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2014年10月28日

麻酔抜髄9/10(根管貼薬)



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動画:「貼薬交換」

今回は題「根管貼薬」ですが、今は抜髄に関してお話ししている為、貼薬する薬の種類はある程度決まっております。

根管貼薬とは、根管形成・根管洗浄を行った後、下写真の綿栓と呼ばれる綿に薬を浸し、根管内に入れることです。

<綿栓>

綿栓

通常の方法ですと、ペリオドン+FGではないでしょうか?

最初にファイルにぺリオドンをつけて根管の先(根尖付近)につけた後、綿栓にFGという薬を浸し、根管内に入れます。

<ぺリオドン>
リオドン

<FG>
FG

私の場合は、残髄(神経を取り残す事)嫌なので、神経を殺す薬であるペリオドンをファイルに付けて根尖付近に塗布した後、綿栓にFG付けて根管内に入れた後、仮封します。

ただ、注意しているのは根尖付近であって、根尖には付けません。

根尖につけると痛みやその後感染根管になることがありますので、注意した方が良いと思います。

あくまで根尖付近です。

なので、ペリオドンをファイルにつけて根管内に貼薬する場合はメーターをつけた状態で行いましょう。

これで根尖外にはみ出す心配はありません。

次にFGですが、こちらはF(ホルマリン)G(グアヤコール)の略です。

ホルマリンのタンパク質凝固作用によって残髄組織を固定し、グアヤコールの鎮痛作用で、抜髄後の痛みを緩和します。

<FG引用>
ホルマリンの強力な殺菌・消毒作用、残髄固定作用を生かし、鎮痛鎮静作用のあるグアヤコールを配合することでホルマリンの組織刺激性を緩和し、貼薬後の臨床的不快症状の発現が少ない、齲窩、抜髄根管及び感染根管の殺菌・消毒剤です。ー引用終わりー

ただ、ホルマリンは生体偽害作用がありますので、最近はファイルで入念に歯髄組織をとり、歯髄組織が「完全にとれたな」と思ったならば、FGは使わず、鎮痛作用のあるメトコールのみを使うようにしています。

完全にとれたなという目安は、洗浄後、ファイリングしても出血しないファイリングで切削片が出てくるです。

切削片が出てくるということは、根管壁をファイルで削っていることになります。そこまでいけば、根管内にある歯髄(歯の神経)はとれているというわけです。

さて、ではそれらの薬をどの位の量つけるの?

という事ですが、私の考え方としましては、麻抜の場合は感染はしていないわけです。

ですので、神経がしっかりとれてれば、そんなにつける必要はないはずです。特に貼薬剤は劇薬が多いですから、そんなに量を入れない方が好ましいですね。

沢山つけると、痛みが出たり患者さんから薬の味がするなどの指摘を受ける事も昔経験しました。

そこで私の貼薬方法をお伝えすると、まず綿栓に薬液をつけ、角ワッテに写真のように吸わせます。

1.綿栓に薬液をつける
綿栓に薬液をつける

2.角ワッテに吸わせる
角ワッテに吸わせる

吸わせる時間は一秒位、チョンと置くだけですが、これにより、余分な薬液を吸ってくれ、私の経験ではちょうど良い量になってくれ、貼薬量も一定になります。

さらに、綿栓を根管内に入れる際は写真のように折り曲げますが、これを角ワッテに吸わせる時に同時にやります。

<綿栓を折り曲げる>

綿栓を折り曲げる

要は下の写真のようにします。

<ワッテに吸わせるのと同時に折り曲げる>

ワッテに吸わせるのと同時に折り曲げる

これで処置もスピーディになりますね。

貼薬には、諸先生によってまちまちな考え方があります。私も水酸化カルシウム製剤を使用したり、色々しますが、まずは基本として上記の貼薬法を御紹介しました。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 23:26 | Comment(0) | 麻酔抜髄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月21日

麻酔抜髄8/10(根管洗浄)



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動画:「貼薬交換」

今回から麻抜ステップ7「洗浄・貼薬・仮封」を順次御紹介していきます。

根管形成後、技術的にはこのステップ7は簡単ですが、根管治療の予後を決めるという意味では、このステップも大事であります。

色々な方法があり、ドクターによっても、参考書をみても、このステップは様々なやり方があるのもその為です。

今回は基本編なので、オーソドックスなやり方に少し私の方法を付け加えたものを御紹介致します。

まず、根管洗浄とは根管形成が済んだ後、根管内を洗うことです。

<根管洗浄 図>

根管洗浄 図

洗浄液は教科書通り、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)と、過酸化水素水(H2O2)の交互洗浄を行います。

<ルートキャナルシリンジ>

ルートキャナルシリンジ

これはなぜかというと、次亜塩素酸ナトリウムによる、有機物(タンパク質のこと)溶解作用の他、過酸化水素を入れると、発砲(酸素)による殺菌効果、と次亜塩素酸ナトリウムをに変え中和する作用があるからです。下の化学式を参考にしてみてください。

要は、次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後、過酸化水素水を入れることによって、

次亜塩素酸ナトリウムを塩と水と酸素に変えることで中和します。

NaOCl(次亜塩素酸ナトリウム)+H2O2(過酸化水素水)→NACl(塩)+H2O(水)+O2(酸素)

有機物溶解作用で根管形成の際の削りかすと根管にへばりついている歯髄(神経)を溶かします。

発砲作用によって殺菌効果があるのは、細菌には私達人間と同じように酸素を必要とする細菌(好気性菌)もいれば、逆に酸素があると死んでしまう細菌(嫌気性菌)もおります。

酸素を必要とする菌を好気性菌、逆に酸素があると死んでしまう細菌を嫌気性菌といいます。

根っこの中は普段酸素がない(少ない)為、嫌気性菌が繁殖しやすいですのでそれらを酸素の発砲作用で殺菌します。

<発砲作用>

発砲作用

これらが、教科書的な事です。

では、実際の臨床の話ですが、交互洗浄で根管の根尖の方まで、はたして洗えていますでしょうか?

