグイッと水に押し付ける>

キャビトンを指でグイッと水に押し付ける

キャビトンを指でグイッと水に押し付けます。

これで仮封してみていただければと思います。だいぶ外れなくなりますよ。

<残根歯の仮封>

残根歯の仮封

ここまでお読みいただきありがとうございました。

さてこれで長かったですが麻酔抜髄処置はおしまいです。と、思っていたのですが、ステップ「根管孔明示」が抜けておりました。すみません。

根管孔明示とは天蓋除去をしたのち、根管形成をする前に行うステップですが、とても大事ですので、次回お伝えします。

もう少しお付き合いいただければと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

タグ:抜髄 歯科 仮封

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posted by さけいくら at 07:58 | Comment(0) | 麻酔抜髄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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