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2014年05月16日

医療者としての思考

こんにちは、水道橋クリスタル歯科院長・歯科医師・歯学博士・大学病院保存科非常勤講師・インプラント学会専修医の小栗卓也です。

この度もブログ「インターネット歯医者さん」をお読みいただき誠にありがとうございます。

心よりお礼申し上げます。

私はもう一つ、一般の方向けに、お勧めのオーラルケア用品をご紹介するブログを書いております。ご興味のある方はリンクからどうぞ

今回は題「医療者としての思考」です。

私は常々、人となりとは

思考行動結果

の順番になっていると考えております。

まず思考があって、それにともないそれが行動にあらわれ、結果、結果となると、まあ考えているわけです。

本日は医療者としての思考に関するお話です。

さて、いきなりですが原則とはなんでしょうか?

かの有名なウォーレンバフェットは時代遅れになってしまうものは原則とは呼ばないという事を仰っておりましたが、

医療というものにも2千年前から今も語り継がれているヒポクラテスの誓いというものがあります。

下記に引用します。

ヒポクラテスの誓い(訳:小川鼎三)

1.この術を私に教えた人をわが親のごとく敬い、わが財を分かって、その必要あるとき助ける。

2.その子孫を私自身の兄弟のごとくみて、彼らが学ぶことを欲すれば報酬なしにこの術を教える。そして書きものや講義その他あらゆる方法で私の持つ医術の知識をわが息子、わが師の息子、また医の規則にもとずき約束と誓いで結ばれている弟子どもに分かち与え、それ以外の誰にも与えない。

3.私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。

4.頼まれても死に導くような薬を与えない。それを覚らせることもしない。同様に婦人を流産に導く道具を与えない。

5.純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う。

6.結石を切りだすことは神かけてしない。それを業とするものに委せる。

7.いかなる患家を訪れる時もそれはただ病者を益するためであり、あらゆる勝手な戯れや堕落の行いを避ける。女と男、自由人と奴隷の違いを考慮しない。

8.医に関すると否とにかかわらず他人の生活について秘密を守る。

9.この誓いを守りつづける限り、私は、いつも医術の実施を楽しみつつ生きてすべての人から尊敬されるであろう。もしこの誓いを破るならばその反対の運命をたまわりたい。

 この「誓い」は、二千年以上前の医療状況下で書かれたものであるので、一部の内容は現代に適さないものもありますが、

多くは現在でも医療倫理の根幹を成しています。

患者の生命と健康保持のための医療を要とし、患者のプライバシー保護、医学教育における徒弟制度の重要性、専門職としての医師の尊厳など多岐にわたっており、「誓い」は弟子たちによって確実に継承され日本でも江戸時代の蘭方医によって伝えられております。

〜引用終わり〜

さて、いかがでしたでしょうか?

現代には当てはまらない部分もありますが、そこはバフェット先生の言葉になぞらえて置いておくとして、このヒポクラテスの誓いは現代も私達医療者が、学生の時に最初に習うものです。

これを読んで、優しい気持ちになったり、気が引き締まったりするあなたは医療者としての素質があるかもしれませんね。医は仁術なりと申しますが、その気持ちこそ原則なのかもしれません。


話は変わりますが・・

昔、私が東京女子医大で研修を受けている時こんな事がありました。

虫歯を削って、型をとり、模型にして、銀の詰め物(インレー)を作る治療がありますが、
私が研修医の時、指導医の先生に自分が削った歯の模型を添削してもらう機会がありました。

私はいっぱい練習しましたから、ほぼ教科書通りの形に削り、自信満々で見せにいきました

心の中では見よ、この美しい曲線!という具合にきっと褒めてもらえると思って意気揚々と見せたのです。


すると指導医の先生は、「ふーん、でどうしてこういう形にしたの?」

私は、「あ・・え?」


それを答えられないなら君は医療者ではない。とピシャッと言われてしまいました。


患者さんは100人いたら100人共、当たり前ですが違う人間です。

虫歯リスクの高い人もいれば低い人もいます。痛みに強い人もいれば、そうでない人、神経質な人もいれば歯が一本二本なくても関係ないねという人もいます。

虫歯リスクが高い為にこういう形にしました、だったり、この方は若く神経が旺盛なのでここに側室を形成するのはやめよう、だったり。

または、この人は一度他院で外れているので次は絶対外れないようにここに維持部を設けよう。

レントゲンでみたらここに歯の神経が突出しているので形成面から外そう。

この人は咬合が強いためCRではなくインレーにしよう。

など、同じ虫歯の治療でもどこまでも深く考えて行動する事が出来ます。

患者さんは体を預けているわけです。自分がどんな事を行っているのか、なぜそうしたのか。
それをはっきり言えないようでは、私だってそんな人にやってもらいたくないですし、

それをどこまで考えられるか”が医療者としての思考なのだと思います。

偉そうな事を言いましたが、当時、君は教科書を真似ただけだねと言われ、恥ずかしい思いをした話でした。

そして、医療者とは何か考えさせられた経験です。

とかく歯医者は技術に目がいきがちですが、もちろん技術も大事ですが、医療者としての思考が伴ってこそなのだと思います。

まさに思考→行動、そして結果として患者さんは身体を委ねようと思うわけですね

ここまでお読みいただきありがとうございました。


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posted by さけいくら at 23:29 | Comment(0) | 思考編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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