大抵の場合は、洗浄液は根管の上の方をクルクル回っているだけになっていることが多いです。

<右図のように洗浄できているとおもいきや、実際は左図のようになっている事が多い>
右図のように洗浄できているとおもいきや、実際は左図のようになっている事が多い


かといって、根尖まで洗おうと、ノズルを押し込んだり、シリンジに強圧をかけると、洗浄液が根尖外へ出てしまい、激しい痛みや気腫を発生させる原因となります。

<根尖孔外への浸出>

根尖孔外への浸出

また、次亜塩素酸Naは危険ですね。衣服などについてしまったりすると真っ白に脱色してしまいますし、目にこぼしてしまった場合は大変です。すぐ洗い流さないと失明してしまいます。

なので、実は初めからおいていない医院もあります。

しかし、次亜塩素酸Naは前回の題「根管形成」でも御紹介したとおり、残髄をなくす為にも、また今回の貼薬前の消毒の意味でも必要です。

ただ、リスクもあるのは確かです。

沢山患者さんをみていく中で、まあ気をつければいいだろうでやっているといつか事故を起こす可能性がありますので、最初からおかないという判断をしている医院も、私はうなづけます。

ではリスクなく、そして根尖付近まで、次亜塩素酸Naを使う為の方法を御紹介します。

それは、

綿栓につけるのです。

貼薬の項でもお話しますが、綿栓とは根管内にお薬をつける為の綿です。

<綿栓>

綿栓

これに次亜塩素酸Naを付けて、根っこの中に入れます。

そうすると、こぼす可能性もなくなり、かつ根の先の方まで次亜塩素酸Naを置いてくることができます。過酸化水素水についても同様です。

是非お試しくださればと思います。

次に貼薬・仮封ですが、次回に続きます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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posted by さけいくら at 09:00 | Comment(0) | 麻酔抜髄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月15日

麻酔抜髄7/10(根管形成2)



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動画:インターネット歯医者さん〜実践編〜目次「患者さん」参照


前回の続きで「根管形成2」です。前回は大まかに歯の神経を取るところまで進みました。

今回は、根管長測定器をつけて、そこから精密に根管形成をしていきます。

<根管長測定器>

根管長測定器

私は、No.15からはじめます。理由はいきなり横着して、大きい号数でも良いのですが、色々やってきまして、やはり基本通りNo15(もっと細くても良い)で全ての根管は一度根尖まで通しておくと、その後の拡大がやりやすいと気付いたからです。

さて、No.15が通らない時はありませんでしょうか?

その時は一度引き抜いてから、もう一度入れて下さい。入るようになります。

そしてここが重要なところですが、引き抜く方向は、外側に押し付けるように引き抜きます。

<矢印の方向に押し付けながらファイルを引き抜く>

矢印の方向に押し付けながらファイルを引き抜く

根管孔明示もそうですが、根管形成も下図のように根管がなるべくまっすぐになるように形を作ります。

ファイルを引き抜く際に矢印の方向に押し付けながら引き抜き、下図の青い部分を削ることで、スムーズな根管形態を作ります。

<ファイリング断面図>

ファイリング断面図

ファイリング捜査は、教科書通りファイルを回転させるのは3分の1から4分の1回転にとどめて、進めていきます。

<3分の1から4分の1回転>

3分の1から4分の1回転

では皆様に質問です。
根管は上から形成する?下から形成する?です。

答えは両方です。

ただ、上から形成するという概念がない先生方も多く、その場合は上から形成するという事もありと思っていただいた方が良いと思います。

なぜなら、臨床では両方使う為です。

私のやり方を御紹介します。

まずいけるところまでファイルは入れます。

抵抗を感じたら、そこで3分の1から4分の1ファイルを回転させ、外側に押し付けるように引き抜きます。

そして、引き抜いた後、また同じくNo.15ファイルを入れます。そして抵抗を感じたら、同じようにファイルを少し回転させ、外側に押し付けるようにファイルを引き抜きます。

上記は上から形成しているんですね。

そして根尖から1ミリ手前までいきましたら、そこから抵抗がなくなるまでは、同じ号数で根尖まで入れてから引き抜きます。

これは、下から形成してるんですね。また、抵抗がなくなるまでというのが大事です。

例えば、No.15でやっとファイルか入る状態でNo.20に号数をあげてもなかなか入りません。

ですので、次の号数にあげる(太くする)際には、今の号数で抵抗なく根尖まで器具が入るところまでやると良いです。

そして同じ事を繰り返し、私は大臼歯で最低30号位、前歯で35から50号位まで拡大します。

No.15号でしっかりと根管形成が済めば、あとは途端に楽になります。焦らず、No.15を極めていただければと思います。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。

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posted by さけいくら at 00:45 | Comment(0) | 麻酔抜髄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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